29日の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」で、糸満市の平和祈念公園から、会場の宜野湾市の宜野湾海浜公園までをつなぐ「平和の火リレー」。第1区間を走るのは糸満市立高嶺中学校生徒会のメンバーら。生徒らに共通するのは「事実を曲げないで」との思い。沖縄戦終焉(えん)の地糸満市から、リレーを通し平和への思いを県民につなぐ。
リレーに参加するのは同中学校3年生の玉城寛之君、竹富大航君、金城徳(かつお)君、安里まき子さん、杉本麻美那さんの5人。県民大会の実行委員会から27日、学校側に出場依頼があり、承諾した。
5人は日ごろから学校の授業や新聞、テレビなどで沖縄戦を学ぶ中で、教科書から「集団自決」の日本軍強制の記述が削除されることに強く疑問を感じていたという。
玉城君は沖縄戦について「集団自決に軍命があったというのは事実。教科書にも残してほしい」と話し、金城君はこれまでは記述があったことに触れ「なぜ今まで事実として書かれていたものを消すのかが分からない」と疑問を投げ掛けた。
「もし自分がいきなり『死ね』と言われたらすごく怖い」と安里さん。「あったことは隠さないでほしい。死んでいった人たちがかわいそう」と顔を曇らせ、竹富君も「本当にあったことは伝えていきたい。(軍命の)記述はあるべきだ」とうなずいた。
杉本さんは「沖縄戦では壕で泣く赤ちゃんも殺されたという。何で事実を消そうとするのか。平和の火リレーで事実を伝え、つなげていきたい」と力を込めた。
「自分たちが走ることで、沖縄戦の事実を多くの人に考えてもらい、平和への思いを伝えたい」生徒らは口をそろえた。
(9/28 9:34)