アリババの会長兼創業者であるジャック・マー(馬雲)氏
REUTERS/Stephane Mahe
中国の電子商取引大手アリババの会長兼創業者であるジャック・マー(馬雲)氏は、テクノロジーが脅かすのは雇用だけではないと考えている。
同氏は6月21日(現地時間)、CNBCのジャーナリスト、デイビット・ファバー(David Faber)氏とのインタビューで、機械学習やAI(人工知能)のような新技術が第三次世界大戦を引き起こす可能性があると指摘した。
「最初の技術革新は第一次世界大戦を招いた。次の技術革新は第二次世界大戦を。そして今、第三の技術革新が起きている」
ビジネスの世界は機械学習やAIの話題で持ちきりだ。これらの新技術を導入する企業数はかつてないほど多い。
同時に、AIなどのテクノロジーが、一般労働者の仕事を自動化し、雇用を奪い去るとの不安が高まっている。それだけでなく、自動化の進行によって地政学的な影響に対する懸念も浮上してきた。
「第三の技術革新は第三次世界大戦を引き起こす可能性がある」
マー氏は、今年2月のアリババオーストラリア本部設立時には「貿易が止まれば、戦争が始まる」と述べ、国際貿易の減速が引き起こす危険について警鐘を鳴らしていた。
マー氏は、機械学習などの新技術による雇用喪失や、政治体制にのしかかる経済的負荷が、変化を味方につけ大きな成功を収める勝者と取り残される敗者の衝突を生み出すと考えている。
同氏は、第一次世界大戦は各国の富と階級がひっくり返った産業革命という大変動によって引き起こされ、第二次世界大戦も似たような経過をたどったと捉えている。そのような事態を阻止するため、政府は労働者に新しい仕事に挑戦するよう促し、教育もより強化して、雇用喪失に正面から取り組む必要がある、とマー氏は述べた。
「今後30年間でテクノロジーは多くの雇用機会を脅かす。ローカルビジネスのグローバル化を進めなければ、多くの問題が起きるだろう」
一方でマー氏は、技術が進歩しても人類が陳腐化することはないと信じている。
「機械やAIが(人間の)知恵に置き換わるとは思わない」
マー氏のインタビュー全文はCNBC(英語)でチェックできる。
[原文:ALIBABA'S JACK MA: New technology 'may cause the Third World War']
(翻訳:Keitaro Imoto)