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師匠会に出席した時津風親方には笑顔も見られた
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大相撲の序ノ口・時太山=ときたいざん=(当時17=本名・斉藤俊さん)が急死した問題で、愛知県警から傷害容疑で立件される見通しとなった時津風親方(57=元小結・双津竜、本名山本順一)が27日、東京・両国国技館で行われた日本相撲協会の理事会および師匠会に出席し、今回の騒動について謝罪した。しかし、容疑をかけられた事件そのものについての謝罪はなく、また進退についても明言せず、同席した親方衆からは疑問の声も漏れた。
【花田家"お家騒動"
八百長騒動】
突然の行動だった。前日までは騒動の影響で師匠会を欠席するものとみられていた時津風親方が、この日午後1時すぎに“ろう城”していた東京・両国の部屋を出て国技館を訪れた。同じ時津風一門の理事の伊勢ノ海親方(元関脇・藤ノ川)は「体調が悪いこともあったし、騒ぎになるから(出席するか)分からなかった。でもけさ、出席するとの連絡があった」と予想外の行動だったことを明かした。それだけに、時津風親方が師匠会の会場となる国技館の大広間に姿を見せると、多くの親方からざわめきの声が上がった。ある親方は「来ないと思っていたからびっくりした。でも来たから、辞めると言うのかなと思った」と振り返った。
時津風親方は、まず北の湖理事長(元横綱)の元を訪れ「ご迷惑をおかけしました」と謝罪。そして理事会のために会議室に集まっていた8人の理事と役員待遇2人、3人の監事にも頭を下げた。しかし、その後で協会事務室で報道陣に囲まれると「出ていけ!」と声を荒らげ、さらに師匠会に向かう途中の通路では「ここは師匠会だから他の人の迷惑になる」とイラついた表情を見せた。
師匠会の冒頭では、親方衆の席の一番前に立った時津風親方が「弟子の育成や勧誘などで、いろいろご迷惑をおかけしまして申し訳ありません。いまは警察、弁護士といろいろやっているところです」と騒動については謝罪の言葉を並べた。帰り際には報道陣に「(謝罪は)皆さん(親方衆)に迷惑をかけたから…」と語ったが、斉藤さんの遺族に向けては「何とも言いようがない」と話しただけ。傷害容疑そのものへの謝罪の言葉は最後まで聞かれず、進退についても一切触れなかった。
まるで反省の色が見られない様子に、部屋持ちのある師匠は「弟子が1人死んでいるんだから。自分から責任(退職)を取らなきゃいけない」と指摘。またある有力親方は「一門(時津風)でしっかり考える必要があるのでは」と語った。北の湖理事長は処分については前日同様「捜査結果が出たらやります」と慎重な姿勢を崩さなかったが、親方衆の考えは違う。
時津風親方が愛知県警に立件された場合、現役親方が傷害で逮捕される前代未聞の事態となる。日本相撲協会が受けるダメージは計り知れないだけに、逮捕される前に親方を辞めてほしい――というのが多くの親方の本音だろう。だが、肝心の時津風親方には辞めるそぶりすらない。八百長騒動、朝青龍問題に続いての時津風事件で、相撲界は存亡の危機に立たされた。
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