十和田湖の十和田湖遊覧船企業組合(青森県十和田市)が昨年2月に事業を廃止し、1年が経過した。当初、予想された遊覧船放置の懸念は現実化し、船は今も国立公園内の湖で野ざらしの状態が続く。青森県や国は企業組合に撤去を求めるのが精いっぱいで、問題は景観を害したまま長期化の様相を見せている。
【位置図】十和田湖の遊覧船係留場所
県が管理する十和田市の宇樽部(うたるべ)地区の桟橋には、企業組合所有の遊覧船4隻、別会社所有の小型船1隻(いずれも今月3日時点)が2015年11月の運航終了以降、ずっと係留されている。小型船は遅くとも昨年秋以降、船体が右側に傾斜した格好で浮かんでいる。
地元漁協の男性は「強風でバランスを崩したら一気に沈むよ。国立公園なのに困ったもんだ」と眉をひそめた。
一帯は青森、岩手、秋田の3県にまたがる十和田八幡平国立公園内にあり、船が沈めば油の流出による環境への影響が懸念される。県はこの1年間、企業組合の実質オーナーで小型船の所有会社にも関わる八戸市の日向義孝氏(65)に撤去を求めているが、事態を打開できずにいる。
日向氏は「傾いたのは雪が原因。雪かきを手配するから大丈夫」と説明。一方で、企業組合への出資金回収のため遊覧船に抵当権を設定したとし、「俺は所有者ではなく債権者。撤去の責任はない」と主張する。
国や県など関係機関は昨年夏に会合を開いたが、日向氏が撤去しない場合の対応策はまとまらなかった。国側は「桟橋は県管理なので県が担当すべきだ」との考え。県は「船の処分は民間の話。企業組合の所有物である以上、行政は勝手に手を出せない」と語る。現時点では不法投棄でなく、個人の財産扱いだ。
十和田湖観光は格安の海外旅行に客を取られ、不振が続く。観光拠点の同市休屋地区のメイン通りは、店じまいした商店やホテルが並び、地元では「廃屋通り」とも呼ばれる。その上、遊覧船の墓場が出現すればイメージの悪化は必至だ。
観光客が減り、商売人が去り、夜逃げ同然に建物が残される。全国の観光地に共通する課題は、東北を代表する観光地の十和田湖も例外でない。環境省は、十和田八幡平など全国の8国立公園への訪日客誘致に向け、受け入れ態勢を重点整備する事業を進めている。
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