先日、生後6か月の赤ちゃんがはちみつを食べたことで中毒を起こし亡くなるという事故がありました。
赤ちゃんにはちみつにあげてはいけないことに関してあまり広報されていません。
そのため今回のニュースを受けて、はじめて赤ちゃんにはちみつがタブーだということを知ったという人もいるのではないでしょうか。
今回の事故以外にも育児中によく生じるものの、あまり知られていない事故というのが多数存在しています。
そこで今回は、育児中に多いとされている事故に関して
・転落
・誤飲
・窒息
・火傷
・中毒・アレルギー
・溺死
・その他
のカテゴリーごとに、具体的なリスクについて解説します。
そしてこれらの事故を防ぐための対策についても説明します。
事故は危険性を知っているだけで、未然に防げるものが沢山あります。
そのため本文はかなりの長文になっておりますが、赤ちゃんや小さなお子さんが家庭におられる方には一通り目を通して頂けたらと思います。
赤ちゃんの事故で一番多い転落による事故
赤ちゃんの不慮の事故の原因で一番多いものが「転落」です。
この転落事故はどのような場面で起こりやすいのか説明します。
高低差のあるものの柵がないところ
ソファや外出先のおむつ交換台など、柵がない場所に赤ちゃんを寝かせる場合は注意が必要です。
まだ寝返りのできない赤ちゃんの場合、大人も「まさか落ちないだろう」と思い目を離してしまうことが多いのですが、実はそのような寝返りのできない赤ちゃんによる転落事故が多いのです
その理由は
・大人が油断したそのタイミングでたまたま寝返りができるようになり転落する。
・寝返りはできなくてもモゾモゾ動いているうちに移動して転落する。
というものが挙げられます。
赤ちゃんは寝がえりをしなくても足をバタつかせたり、体をモゾモゾ動かしたりすることで大人が思っている以上に移動することができます。
そのためどんなに小さな赤ちゃんでも、ソファなど高低差のあるところに寝かせてその場を離れてはいけません。
ベビーベッド
ベビーベッドで柵をしていても転落する場合があります。
その原因は柵の高さにあります。
赤ちゃんは体に対して頭が重いです。
そのため赤ちゃんが柵につかまり立ちをした状態で下をのぞき込んだ場合、そのまま柵の反対側に転げ落ちてしまうのです。
赤ちゃんが両腕を柵から出せた時点で、反対側に転がり落ちる危険性があります。
そのためベッド柵が赤ちゃんの両肩より低い場合は、反対側に落ちる可能性があるということを認識して頂きたいと思います。
赤ちゃんをベビーベッドに寝かせる場合は、必ず一番上まで柵を上げておきましょう。
窓
小さな子どもが窓から転落する事故が後を絶ちません。
ハイハイができる赤ちゃんは窓からの転落も注意が必要です。
窓の付近にキャビネットなど足場となるものがある場合、それらをはい上がりながら窓まで行く場合があります。
以前、我が家でもヒヤっとすることがありました。
娘がキャスター付きの椅子を窓際まで押していき、椅子の上に登って窓の外を見ていたのです。
窓は鍵がかかっており開けることはできませんでしたが、ほんの5分目を離した間にそこまでの動作をしていること、そして窓の鍵が開いていたら大事故につながっていたかもしれないと考えると非常に怖く感じました。
子どもを一人で家に残して外出するのは危険だということは、ニュースなどでも多く報道されています。
しかし子どもが昼寝をしている間などに、子どもを家に残して買い物に出掛けてしまうママが後を絶ちません。
小さな子どもを連れて出掛けるのは時間も体力も消耗するので、ちょっと10分だけなどと考えたくなる気持ちも分かります。
しかし子どもはいつ起きるかわかりませんし、もし起きた場合に1人でどのような動きをするか分かりません。
子どもの窓からの転落事故の多くが、ママが家に子どもを1人残して出掛けている時に起きています。
