雪崩の発生から、3日で1週間。
献花に訪れた山岳救助隊員は、現場は雪崩が多く、隊員ですら入ったことがない危険な場所だと証言した。
栃木県那須町で、大田原高校の山岳部の高校生ら8人が犠牲となった雪崩事件から3日で1週間。
懸命の救助にあたった、那須山岳救助隊の高山昭彦さん(57)は、「2メートルくらいは、雪の下に埋まっている状況でした」、「ほとんど全員の方が、顔は真っ白、または黒くなり始めている状態で。全く呼びかけにも反応なし」などと、当時の様子を鮮明に思い出しながら証言した。
「最初に行って感じたことは、本当にこれは大変なことになっている。なぜ、ここに大事な子どもたちを連れてきたのか」と言葉を詰まらせながら話した。
雪崩の危険性がある場所での訓練をめぐり、登山講習会の現場責任者は会見で、過去の経験から、「絶対安全だと判断した」と説明している。
しかし、この地域を管轄する山岳救助隊員の間では、この場所は雪崩が起こりやすい場所として知られ、隊員らも「一度も近づいたことがない」と証言する。
高山さんは、「雪崩が起きているのは、時々自分も見えていた。救助隊の間でも、あそこは雪崩が起きやすく危険なのは、ある意味、常識でした。あそこは、ゲレンデではなくて完全に山です。自分はここの救助隊なので、ここが危険だとよく知っていて一度も行ったことがない。まさか、そこで訓練をするとは想像もつかなかった」と話した。
一方、教師で唯一の犠牲となった毛塚優甫さん(29)の通夜が営まれ、父親が経験の浅い息子に引率役をさせたことへの不満を述べた。
ラッセル訓練の先頭班にいて亡くなった、大田原高校の教師の毛塚優甫さんの通夜では、父親が、登山経験の浅い息子が、ラッセル訓練の引率者として配置されたことに対し、怒りをあらわにした。
毛塚さんの父親は、「正しい判断のできる人はいたのか。責任者は、なぜ旅館にいたのか。吹雪いている危険の予想されるところに1年目の新米教師、それも雪山経験ゼロの息子を引率者にしたのは、なぜか。息子がどうして命を奪われなければならないのか、わたしには、いくら考えても納得がいきません」と話した。
また、医師になるのが夢だったという萩原秀知さん(16)の通夜も営まれ、友人たちが次々に訪れ、早すぎる死を悼んだ。
萩原さんの小学校の同級生は「誰にでも優しくて、分け隔てなく、みんなに平等に接してくれた」と話した。
萩原さんの中学校の同級生は「明るくて、優しい人でした。高校生までの思い出のビデオが流されて、泣いている人が多かった」と話した。
この登山講習をめぐっては、主催者が予定していた登山が悪天候でできなくなった場合の代わりになる訓練計画を決めていなかった。また、国有林に入る際に必要な入林届を提出していなかったこともわかっていて、警察は、訓練を行った判断が適切だったか捜査している。
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