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文書存在なし166件 15年、政府36件改善

 政府の特定秘密の指定状況を点検する衆院の情報監視審査会(会長・額賀福志郎元財務相)は29日、今年1月までの調査結果をまとめた年次報告書を大島理森議長に提出した。443件(2015年末現在)の特定秘密のうち、具体的な文書や情報がないのに「将来出現する見込みがある」や「職員の記憶の中にある」などとした特定秘密が計36件見つかり、政府に改善させたと報告した。審査会は必要性や秘密の出現可能性を厳格に審査したうえで指定するよう求めた。

     報告書によると、審査会が443件を調査したところ166件に対応する文書がなかった。91件は暗号などだったが、一部には(1)外務省、内閣官房、防衛省などで15件を情報が将来出現する見込みがあるとして指定(2)防衛省、公安調査庁で10件が既に文書廃棄したり、他省庁に文書を移管したりして「職員の知識の中に存在する」状態(3)防衛装備庁などで11件の文書の集計基準が異なっていた--などが含まれることが判明。政府が9件の指定を解除し、8件で新たに文書を作るなどした結果、「文書不存在の秘密」が計36件減少する見込みという。

     審査会は「具体的な情報の出現の蓋然(がいぜん)性が極めて高い場合に限り、最低限の期間に区切ったうえで特定秘密を指定すべきだ」と意見を述べた。

     14年12月の特定秘密保護法施行後、衆院の審査会の年次報告は今回2回目。指摘は「意見」にとどめ、より強い「勧告」は見送った。【青島顕、遠藤拓】

     【ことば】情報監視審査会

     特定秘密の指定や解除に問題がないかをチェックするため、衆参両院に置かれた常設機関。運用に問題があると判断すれば政府に改善を求める「勧告」を出すことができる。特定秘密の提出の要請も可能だが、政府側は安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがあると判断すれば提出を拒否できる。委員は衆参各8人。審査は非公開の秘密会で行う。

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