なので例え子どもが寝ていたとしても、絶対に子ども1人を家に残して外出することは辞めましょう。
階段
ハイハイができるようになると階段も一人ではいながら上がっていきます。
「まだ階段なんて登れないだろう」と思っていた矢先、気付いたら一人で2階まで上がっていたという話も聞きます。
上手く上がれたら問題ありませんが、そのような時に階段から転がり落ちたら大事故につながります。
また上の階で子どもが歩行器や押し車で遊びながら、そのまま階段に突っ込みおもちゃごと転落するという事故も起きています。
必ず階段をはじめ高低差のある場所には、安全柵を設置するようにしましょう。
抱っこ紐
抱っこ紐からの転落も多く報告されています。
事故内容としては、抱っこ紐で赤ちゃんを抱っこしたままママが前かがみになった際に、赤ちゃんが抱っこ紐からすり抜けて頭から転落するというものです。
抱っこ紐を使用している時に床に落ちているものを拾う際は、前かがみになるのではなく、腰を落としてしゃがむようにしましょう。
また抱っこ紐使用中も片手で赤ちゃんを支えるようにしましょう。
タバコ、洗剤、ボタン電池等の誤飲
子どもの事故で2番目に多いのが、飲み込んではいけないものを飲み込んでしまう「誤飲」です。
どのようなものを誤飲しやすいのか、また誤飲した場合はどう対応したら良いのか説明します。
飲み込んだものによって、対応が異なるので注意してください。
タバコ
子どもの誤飲で一番多いのがタバコです。
これには
・大人が無意識に、色んなところに置きやすいこと
・大人が口にくわえている姿を見て、子どもが食べ物だと勘違いしてしまう場合があること
が影響していると考えられます。
子どもの目の前でタバコを吸うことは誤飲の原因になるだけでなく、乳児突然死症候群の原因にもなるので絶対に子どものいる空間でタバコを吸ってはいけません。
タバコが赤ちゃんに与える影響についてはこちらの記事をご覧ください。
タバコ1本分に含まれるニコチン量は赤ちゃんにとっては致死量となります。
特にタバコは水と混ざることで毒性が強くなります。
そのため吸い殻を処分する際も子どもの手が届かないように十分注意して下さい。
特に灰皿代わりに使用したジュースの空き缶は、子どもがジュースと勘違いして飲んでしまう危険性もあるため要注意です。
タバコを食べてしまった場合の対応について説明します。
水に浸かっているタバコを食べた場合はすぐに受診しましょう。
また顔色が悪い、嘔吐する、ぐったりしている場合も中毒を起こしている可能性があるのですぐに受診しましょう。
タバコを2㎝以上食べた場合は可能な限り吐かせてから受診しましょう。
食べたタバコの量が2㎝以下の場合は様子を見て大丈夫ですが、4~5時間は赤ちゃんの様子に十分注意し嘔吐したり、顔色が悪くなる、ぐったりするといった症状が見られた場合は即座に受診しましょう。
*タバコを誤飲した場合、水や牛乳などの水分は絶対に飲ませてはいけません。
漂白剤・洗剤
漂白剤や洗剤も赤ちゃんの誤飲事故が多く報告されています。
これらは酸性の洗剤なのかアルカリ性の洗剤なのか、また漂白剤も塩素系漂白剤なのか、酸素系漂白剤なのかによっても毒性は全く異なります。
しかしこれら洗剤、漂白剤を飲み込んでしまった場合の大原則は
・吐かせない
洗剤等は吐かせることで、更に食道や口腔内に刺激を与えます。
そのため吐かせてはいけません。
・口をゆすぐ
・牛乳を飲む(牛乳を飲むことで胃粘膜を保護します。)
となっています。
これらの応急処置をしてから病院を受診しましょう。
マニュキア・除光液
強い毒性があります。
1mlでも飲んだ場合は即座に受診しましょう。
これらは吐かせず、何も飲ませず即病院に行きましょう。
食品用の乾燥剤
クッキー等の詰め合わせなどに乾燥剤が入っていますね。
その乾燥剤は子どもがお菓子と勘違いして食べてしまう場合があるので、注意が必要です。
