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森友問題の真犯人は誰か? これまでの経緯を見ると、容疑者は何人かいる。
・ 昭恵夫人 (一番怪しい)
・ 鴻池議員 (二番目に怪しい)
・ 松井大阪府知事
・ 安倍首相
・ 迫田英典・国税庁長官 (財務省理財局長だった)
・ 武内国際局長 (近畿財務局長だった)
このうち、首謀者が誰であったかというと、昭恵夫人であることがもはや明らかだと言える。そのことは漠然と感じている人が多いだろうが、理屈がはっきりしていないはずだ。そこで、私が「昭恵夫人こそ中心人物だ」(首謀者だ)ということを明らかにしよう。
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籠池学園長は何人かの政治家に依頼したようだが、これまでの証言で名が上がったのは、昭恵夫人と鴻池議員だけだ。これ以外にも第三の国会議員が関与していた可能性も考えられるが、「まずない」と言っていいと思う。理屈はいくつかある。
(1) 昭恵夫人が最も強力である。首相夫人というのは、首相自身に次いで、最大級の影響力がある。何人もいる国会議員なんて、ほとんど影響力がない。そんなことでいちいち影響を受けていたら、政府は機能しなくなる。政府の役人に個別に作用できるほどの影響力があるのは、首相・大臣・首相夫人という三者に限られる。
(2) 国会議員や国務大臣が政府の役人に影響力を及ぼすことは、明白に違法である(汚職である)から、そんなことをやる国会議員や国務大臣がいるはずがない。やるとしたら、それ以外の人物であるはずだ。
(3) 上の(1)(2) の共通部分に当たる人は、昭恵夫人しかいない。かくて、ベン図の「共通部分」ということから、論理的に、「中心人物は昭恵夫人だ」と断定できる。
こうして「昭恵夫人だ」と言える。これは、必要条件だ。
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ここで、本質を探ることにしよう。今回の事件では、きわめて奇妙な出来事がある。それは、次のことからわかる。
籠池泰典氏(64)が安倍晋三首相の妻昭恵氏に国有地の借り受けについて相談し、財務省への問い合わせ結果を首相夫人付の政府職員からファクスで受け取っていたと明かした。菅義偉官房長官も職員が籠池氏側の依頼で照会に動いたことを認めた。
2015年11月になり、首相夫人付の政府職員から、ファクスと電話で財務省としての回答があったという。
ファクスは、菅官房長官が午後の記者会見で公表した。財務省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得たことを明記したうえで、「国側の事情もあり、ご希望に沿うことはできないようだ」との内容で、「本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいている」とも付記されていた。
( → 朝日新聞 2017-03-24 )
これは、政治工作が失敗したことを吐露している。
これを読んで、「失敗した政治工作のことなんかどうでもいい」と思う人が多いようだ。しかし、違う。
ここでは、語られたことよりも、語られなかったことが大切なのだ。
では、語られなかったこととは? 政治工作に失敗したことではなく、政治工作に成功したことだ。
政治工作に失敗したときには、籠池学園長に連絡が届いた。しかし、その後、政治工作に成功した。そのときには、籠池学園長に連絡が届かなかったのだ!
これはきわめて奇妙である。通常、政治家に政治工作を依頼したならば、成功したときには報告が届くはずだ。依頼者に「成功しました」と報告してこそ、自分の政治工作の報酬が得られるはずだからだ。(賄賂ふう。ただし得られるものは金銭とは限らない。)
ではなぜ、政治工作が成功したとき、その報告が籠池学園長に届かなかったのか? なぜそんな奇妙なことが起こったのか? その理由は一つしか考えられない。こうだ。
「政治工作によって利益を得る人と、政治工作をした人とが、同一人物である」
つまり、利益を得るのが自分自身だから、いちいち自分に報告をしなくても、報告の目的は達しているのである。
では、利益を得るのが自分自身であるとは? それに該当する人物は、学園長と、名誉校長の、二人しかいない。ここでもまた、昭恵夫人(名誉校長)の名が出た。
今回の政治報告で利益を得たのは、この学園にどっぷりつかっている昭恵夫人自身なのである。自分の理想とする超・右翼的な学校を設立して、子供たちを洗脳するという目的。この目的を実現するために、政治工作をした。となれば、そのあと、いちいち籠池学園長に政治工作をしたことの報告をする必要はないのだ。単に「うまく行きましたね」と告げるだけでいいのだ。裏工作についていちいち明かせば、あとでまずいことになるから、口の軽い籠池学園長には黙っていた。そういうことだったのだ。
こうして、昭恵夫人が首謀者であったという構図は、あらゆる事実にぴったりと合致する。
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さらに、もう一つのことがある。「なぜやったか?」という動機については上述の通りだが、「なぜためらわなかったか?」という抑止の点だ。
