震度7を2回観測し、熊本、大分両県で関連死を含め225人の犠牲を出した熊本地震は、14日で発生から1年を迎えた。現地にある自動車関連の生産拠点は、一時操業停止に追い込まれ、生産出荷に甚大な影響が生じた。その後の増産でいずれも減産分を取り戻し、影響をほぼ帳消ししたが、東日本大震災に続き、熊本地震も事業継続計画の在り方という課題を再び企業に突き付けた。
ホンダは、国内唯一の二輪車生産工場である熊本製作所(熊本県大津町)が熊本地震で被災。建物の一部の天井が落下したり、設備が破損したりするなど大きな被害を受けた。その後の懸命な復旧作業で段階的に生産を再開したが、震災の影響により、二輪車の生産は一時、昨年の当初計画から約6万台の下振れが確実な情勢となった。
しかし、昨年9月中旬の完全復旧後、ホンダは生産を猛挽回。「納品や納車の遅れを挽回すべく、全社を挙げて取り組んだ」(八郷隆弘社長)結果、昨年12月末までに約6万台の影響分の大部分を取り戻した。
トヨタ自動車グループ、アイシンの子会社「アイシン九州」(熊本市)も、熊本地震で工場の天井付近にあった大型クレーンがプレス機に落下。96本ある柱の9割が損傷し、一時操業停止となった。この影響でドアの開閉を制御する部品が製造できなくなり、アイシンから部品供給を受けるトヨタは国内に16ある車両組立工場のうち15工場の大部分のラインを一時停止。8万台の生産に影響が生じた。
ただ、トヨタはドア部品の代替調達で5月6日に生産を完全復旧。その後の挽回で12月末までには全量を取り戻した。アイシンも機械を愛知県や福岡県にある関連工場に運び出し、社員を出向させて部品の製造を再開。熊本の工場も10月までに大部分を回復させた。
いずれも震災被害を懸命な努力で早期に挽回したが、建物・設備の耐震化や拠点の分散化など事業継続の面では課題を残した。トヨタの幹部も「事業継続計画の在り方はまだ道半ばだ」と話している。
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