乾燥剤には複数の種類があり、種類によって水を飲ませた後は様子観察で良いもの、早急に受診が必要なものに分かれています。
ただ多くの人が乾燥剤の種類を意識していないと思うので、ここでは早急な対応が必要である「生石灰」について説明します。
生石灰は毒性が強く、飲み込むことで食道を火傷したり胃から出血したりする場合があります。
そのため食べた量が少量でもすぐに受診しましょう。
その際、応急処置として口をよくゆすぎ、牛乳を飲ませます。
絶対に吐かせてはいけません。
子どもが乾燥剤を飲んだ後に「乾燥剤の種類は何だっけ?」と調べる時間が、タイムロスになるため乾燥剤を飲んだ⇒口をゆすいで牛乳飲んで病院へ。というふうに覚えておきましょう。
ボタン電池
電池の中でも特にボタン電池は要注意です。
気管に詰まり窒息するリスクがあるだけでなく、体内に入るだけで胃に穴を空けるほど恐ろしい影響力があります。
使用済みのボタン電池も同じ危険性を持っています。
そのためボタン電池を飲み込んだ場合は即座に受診しましょう。
ボタン電池の取り扱いには十分に注意すること、また子どもが自分で電池を取り出す可能性があるのでボタン電池を使用している道具そのものを子どもの手の届かないところに片付けましょう。
ここでは誤飲の報告が多いものについてあげました。
こちらの日本中毒情報センターのページに、誤飲の可能性があるものについてさらに細かく書かれています。
日常の中で起こりやすい窒息事故
子どもの事故で多いものに窒息もあります。
窒息の事故を防ぐための大原則として、直径が4㎝以下のものは窒息の危険性があるということ、歩きながら食べるのは危険ということがあげられます。
直径4㎝というと、一見口に入れそうには見えない大きさです。
しかし直径4㎝以下のものは赤ちゃんの口に入ること、そして口に入った時点でそれが窒息の原因になりうるということを認識しておく必要があります。
また歩きながら食べることで、座って食べる時以上に気道が広がりやすくなります。
そのため食べ物が気管に入り込みやすく窒息の危険性が高まります。
なので食事の際はマナーという視点だけでなく、安全面という視点からも座って食べるようにしましょう。
窒息を起こしやすい食べ物
食べ物の中でもより窒息の危険性が高いものを紹介します。
・プチトマト
・アメ
・ピーナッツ
・うずらの卵
これらは幼稚園年長さんや小学生でも、窒息による死亡事故が起きています。
小さな子どもは奥歯が完全にはえそろっておらず、しっかり噛み切れないこともあるのでより細心の注意が必要です。
そのためアメ、ピーナッツ、こんにゃくゼリーは食べること自体を避け、プチトマトやうずらの卵は1/2、1/4など小さく切るようにしましょう。
フカフカの布団やクッション
フカフカの布団や枕などは赤ちゃんが顔をうずめた際に窒息する危険性があります。
そのため敷布団は硬めのものを選び、赤ちゃんの顔周辺には枕や掛け布団がこないように注意しましょう。
ビニール袋
赤ちゃんはクシャクシャとビニールを丸めた時の音が大好きです。
なので興味津々でビニール袋を触ります。
そして少し大きくなると、袋に自分の顔を入れて遊んでみたりします。
ただこのようにビニール袋で遊んでいる際に、自分の顔をビニールで覆ってしまい、そのまま窒息する危険性があります。
そのためビニール袋を使って遊ぶ時は親の目が届く場所で行うこと、そして普段は子どもが触れない場所に保管するよう注意しましょう。
冷えピタ
熱が出た時に冷えピタを使用することがあると思います。
ただこの冷えピタも注意が必要です。
おでこに貼ったはずの冷えピタが、寝相等によって移動し赤ちゃんの鼻や口を塞ぐ危険性があります。
また冷えピタがクシャクシャに丸まった場合、赤ちゃんの口に入る大きさにまで小さくなります。
そのため赤ちゃんのおでこに冷えピタを貼ったまま、目を離すというのは避けましょう。
ドーナツ枕
生後間もない赤ちゃんの頭の形を綺麗に保つために売られているドーナツ枕ですが、こちらも使用には注意が必要です。
