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首相の政党支部、領収書あて名書き換え 06年収支報告

2007年09月28日06時00分

 福田首相(衆院群馬4区)が代表を務める「自民党群馬県第4選挙区支部」や関連する政治団体の06年の政治資金収支報告書で、添付された領収書のコピーのあて名が二重線で消され、新たに政治団体や政党支部の名前が書き加えられていたことが分かった。こうしたあて名の書き換えは、領収書の発行者ではなく福田氏の事務所がしており、判明しているだけで17枚、約570万円分になる。

 福田氏側は「書き換えは本来、領収書の発行者にお願いすべきところだった。対応策を検討したい」と話している。

 収支報告書や、朝日新聞が情報公開請求して開示された領収書のコピーによると、書き換えられた領収書のコピーが添付されていたのは、政党支部が06年に政治活動費として支出した2202万円の一部。例えば、昨年9月28日に「会合費」として計上され、群馬県高崎市内のホテルが発行した約7万円の領収書は、もともとあて名に福田首相の政治団体「福田経済研究会」と記されていたが、その上に二重線がひかれ、「自民党群馬県第4選挙区支部」と書き換えられていた。同様にあて名を研究会から政党支部に書き換えられた領収書は計5枚あった。

 このほか、別の事務所名や白紙だったとみられるあて名欄に新たに政党支部の名前を書き加えられていた領収書が4枚、銀行振り込みの際の依頼人欄に政党支部名を書き加えていた利用明細書が6枚あった。

 福田経済研究会の06年の収支報告書でも、あて名が政党支部から研究会に書き換えられた郵便局発行の領収書が2枚あった。

 福田氏の事務所が「政治資金のチェックに関する一切を委ねている」とするシンクタンク「企業税制研究所」(東京都)は朝日新聞の取材に対し、「04年ごろから、政治活動を個人の政治団体から党(支部)に移行させてきたが、外部には活動主体を従来のままと認識されている方が少なくなかった」と説明。経費付け替えの疑いが生じることに対しては「ごもっともであると考えます。今後このような状況が早急に改善されるように対応策を検討したい」と回答した。

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