改正法成立…育休延長「女性活躍に逆行」の声も
育児休業の最長2年までの延長や雇用保険料率の引き下げを柱とする育児介護休業法や雇用保険法などの改正法が31日、参院本会議で自民、公明、民進党などの賛成多数で成立した。これまで最長1年半だった育休期間の延長は、保育園に入れない待機児童問題の深刻化を受けた対策だが、母親たちからは「女性活躍促進に逆行する」「まずは保育園に入れる環境整備を」といった声も出ている。
育休は原則として子どもが1歳になるまで取得できる。子どもが保育園に入所できない場合は半年間延長できたが、今年10月からは1年間の延長が可能になる。延長期間中も育児休業給付金(休業前賃金の50~67%)は支給される。
法改正は「保育園落ちた日本死ね」との匿名ブログで注目された待機児童問題に頭を悩ませる首相官邸が主導した。しかし、厚生労働省の審議会では、委員から「職場や家庭内での性別役割分担の意識を助長し、復帰したい女性を職場から遠ざける」といった批判や「育休取得者のみに育児を負担させる期間の長期化につながる」といった慎重論が続出した。
こうした中、厚労省は期間の一部を父親に割り当てる「パパ・クオータ制」の導入を検討したが、経済界の反対で断念。2年後には検証して必要なら見直すことで落ち着いた。
育休延長は「仕事と子育ての選択肢が増える」と歓迎する声もあるが、2人の男児を育てながら会社員として働く千葉県内の女性(33)は「2年も休むと女性のキャリア形成が難しくなりそう。それよりも保育園を増やして待機児童を減らし、1年ぐらいで復職できるようにしてほしい」と注文する。
改正法では、労使折半の雇用保険料を賃金の0.8%から0.6%に引き下げるなどの内容も盛り込まれている。【阿部亮介】