ニーズ調査だけじゃない!「サイト内検索」を改善に活用するための3つの方法
こんにちは、小川卓です。
1年ほど前の記事で「Googleアナリティクスでサイト内検索設定をして、ユーザーのニーズを把握しよう https://ga.ferret-plus.com/article/47」という記事がありました。この当時でもサイト内検索キーワードを取得する必要性はありましたが、2016年末にYahoo!からの検索キーワードもhttps化とリダイレクトに伴い、ほとんど計測できなくなってしまいました。
以下はあるECサイトの「キーワードが取得できている」割合を表したデータです。
(2016年夏に検索流入数が落ちているという課題はありますが)見ていただきたいのは取得率の部分になります。今まで3割程度は取得ができていたのですが、2017年1月ごろに一気に取得率が5%を切っているのがわかるかと思います。
正直、Googleアナリティクス(あるいは他のアクセス解析ツール)で「オーガニックキーワード」のレポートを見る必要性は今年に入ってなくなったと感じています。逆に数少ない、取れているキーワードを元に判断する事が誤った判断をうんでしまいます。
Google での検索キーワードに関しては、サーチコンソールとGoogle アナリティクスを連携させることで流入等に関しては確認できますが、コンバージョンとは紐付かないという課題もあります。
そこで、今まで以上に重要性が増しているのが「サイト内検索キーワード」の取得と活用です。設定方法に関しては以前の記事(https://ga.ferret-plus.com/article/47)をご確認ください。本記事ではサイト内検索キーワードをどのようにサイト改善に活用するかという事を紹介いたします。
「自然検索からの流入キーワード」と「サイト内検索で取得出来るキーワード」の違い
自然検索時のキーワードとサイト内検索でのキーワードは明確に違います。以下はある不動産サイトの例です(※物件名のみ隠しております)。
これらのキーワードで検索してもこのサイトに辿り着くことは無いでしょう。サイト内検索で取得できるキーワードには主に以下の2つの特徴があります。
1つ目は「サイト内で探したいものを探すためのキーワード」であるという当たり前のことです。検索エンジンで大きくキーワードで絞り込み、そこから更に知りたいことを絞り込むために利用しているという事を意味します。
そのため「サイト内検索」で取得できるキーワードは検索時のキーワードとは違い、よりユーザーにとってのゴール(あるいはサイトのコンバージョン)に近い内容だという風に理解をしましょう。
もう1つ「単一語での検索が多い傾向にある」ということです。サイト内に入ってきてニーズが具体化しているため、必要なキーワードだけを入れる傾向が多いです。特にスマートフォンの場合は入力の手間も考慮するとより顕著になります。
サイト内検索データを活用する3つの方法
1.適切な検索結果だったか?
まず大切なのは検索結果が利用者にとって適切であったか?ということです。適切な場合はサイト内を遷移していきますし、不適切な場合は「離脱」あるいは「再検索」をしてしまいます。先程のサイトのデータを改めてみてみましょう。
「防音」「不動産の窓口」そしてモザイク化した物件名の離脱が50%を超えています。これらのキーワードに関しては、検索をしても満足行く結果が得られなかった可能性が高いです。実際にサイトでそのキーワードを使って検索をしてみましょう。
物件名に関しては物件が存在しない場合は仕方がありません。「不動産の窓口」に関しては検索結果で物件を出してもコンバージョンしなさそうですね。検索ボックスの近くに窓口向けのページがあればそちらに誘導するのが良さそうです。
防音に関しては実際に検索をしてみたところ、検索結果件数が多すぎてそこから探すのが難しそうでした。まだ「防音」に関する特集コンテンツが無いので、コンテンツを作るのも良いかもしれません。ちなみに再検索率が「鉄筋」に関してもやはり数が多すぎて活用出来ませんでした。こちらは絞り込み条件の一つとして追加することが可能であれば、追加してあげるのが良さそうです。
まずは離脱率・再検索率をチェックする事を忘れないようにしましょう。
2.どこで検索を行っているのか?
次に把握しておきたい情報は「検索ページ」です。これは実際にユーザーがどのページで検索を行ったかを確認することができます。例えばTopページで検索を行い、検索結果ページが別のURLで表示された場合「検索ページ」はTopページになります。
それではこちらのレポートも見てみましょう。
どのページでサイト内検索が行われたかがわかります。1位はTopページですね。こちらはサイトに入ってきて、既に調べたいものが明確に決まっていて探している可能性が高そうです。
そして2位の(entrance)はわかりにくいのですが、サイト外から入って来た時のランディングページがサイト内検索結果ページだった場合を指します。つまり前のページは「サイト外」という場合に該当します。サイト内にいてもセッションが切れていれば(30分以上立つ あるいは 日をまたいでいる等)の場合は(entrance)に含まれます。
Top以外にもどういったページでサイト内検索が発生しやすいのかを確認することは大切です。そのページでは更に商品(この場合は物件)を探すというニーズが高かったページと言えるからです。例えば8位のページは「閲覧履歴」のページです。閲覧履歴を見るユーザーは物件をしっかり探している可能性が高く(通常「閲覧履歴」を見る訪問は見ない訪問よりコンバージョン率が高い傾向にあり)真剣に物件を探していることがわかります。セカンダリディメンションを活用して実際にどういったキーワードを活用しているかを確認してみましょう。
3.成果につながっているのか?
キーワードと検索ページ、両方の観点で成果に繋がっている内容を探してみましょう。それぞれのレポートで「目標セット」を選ぶことでコンバージョン率をチェックできます。
上記のページでは、8位の「閲覧履歴」と9位のページが2桁台%と他ページと比較してCV率が高いことがわかります。これらのページでは更なるサイト内検索の利用促進を実現する施策を検討しても良いかもしれません。
まとめ
ぜひ定期的にこのレポートをチェックしてみてください。キーワードはその時のニーズやトレンドによって変わるので、利用者の傾向をつかむのにも便利です。また、どういったニーズや思いをもってサイトを利用しているのか(そして何が成果に繋がるのか)を確認できる、ユーザー入力によって作られる数少ないレポートです。検索キーワードとはイコールではないものの、ユーザーのニーズを把握するためには欠かせない情報です。