津和野町:日原と津和野の2病院、公設民営化へ 「医療の灯消せない」 /島根
津和野町は、石西厚生農業協同組合連合会が同町内で運営している、津和野共存病院と日原共存病院の土地や建物などを買い取り、公設民営化する方針を明らかにした。資産の鑑定評価費273万円を含む一般会計補正予算案を町議会に提案し、26日可決された。 医師不足による収益の減少と診療報酬の改定などで経営環境が悪化。事業資金の調達も極めて厳しくなったため、石西厚生連は今年8月に公設民営化を求める要望書を町に提出した。これを受け町で検討した結果、公設民営化して医療事業を存続させていく方策しかないとの結論に達したという。 町によると、両病院と老人保健施設の建設資金に関わる長期借入金が約9億4973万円あり、町が病院などを買い取ることで同厚生連が長期借入金などの返済に充てる方針。民営化の受け皿としては新たな医療法人の設立も検討していく。 同厚生連は今年1月、療養型の日原共存病院を津和野共存病院に統合し、日原共存病院は老人保健施設にした上で無床診療所を開設するとの方針を決定。10月1日から移行する予定だったが、手続きの関係で11月1日に延びるという。 中島巖町長は「地域から医療の灯を消すことはできない。町内で最大の雇用の場でもあり、公設民営化はやむを得ない」と話している。【児子勉】 毎日新聞 2007年9月28日
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