夫婦関係がうまくはいっていないけど、離婚せずにいられるときによく使うこの言葉。
「子はかすがい」
子供が両親の間を取り持ってくれるから、離婚せずにいられるってことなんでしょうけど。
でも、これって本当なの?
今回は「子はかすがい」という言葉から夫婦のあり方についてお話していきます。
子はかすがいの意味
さて、具体的なお話の前に、まずは「子はかすがい」の言葉の意味をご紹介しておきます。
子はかすがいとは、子供は夫婦の中を繋ぎとめてくれるものだというたとえのことです。
夫婦仲が悪くても、子供への愛情のおかげで夫婦の縁を切らずにいれること。
子は夫婦の縁を保ってくれるというのです。
ちなみに「かすがい」とは漢字では「鎹」と書き、材木と材木とをつなぎとめるために打ち込む、両端の曲がった大きな釘のことをいいます。
こんなやつですね!
夫婦関係の充実度は見る見る低下
心理学の研究では、結婚して子供ができると、夫婦間の「幸福得点」がどんどん下がると言われています。
「子はかすがい」どころの話ではなく、逆に子供が足かせになって、夫婦の充実度がどんどん低下していくのです。
限りある愛情が分散し、その多くが子供に注がれることになるので、物理的に考えれば夫婦間の充実度が低下するのは当たり前です。
産後に妻が、旦那への愛情が少なくなるということは有名な話ですが、これってただたんにホルモンバランスだけの問題なんでしょうか。
僕はそうは思いません。
これは限れた愛情が子供の方に向いただけの話。
子供が幼少期のころは「子はかすがい」という効果はあるかもしれません。しかし子供も大きくなれば、子供は子供自身の人生を歩みだします。
確かに「子はかすがい」の効果で、子供がいることによって離婚する確率は下がるのかもしれません。
でも、そのことが夫婦の関係を幸せなものにしているということではないですよね。
ただの問題先送りです。
上手くいかない夫婦の問題は、可愛い子供を使って蓋をしちゃえ~ってところでしょうか。
子はかすがいの弊害
夫婦間の幸福得点がもっとも低下するのは、子供が思春期を迎えて自立する直前だと言われています。
そのようなときに、妻が旦那にではなく子供により大きな期待をかけたりすると、夫婦の関係は一気に悪くなります。
「子はかすがい」ということで、夫婦問題を先送りにし続けてきたツケがここで一気に現れるのです。
つまり、子供の自立の時期は、夫婦が最も危機に陥りやすい時期だといえるのです。
子供が完全に自立して家を出ていくと、それ以降は、新婚時代と同じように、再び夫婦二人で向き合うことになります。
空の巣症候群を発症
このとき、妻側は「空(からっぽ)の巣症候群」になるケースが非常に多いのです。
空の巣症候群とは、子供たちが家から出て行ったために、心にぽっかり穴があいて、うつ症状にも似た虚無感に襲われてしまうことを言います。
老後の二人の生活を始める夫婦の間に、一緒に生活を続けるための活力源が何かあるなら、このような症状からの脱出もそれほど困難ではないのかもしれません。
しかし「子はかすがい」という言葉に甘え、長い間、子供を通じてしか夫婦の会話をしてこなかった二人。
想像するだけで分かると思います。20~30年ないがしろにしてきた夫婦関係が2~3年で良くなる訳がありません。
子はかすがいという言葉に甘んじてはいけない
「子はかすがい」という言葉は、何やら良いイメージを持たれてる方が多いと思います。
でも夫婦の間で見ると、それは決して良いものではありません。子はかすがいという言葉に甘んじて、夫婦の関係をないがしろにしてしまう可能性があるからです。
確かに子供は可愛くて仕方がないという気持ちはよく分かります。
僕もそうですから。
でも、それはそれで横において、夫婦の関係というものは子供抜きで考えることがとても大切なことです。
子供中心の生活を送りすぎると、老後の夫婦関係がとてもしんどいものになってしまいます。
そうなりたくなければ、今のうちから子供を抜きにした「夫婦のあり方」を意識しながら生活を送るようにしていきましょうね!