赤ちゃんはミルクをよく吐くのですがドーナツ枕を使用している場合、頭の向きが固定されてしまうのでミルクを吐いた時に横を向くことができません。
そのため赤ちゃんが自分の吐いたミルクを吐き出すことができず、そのミルクに溺れて窒息してしまうという危険性があるのです。
なのでドーナツ枕を使用する際は、ママの目の届く範囲で使用するようにしましょう。
大惨事にもつながりかねない火傷の事故
家の中には赤ちゃんが火傷する危険性のあるものが沢山あります。
一つずつ危険性を知り、事故の予防に努めましょう。
電気ケトル
以前、外国で子どもが電気ケトルのコードを引っ張った際にケトルが倒れ、中に入っていた熱湯がその子どもにかかったという重大な事故が起きています。
電気ケトルはケトル本体の置き場所だけでなく、コードの配線も子どもの手が届かないように注意しましょう。
他にもトースターや、コーヒーメーカー、ドライヤーなどコードを引っ張るだけで本体が動くものは、火傷だけでなく本体が赤ちゃんの上に落ちてくる危険性があるので十分に注意しましょう。
コンロ
調理用コンロは子どもが好奇心でカチャカチャと触り、いつの間にか火が付いてそれが火傷の原因になる可能性があります。
そのためコンロを使用しない時はチャイルドロックをしておくようにしましょう。
フライパン
コンロの上にフライパンを置いている場合、フライパンの取手を子どもが触り、プライパンごと落下する危険性があります。
フライパンそのものも重いので、それが落ちてくること自体が危険ですが、中に熱い料理が入っている場合は更に危険です。
以前、我が家で子どもがクイックルワイパーで床掃除のマネをして遊んでいた際に、クイックルワイパーの持ち手の部分がフライパンの取手に引っかかり、フライパンが落下しそうになったことがあります。
フライパンの取手は横に向けて置くなど、コンロからはみ出ないようにして置きましょう。
スープやラーメン等の汁もの
子どもは目の前にあるものに興味津々で、何でも手を伸ばします。
まだうちの子は大丈夫と思っていても、赤ちゃんというのはある日突然動作が増えるものです。
そのため子どもを抱っこしながら、食事をする時は注意が必要です。
特にスープ、ラーメン、カレーなど赤ちゃんにかかると火傷の危険性があるものは十分に注意しましょう。
テーブルクロス
テーブルクロスを使用している場合、子どもがそのクロスを引っ張ることでテーブルの上の物が全て倒れます。
その際に熱いものが置いてあるととても危険です。
子どもは高い確率でテーブルクロスを引っ張るので、子どもが小さい間は使用しない方が無難といえるでしょう。
ファンヒーター
ファンヒーター、ガスヒーター等はハイハイ時期以降の赤ちゃんにとっては、好奇心で触ってしまうことから火傷の危険性が高くなります。
かならずゲートを使用して赤ちゃんがヒーターに触れないようにする、スイッチはチャイルドロックをしておくなどの対策をとりましょう。
今回の事故でもあった中毒・アレルギー
子どもが摂取する際に注意が必要なもの、禁止なものをあげます。
はちみつ
はちみつの中にはボツリヌス菌という菌が含まれています。
大人の場合はその菌の繁殖を抑えるだけの抵抗力がありますが、1歳以下の赤ちゃんにはその抵抗力がまだ備わっていません。
そのため体内でボツリヌス菌が繁殖し、中毒を起こしてしまうのです。
そして最悪の場合は死亡する程のこわい毒性を持っています。
このボツリヌス菌は沸騰させる等の対応をしても除去できません。
なのでいかなる状況でも1歳以下の赤ちゃんにはちみつを与えてはいけません。
市販の薬
市販されている薬の中には子どもに飲ませてはいけないものがあります。
その代表とされているのがバファリンです。
薬局には子ども用のバファリンと、成人用のバファリンが売っています。
これらの違いを御存知でしょうか?
