おっと…新緑の中、線路歩きも楽しく
石川県・能登半島の突端近く。日本海に面した「奥のとトロッコ鉄道」は線路上を歩くこともでき、今の季節はまばゆいほどの新緑が迎えてくれる。
珠洲市と能登町にまたがる。のと鉄道能登線が2005年に廃線となった後、土地の一部を地元の宗玄酒造(徳力暁(さとる)社長)が買い取り、線路を敷き直した。270メートルにわたり足こぎ式トロッコで走れ、混雑時でなければ下車して歩くのも自由だ。途中、恋路海岸の景色が広がる。
線路は冷暗貯蔵の酒蔵を兼ねたトンネルへと続く。同酒造の川崎秀次常務(62)は「線路を歩きたい方は、ぜひお越しください。おいしいお酒もあります」。2本のレールは、廃線を乗り越え、地域再生を目指す夢をつないでいる。【大西岳彦】