米外交官、金品見返りに中国へ機密提供 司法省が訴追
2017年03月30日 10:05 発信地:ワシントンD.C./米国
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【3月30日 AFP】米司法省は29日、中国の情報機関員らに米国の機密情報を渡す見返りに多額の金銭などを受け取っていたとして、米女性外交官(60)を訴追した。1999年から国務省に勤務していたが、深刻な金銭問題を抱えていたという。
訴追されたのはキャンディス・マリー・クレイボーン(Candace Marie Claiborne)容疑者。国務省の職員として中国などで働いていた際、中国の情報機関員と知りながら中国人の男2人とたびたび接触。米国の機密情報と引き換えに金品を受け取っていたという。
クレイボーン容疑者は受け取った金品のうち、一部の現金と米アップル(Apple)の「iPhone(アイフォーン)」は自分のものとしたが、金銭の大半は北京(Beijing)や上海(Shanghai)滞在時に同居していた30歳前後の男性の手に渡っていた。男性の身元は明らかにされていない。
首都ワシントン(Washington D.C.)の連邦地方裁判所に提出された訴状によると、中国の情報機関員らはクレイボーン容疑者の要求に応じて、男性が通っていた服飾学校の授業料、アパートの賃料、ミシン、休暇費用などを負担していた。
クレイボーン容疑者は取り調べの際に、中国側との接触をめぐってうその供述をしていたともいう。
司法省のメアリー・マッコード(Mary McCord)次官補代理は「クレイボーンは自らの地位と外交上の機密情報にアクセスできる立場を利用して私服を肥やした」と批判している。
司法省によると、クレイボーン容疑者は28日に逮捕された。翌29日に裁判所に初めて出廷し、無罪を主張した。(c)AFP
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