16年過去最多 ストーカー被害は過去2番目
警察庁は6日、2016年に全国の警察が把握したDV(ドメスティックバイオレンス)被害は6万9908件(前年比11%増)で過去最多となり、ストーカー被害は過去2番目に多い2万2737件(同4%増)だったと発表した。DVもストーカーも摘発(逮捕・書類送検)は過去最多で、警察が積極的に事件化している実情が浮かんだ。
ストーカーの被害者は女性が2万180人(89%)で、男性2557人(11%)を大きく上回った。年齢別では20代36%▽30代26%▽40代19%--と続いた。加害者との関係は「交際相手(元を含む)」が47%と最多。「知人や友人」(13%)▽「職場の同僚など」(12%)が続き、「面識なし、関係不明」も13%あった。
摘発されたストーカー事件は2605件(前年比8%増)。罪種別でみると、最も多かったのがストーカー規制法違反の769件で、脅迫363件▽住居侵入345件▽傷害180件--の順に多かった。9月に東京都目黒区の20代女性が元交際相手に殺害された事件など殺人(未遂を含む)は12件だった。
また、リベンジポルノ=復讐(ふくしゅう)目的の画像投稿=について警察が把握した被害は1063件(前年比7%減)あり、268件を事件化した。相談内容は「画像を公表すると脅された」(38%)▽「画像を撮影された・所持されている」(25%)▽「画像を送りつけられた」(19%)--などだった。
一方、DVの摘発は8387件(同5%増)。警察が把握したうちの15%で被害者が男性だったが、14年に初めて10%を超えるなど増加傾向が続いている。警察庁の担当者は「男性も被害者になり得るという認識が広がり、潜在化していた事件が表に出てきているのでは」と分析している。【川上晃弘】
加害者に治療促す
全国の警察は昨年4月から、ストーカー規制法で禁止命令を受けたり逮捕されたりした加害者に対し、再発防止を目的に精神科医の治療を受けるよう促す取り組みを始めた。
警察庁によると、治療を勧めた事例は293件あり、108件が治療に同意、昨年12月までに73件が受診した。治療内容は、精神科医による専門的な助言を受けるカウンセリングや、同じ症状を抱える加害者を集めて、それぞれが悩みを打ち明けるグループワークなど。73件のうち被害者への執着心などがなくなり、医学的に完治したことを示す「治療完了」は14件で、「治療中」48件、「中断」11件となっている。
警察庁の担当者は「加害者の6割が受診そのものを拒否しており、その割合を減らすことが課題。治療後の状態も確認した上で、今後も精神科医と連携して対策を進めていきたい」と話している。【川上晃弘】