2007年09月28日 更新

たった4安打で逆転勝ち!日本ハム、つなぎの野球でM「3」

八回、セギノールの適時打で生還した田中賢(右)を森本が笑顔で出迎える(撮影・原田史郎)

八回、セギノールの適時打で生還した田中賢(右)を森本が笑顔で出迎える(撮影・原田史郎)

 (パ・リーグ、西武3−4日本ハム、23回戦、11勝11敗1分、27日、グッドウィルドーム)つなぎの野球は、安打数など関係ない。「なんでだろう?」。たった4安打で逆転勝ちした試合後、田中幸が笑いながらつぶやいた。楽天・田中、西武・岸、パの新人王候補に連夜苦しめられた。前夜(26日)も4安打、この日も4安打。されど連勝。ついに優勝マジックは3に減った。

 「勝つ術をわかっている選手が、やるべきことをやるから、いいケミストリー(化学反応)が起きるんだ」

 セギノールが八回の逆転劇をふりかえった。先頭の森本が死球。西武が岸をあきらめる。だが神経質な2番手・三井をあざ笑うかのように、犠打のスペシャリスト・田中賢が四球を選ぶ。稲葉は体勢を崩されながら二ゴロで一死二、三塁にチャンスを広げる。そしてセギノールの逆転2点タイムリーが三遊間を割る。機を逃さない集中力が触媒になって、逆転の化学反応を起こしてみせた。

 「日頃の積み重ねですよ。打たなくても勝てるということ」と四球を選んだ田中賢は笑いながら胸を張った。前夜、楽天・田中を打ち崩したサヨナラ劇も、この男の四球から。この2試合ノーヒットながら「いやらしさ」で打線の中核にいる。

 「集中力を切らさない選手たちが、わたしに彼らを信じさせてくれる」とヒルマン監督。Vロード初戦、札幌から1200キロを超える埼玉・所沢での移動日ゲームを制した。最短Vは、29日。千葉(ロッテ戦)を胴上げの地にする。

(加藤俊一郎)

★復活グリンが粘投

 右肩痛で出場選手登録を抹消されていたグリンが、9月13日のロッテ戦(千葉マリン)以来の先発で6回2失点。過去2試合は試合中に右肩に張りが出ていたが、「ゲームが進むにつれて心配がなくなった。これからエキサイトするシーズンだからね」と笑顔。クライマックスシリーズ突破へむけて、頼もしい助っ人が復活した。

◆八回に死球で逆転のきっかけを作った日本ハム・森本

「全然打てそうじゃなかったのにね。ラッキー」