様々な種類があるキャットフードの中から、安全性の高いものを選ぶにはどうしたらいいのでしょうか?
元気で長生きしてほしい、大切な家族の一員でもある愛猫のフード選びについて紹介していきます。
キャットフードの種類
キャットフードは含まれている水分量によって、大きく2つのタイプに分かれています。
まずはその種類と種類によるメリットとデメリットを見てきましょう。
ドライフード
水分量が10%以下のペットフードです。
ドライタイプのメリットは、少量でも必要な栄養素やカロリーが簡単に摂れることや、カリカリと食べることによる歯石予防、常温での保存が可能なことに加え、開封後の保存期間も比較的長く、コスト面でも安いという点などがあげられます。
デメリットとして、穀物の含まれる割合が多いことや酸化のしやすさ、水分量が少ないためにフードだけでは十分な水分が摂取できないなどがあげられます。
ウェットフード
水分量が75%以上のペットフードです。ウェットタイプのメリットは、肉や魚など原材料そのものの食感や臭いなどがあるため、愛猫の嗜好性に適しています。味の種類も豊富で開封前ならば長期保存も可能です。
ただし、開封後は冷蔵保存が必須で保存期間はとても短いです。また、フードの食べかすなどが残りやすいため、歯石や歯肉炎の原因になりやすいなどのデメリットがあります。コスト面でもやや割高になります。
メリット・デメリットを考えた上で使い分ける
ドライフードとウェットフード、それぞれにメリット・デメリットがあることが理解できたと思います。猫の好みや生活スタイルによって上手に使い分けてください。
ドライフードだけやウェットフードだけどいうように偏らず、両方を交互にあげるというのもおすすめの方法です。
キャットフードは国産と外国産どちらが安全?
国産と外国産、なんとなく日本で作られた国産の方が安全なイメージをもっていませんか?
しかし、ペットフードに関していえば、国産よりも外国産の方が安全だということをご存知でしょうか。
その理由として、国産のペットフードには特別な規制がなく、猫が食べるものであるにもかかわらず「食べ物」として扱われていないのが現状です。
逆にペット先進国であるイギリスでは、ペットフードといえども、人間が食べる「食品」と同じように法律で厳しく規制されているのです。アメリカやカナダ、ドイツ、フランス、イギリス、オーストラリアなどもペットフードに対する規制が日本よりも厳しく、ペットの健康を考えたフードになっています。
キャットフードを選ぶ時のポイントは?
では、どのようなことを基準にしてキャットフードを選んだらいいのでしょう?
ライフステージ(年齢)にあっていること
キャットフードはライフステージごとに、子猫用(離乳~1歳まで)、成猫用(1歳~6歳まで)、高齢猫用(7歳~10歳まで)、老齢猫用(11歳以上)というように、分類されており、子猫用は急速な成長に対応するため、最も高タンパク質・高カロリー食になります。
反対に高齢・老齢のシニア猫用は内臓機能が衰えてくるため、消化吸収がよく、高タンパク質で低カロリー食でシニア猫の健康維持を考えたフードになっています。
猫も人間同様に歳をとります。年齢に合ったキャットフードを与えることが、健康で長生きするための基本になるのです。
目的にあっていること
なにかしらの疾患をかかえている猫の場合、またはその予防のために、目的に合ったキャットフードを選ぶことも大切です。
猫に多い腎臓系の疾患や泌尿器系の疾患、毛玉対策にデンタルケア、体重管理や室内飼い用などなど、様々なタイプの療法食もあります。それぞれの症状にあったフードを選ぶようにしましょう。
好みの味であること
愛猫の好みの味で選ぶことも大切です。味の好き嫌いがある場合は原材料から選んでみことがおすすめです。
チキン・ビーフ・まぐろ・かつお・白身魚などなど、最近は様々な味のキャットフードがあります。愛猫の喜ぶものを探してあげるのもいいですし、飽きっぽく食べムラのある猫には、色々な味を交互に試してあげることで食欲が増す効果も期待できます。
猫の健康維持のために注意してほしいキャットフードの選び方
様々な種類のキャットフードがありますが、愛猫の健康維持のためにも注意して選んでほしいポイントがいくつかあるので紹介します。キャットフードを選ぶ際に参考にしてください。
総合栄養食であること