この子ども用のバファリンと成人用のバファリンの大きな違いは「アスピリン」という成分が入っているかどうかです。
*成人用のバファリンでも種類によってアスピリンが含まれていないものがあります。
このアスピリンという成分は15歳以下の子どもが摂取することで中毒を起こす危険性があります。
そのため子ども用のバファリンには、アスピリンではなくアセトアミノフェンという成分が入っています。
過去に子ども用のバファリンと、成人用のバファリンは量が違うだけだと思い込み、成人用のバファリンを半分割って飲ませたという事例もありますが、このようなことは非常に危険なので絶対にしてはいけません。
また発熱の原因がインフルエンザだった場合、下手に市販薬を使用することで重症化する場合もあります。
そのため子どもに薬を飲ませる場合は自己判断せず
・病院を受診し薬を処方してもらう
・薬局に常駐している薬剤師に安全か確認したものを使用する
ということを徹底しましょう。
刺身などの生もの
小さな子どものお腹の中にはまだ腸内細菌がいません。
そのためちょっとした細菌でも食中毒を起こす可能性があります。
生ものは時間の経過と共に細菌が繁殖しやすいため、小さな子どもにあげるのは避けましょう。
食べ物アレルギーの原因になるもの
食物アレルギーで多いものに、卵、牛乳、小麦、そば、ピーナッツ、甲殻類、青魚などがあげられます。
離乳食が開始となった時、赤ちゃんの時期を見ながら様々な食べ物に挑戦していくと思います。
初めてのものを食べた時に体にじんましんが出たり、呼吸がしんどそうになったりすることでアレルギーがあるかどうかが分かります。
そのためアレルギーがあるかどうかは、実際に食べてみないと分かりません。
ここで重要なのが初めてのものを食べる時の時間選びです。
初めてのものを食べる時は、必ず病院が開業している時間にしましょう。
また赤ちゃんの体調が悪い日に、新しいものを食べさせるというのは避けましょう。
体調の変化が体調不良によるものなのか、アレルギーによるものなのかが判断しにくくなります。
また体調が悪いことでアレルギーの症状が出る場合もあります。
死亡事故に直結する水に関する事故
赤ちゃんの事故では水に関するものも多く報告されています。
水に関する事故の場合、死亡事故にも直結するのでより注意が必要です。
お風呂場
水の事故といえばお風呂が一番に思いつくかと思います。
小さな子どもが家にいる家庭では、お風呂に残り湯を溜めておくというのは非常に危険です。
ハイハイができる赤ちゃんの場合、一人でハイハイをして風呂場まで行ってしまう場合があります。
例えお風呂のふたをしていたとしても、ふたの上に赤ちゃんが乗ることでふたごと湯舟に落ちることがあります。
また最近は浴槽に赤ちゃんを一人で浸からせるためのバスチェアや、浮き輪が売っています。
これらは一人で赤ちゃんをお風呂に入れなければならないママにとって非常に助かるものです。
しかし使用の際は十分に注意しましょう。
赤ちゃんが動いた際にバスチェアがひっくり返る、浮き輪から顔がすり抜けるということがきっかけで赤ちゃんが溺れる危険性があります。
使用する際は絶対に目を離してはいけません。
トイレ
便器の中には水が溜まっています。
子どもは水が溜まっている所に興味深々なので、ついのぞき込んでしまう癖があります。
しかし赤ちゃんは頭が重いので、トイレに溜まっている水をのぞき込んだ際に、そのままひっくり返り頭ごと便器に突っ込みトイレの水に溺れるという危険性があります。
そのためトイレのドアは必ず閉めるようにし、赤ちゃんが一人でトイレに入らないようにしましょう。
まだまだあるその他の事故
今あげた事例以外にも子どもの事故につながる要因は沢山ありますので説明します。
上の子、ペット
上に小さな子どもがいたり、ペットを飼っている場合は注意が必要です。
NICUで働いていた時に、意識不明の赤ちゃんが救急搬送されてくることがありました。
意識不明になった経緯はママが目を離したちょっとの隙に1歳の上の子が、赤ちゃんの上に乗りかかったため、赤ちゃんは呼吸ができなくなり低酸素状態になったということでした。
その赤ちゃんは最終的に重度の脳性麻痺で寝たきりとなっています。
上の子がまだ小さい場合は力加減も分かりませんし、危ない事の判断ができません。
そのため赤ちゃんと2人っきりの状態で目を離すのは危険です。
また祖父母に赤ちゃんを預けた際に、祖父母宅の犬に赤ちゃんが噛まれて亡くなるという事故がありました。
