40代ともなれば給料も上がり、若い頃よりも楽できると思っていたのに。そう嘆く声は多い。昨今、低所得にあえぐ40代が急増中だ。その理由は出世できない、転職回数が多いなどさまざま。中年でも稼げない時代が来ている――
大学時代の就活失敗がきっかけで、以来20年間一度も正社員になれず
…伊藤隆行さん(42歳・独身)/食品工場/年収234万円

「同じ低所得でも正社員の人は、私より恵まれているのに不平不満を口にする方が多いと思います」
そう憤るのは、食品工場でアルバイトとして働く伊藤隆行さん(仮名・42歳・独身)。実は、大卒ながら20年間、正社員として働いた経験がまったくないという。
「大学時代の就活は、’90年代末の就職氷河期と被ったことで失敗。仕方なく派遣社員として働き始めましたが、20代後半のとき、このままではマズいと思い正社員で働ける仕事を探したんです。それである飲食チェーンに採用されたのですが、配属先の店舗ではミスを連発してしまい、試用期間の3か月でまさかの採用見送り。その後もリフォーム会社に採用されたこともあったのですが、ここでは高ノルマに連日の深夜残業、上司のパワハラに耐えかねて試用期間2か月目で自分から退社。以降は仮採用すらされることもなかったので転職活動を諦め、再び派遣社員として働いていました」
ところが、40歳になると、「紹介できる仕事がない」と派遣社員としての仕事も失ってしまう。ここでも正社員目指して転職活動を行うが年齢と正社員経験のなさがネックとなり、書類選考すら突破できなかったという。
「結局、今も同じ非正規雇用ですが、身分はアルバイトとさらに落ちてしまいました。年収は残業や休日出勤を積極的にこなしていますが派遣社員時代以下の240万円稼ぐのがやっと。けど、会社の経営状態が悪いらしく、今の食品工場の仕事すら失う可能性もあります。老後のことを考えると不安しかなく、それ以前に老後まで生活を維持できるかどうか……」
※写真はイメージです
― 低所得時代の実態 ―