全てのキャットフードが栄養面で完璧という訳ではないのをご存知ですか?キャットフードは、総合栄養食、一般栄養食、副食、間食(おやつ)というように、分類されています。
愛猫に必要な栄養がバランスよく配合されていて、フードと水だけで健康を維持できるように作られているものだけが「総合栄養食」と表示されています。
普段の主食として与えるのならば、総合栄養食と表示されたペットフードを選ぶことが大切です。
無添加であること
市販のキャットフードには、保存料や酸化防止剤、着色料・香料などの添加物が入っているものがあります。なかでも酸化防止剤に使用されている一部の成分(BHA、BHT)には発がん性があると言われています。
メーカー側は、大量に摂取しなければ大丈夫といっているようですが、がんになる危険性がある成分を大切なペットに与えるのは避けたいものです。
着色料や香料なども見た目や香りをよくするためだけに使用されているので、できるだけ添加されていないフードを選びましょう。
主原料がチキンや魚などのタンパク質になっていること
肉食動物の猫にとって、肉や魚などのタンパク質はとても必要な栄養素です。タンパク質量の多いキャットフードを選ぶことが基本になります。キャットフードの中には、肉や魚よりも穀物を多く含むものも数多く存在します。
猫にとってトウモロコシや小麦などの穀物の採り過ぎは消化がしにくいだけでなく、消化器官や皮膚のトラブルなど、アレルギー症状を引き起こす恐れもあるので注意が必要です。
動肉食動物の猫には、高タンパク質、高脂肪(理想としてはタンパク質30%耐:脂質20%のバランス)低炭水化物のフードが最適です。
タウリンを含んでいること
タウリンは猫にとって必須栄養素です。しかし猫は体内でタウリンを作ることが出来ないため、タウリンを含むフードを選ぶことが大切になります。
ビタミンを多く含んでいること
猫の体内で作ることが出来ないビタミンAやビタミンB1、ビタミンEなどを含んでいる物を選びましょう。
猫のアレルギー対策を考えたフード選び
キャットフードに含まれる原材料や成分によっては、猫がアレルギーを起こしやすくなる成分もあります。注意してほしいポイントを紹介しましょう。
原材料に「副産物」「ミール」と書かれている場合
ミールとは、内臓や骨、血、羽や足などを集めて脂肪を除いたもののことを言います。一応タンパク質ですが、純粋なチキンや魚に比べ消化や吸収が悪く、アレルギーを起こしやすくなります。
猫のアレルギー予防のためにも「○○副産物」や「○○ミール」という表示のあるペットフードはなるべく与えず、素材そのものを使用しているペットフードを選ぶように心がけてください。
化学合成物質には注意が必要
化学合成物質は科学的に大量生産出来る為、安価で市場に出回ります。
しかし、猫の身体に害を与えかねない物質が存在する事も事実です。
プロピレングリコール
保湿のための添加物です。半生タイプのペットフードに含まれていることがあります。猫が食べると貧血になる場合があるので、キャットフードには禁止されている成分です。
硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム
おやつなどに含まれることの多い肉の発色剤です。発がん性物質を作る可能性があります。
着色料
美味しそうな色に見せるために使われています。発がん性やアレルギー物質を作る可能性があります。
原材料にアレルギーを持っている猫もいる
猫も人間と同様にアレルギーを持っている子もいます。特定のフードを食べさせるとお腹の調子が悪くなったりなど、気になる症状がある場合、もしかしたら何らかの原材料にアレルギーを持っている可能性があります。
動物病院でアレルギーの検査もできるようなので、心配な飼い主さんは検査をしてみてはいかがでしょうか?
愛猫の健康維持のためにも安全なキャットフードを選びましょう
いかがでしたか?安全なキャットフードの選び方を紹介しました。
今までなんとなくキャットフードを選んでいた方も、そうでない方も、これからは原材料表示をしっかりとみてキャットフードを選ばなくてはいけないということに気が付いていただけたと思います。
元気で長生きしてほしい、大切な愛猫が毎日食べるものだからこそ、原材料や成分にこだわった安心できるフードを選びましょう。