普段どんなに大人しいペットでも相手は動物です。
動物である以上、相手には動物としての本能があり、いつ襲ってくるかは分かりません。
そのためペットに対して「この子は大丈夫だろう」と過信するのは危険です。
指を詰める事故
赤ちゃんは好奇心旺盛のため色んなものに興味を持って触ります。
そのため扇風機や扉、ミシンなどにも注意が必要です。
扇風機は羽の部分に赤ちゃんが指を入れないようにカバーしましょう。
また最近では羽のないタイプの扇風機もありますので、そちらを使用することで指を入れる事故を防ぐことができます。
扉はドアが開く側だけでなく、蝶番がついている側も指を挟むことが多いです。
扉の開け閉めをする際は、扉の反対側に赤ちゃんがいないか、また蝶番がついている側に指を入れていないか十分に注意しましょう。
足踏みミシンの場合は、小さな子どもがミシンを触った際に、自分でコントローラーを踏んでしまい自分の指を縫ってしまうという事故が過去に起きています。
ミシンの電源を入れたまま、その場を離れるという行為はとても危険なのでしてはいけません。
ベビーカーの利用について
ベビーカーを使用する際に多い事故についても説明します。
ベビーカーで線路を渡る際に、レールの隙間にベビーカーのタイヤがはまってしまい、抜くことができずに電車と接触したという事故が過去に起きています。
ベビーカーのタイヤはクルクル回転するので、線路のちょっとした段差でタイヤが回転し、溝にはまるということも考えられます。
また駅のホームも注意が必要です。
駅のホームは水はけを良くするために、緩やかな傾斜になっていることを御存知でしょうか?
線路側の方が低くなっているのです。
なのでベビーカーのロックを掛けずに手を離すと、コロコロと線路側に転がり落ちる危険性があります。
そのため駅のホームでは絶対にベビーカーから目と手を離さないようにしましょう。
やむを得ず手を離す場合は、必ずロックをしてください。
事故を未然に防ぐための対策
過去に重大な事故を起こしているものの、意外と認知度が低いものが沢山あります。
悲劇を繰り返さないためにも、各家庭で対策を打っていきましょう。
大前提!目を離さない
赤ちゃんや小さなこどもは、まだ自分で安全なことと危険なことの判断ができません。
そのため目を離さないというのが大前提となります。
整理整頓
家の中をしっかり整理整頓し、赤ちゃんが触ったら危ないものは赤ちゃんの手の届かないところに収納するようにしましょう。
また上に小さな子がいる場合、上の子が小さなおもちゃを赤ちゃんに渡す可能性もありますので十分に注意しましょう。
年齢によっては「これは赤ちゃんに渡さないでね。」と言うと、理解してくれる場合もありますが、それでも上の子を過信するのは危険です。
危険な場所には安全柵を設置する
階段や台所など危険の多いところは、安全柵を設置しましょう。
安全対策グッズの使用
引き出しの開け閉めをロックするための商品や、テーブルの角を保護する商品などが100円均一などでも売っています。
そのような安全対策グッズを使用して事故防止に努めましょう。
ベビー用品を過信しない
ベビー用品を使用する際に「大手メーカーの商品だから安全だ」「ベルトをしているから安全だ」と過信すると、目の前の危険性に気付けなくなります。
「100%安全なんてありえない」という意識を持つようにしましょう。
その意識を持つだけで、事故を未然に防ぐことができます。
家族間でしっかり伝言する
普段あまり赤ちゃんと関わらないパパや、祖父母に赤ちゃんを預ける際は注意が必要です。
普段赤ちゃんを見ていない場合、赤ちゃんの行動範囲や理解度なども把握できていないため事故の危険性が高まります。
そのため預ける際には、赤ちゃんがどの程度動くのか、何に気を付けないといけないのかなどしっかり伝言しましょう。
また大家族の場合は違った危険性が潜んでいます。
それは大人達が「誰かが子どもを見ているだろう」と思ってしまう傾向があることです。
本当は風呂場で溺れていたものの、家族みんなが誰かが見ていると思い込んでしまったことで発見が遅れるという危険性があります。
そのため同じ家に住んでいたとしても、「○○ちゃん静かだけど、誰といるの?」といった大人同士のやりとりは重要です。
万が一に備えておこう
万が一事故が起きた時に備えて、事前に夜間や休日も診察している病院を調べておきましょう。
もし事故がおきたらどうする?
もし事故が起きた際に病院を受診すべきか悩んだ時は「#8000」に電話しましょう。
#8000に電話すると小児救急電話相談につながります。
医師、看護師が電話応対し子どもの症状などからどのように対応すべきかアドバイスしてくれます。
電話対応の時間は自治体によって異なるので、こちらのページで確認しましょう。
こんな時はすぐに119番
頭を打った、溺れた、誤飲したなど、いかなる事故の場合でも以下のような症状があれば即座に救急車を呼びましょう。
・意識がない又はボーっとしている
・痙攣している
・目の焦点が合っていない
・呼吸が苦しそう
・顔色が悪い
・嘔吐を繰り返す
(頭を強く打った後に嘔吐を繰り返す場合、脳出血を起こしている可能性があります。)
このような症状があれば即座に救急車を呼びます。
今回の事故を受けて感じたこと
今回のはちみつを摂取したことにより赤ちゃんが死亡した件に関して、「赤ちゃんにはちみつを食べさせたらいけないというのは常識だ」と母親を非難する声もありました。
その件に関して看護師うさぎさんのブログにもかかれていますが、私もこの事件に関しては母親の責任ではなく社会全体の問題だと思います。
私はNICUで働いていたこともあったため、乳児にはちみつはダメだという情報を知っていました。
そして実際に自分がママになって感じたことは「離乳食にハチミツがダメだって、強調してないけど大丈夫なのか?」ということでした。
乳児健診の際にはちみつについて直接指導を受けたことはありません。
また予防接種で受診した小児科でも言われたことはありませんでした。
そして私の持っている母子手帳にはハチミツのことは書かれていません。
私が見落としている可能性もありますが、見落とされる大きさでしか書かれていないこと自体問題です。
「赤ちゃんにハチミツがダメ」知っている人にとっては当たり前かもしれませんが、知らない人にとっては常識ではありません。
今回のこの事故は、知っている人が勝手に「常識」だと思い込んだことにより、情報が閉鎖的になってしまったことも大きな要因だと考えます。
そして私自身、以前ハチミツについて広報がされていないことに対して違和感を持ったにも関わらず、行動を起こせていなかったことに強い責任を感じています。
看護師として、そしてサイトを運営している者として、もっとできることがあったんじゃないかと思うと心底悔しいです。
情報社会って何なんだ?
うさぎさんの記事にも書かれていましたが「はちみつ 離乳食」と検索すると、はちみつを使用した離乳食のレシピが出てきます。
情報が溢れかえった中で本当に大事な情報が埋もれてしまっていることに、大きな危機感を感じています。
今回のことを受けて「情報社会の在り方」についても国民全員が考えていかないといけないと感じました。
さいごに
もう悲劇を繰り返さないために。
リスクを知っているということが事故の予防に繋がります。
今回私の作成した記事内容以外にも、世の中には沢山の危険があると思います。
私自身、気付いたことに関しては今後も追記していこうと考えています。
ただそれでも全ての情報を把握するのは不可能です。
そこであなたにお願いがあります。
実際に育児をしていてヒヤっとしたことなどがあれば、以下のコメント欄に書いて頂けるとありがたいです。
長文を最後まで読んで頂きありがとうございました。
合わせてお読みください。