通常ならば、何か政治工作をするにしても、抑止する心理が働く。
・ 国会議員ならば、汚職・賄賂の問題が生じる。
・ 政府役人ならば、背任のような問題が生じる。
こういうわけで、国会議員や政府役人ならば、抑止する心理が働くので、こういうことを実行するはずがない。なのに、昭恵夫人には、そういう心理が働かなかった。なぜか? 理由はいくつかある。
第1に、善意だ。昭恵夫人は、今回の行為を、あくまで善意の行為だと思っている。森友学園のやることはもともと良いことだと思っている。すばらしい教育がなされていると思っている。そして、それに奉仕すれば、国のためにも役立つし、夫のためにも役立つし、世の中のためにもなるし、いいことずくめだと思っている。(自分の偏向に気づいていない。)もちろん、夫の足を引っ張ることだとは微塵も思っていない。
第2に、違法性についての無理解だ。こんなふうに口利きをすることは、国の財産をくすねるという泥棒と同じであり、違法性の危険が高い。なのに、そういう危険をまったく意識していないのだ。法律面での意識がまったく欠落しているわけだ。(これも国会議員や政府役人にはありえないことだ。)
第3に、もともと私人の身分であることだ。いくら違法っぽいことをやっても、国から給料をもらっていうわけではないし、公務員ではなく、あくまで私人の身分だ。となると、汚職や賄賂や背任という形で処罰されることは、もともとあり得ない。
以上の三つの点で、昭恵夫人には抑止の心理が働かなかったと言える。
このことからも、首謀者が昭恵夫人であるという構図は、事実にぴったりと当てはまる。
( ※ 逆に、首謀者が国会議員や政府役人だとしたら、そんな立場でありながら、違法行為をやることが、あまりにも不自然だ。)
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結局、以上のことからして、「首謀者は昭恵夫人だ」と断定していいだろう。
しかし、ここで話は一転する。
「真犯人は昭恵夫人だ」
と言っていいか? いや、そうは言えない。なぜなら、すぐ上のこと(第3のこと)で述べたように、昭恵夫人はあくまで私人であって、汚職や賄賂や背任という形で処罰されることは、もともとあり得ないからだ。
もっとはっきり言うと、私人である昭恵夫人には、国有財産の処分を左右する権能がない。いくら口利きをしたとしても、その口利きには、何の権限もともなっていないから、命令することにはならないのだ。したがって、「権力の行使による汚職」というのは、もともとありえない。法律的には、何の違法行為もしていない。
では、真犯人は誰か? 私としては、こう言おう。
「昭恵夫人の要請を受けたあとで、それを無視して突っぱねるかわりに、昭恵夫人におもねって、国有財産を処分した人」
これはいわば、ジャイアンにおもねるスネ夫みたいな人物である。この人物(スネ夫と仮称しよう)こそが、真犯人である。
スネ夫は、身分の高い人物ではない。そのことは、役人の証言から明らかだ。
参院予算委員会は24日、森友学園への国有地売却交渉当時に財務省理財局長だった迫田英典国税庁長官らを参考人招致した。迫田氏は「本件について報告などを受けたことはない」とし「政治的な配慮をするべくもなかった」と話した。
また、当時近畿財務局長を務めていた財務省の武内良樹国際局長も、同国有地の売却に関し政治家や秘書から自身への接触はなかったと説明。「政治的な配慮は一切していない」と述べた。
( → 迫田国税庁長官ら、森友問題への関与を否定:日本経済新聞 )
局長レベルの人物には、話は上がっていなかった。とすれば、それ以下の、やや低いレベルで決裁がなされたことになる。その決裁をしたのが、スネ夫だ。
このスネ夫が、変に気を利かせて、ジャイアンみたいな昭恵夫人におもねったわけだ。
( ※ 正確に言えば、ジャイアンである安倍首相におもねって、ジャイアン夫人に便宜を図った。)
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では、スネ夫とは誰か? つまり、真犯人は誰か? それを証言してくれる人は3人いる。
まずは、次の二人だ。
・ 迫田英典 国税庁長官
・ 武内良樹 国際局長
この二人を参考人として招致したのだから、ついでに、「スネ夫は誰だったのか?」と質問するべきだった。そうすれば、「その決裁を担当していたのは、これこれの人物だった」と証言したはずだ。その証言を求めなかったのは、大いなる失策だった。
残る1人の人物は誰か? 昭恵夫人付きの職員だ。谷査恵子(たに さえこ)という名前だ。
→ 産経ニュース
ところが、この「谷査恵子」という名前でぐぐると、意外なことがわかる。事件の発覚後、この人物は、南米へ飛ばされてしまったのだ。
→ Google 検索
本来ならば、この人物を承認として招致して、「誰に政治工作をしたのか?」「政治工作が成功した相手であるスネ夫は誰なのか?」と問い質すべきだった。
しかるに、肝心の谷査恵子氏が最もヤバいと理解しているのが、政府と首相だ。だからこそ、大あわてで、彼女を南米に飛ばしてしまったのだ。
それでいて、野党は、そのことに気づきもしない。「昭恵夫人を証人喚問せよ」なんて主張している。馬鹿馬鹿しい。昭恵夫人が政治工作をしたのではない。政治工作を誰害したのが誰かは、谷査恵子氏が知っている。(自分自身かもしれない。)
そして、政治工作のあげく、実際に違法行為をした(背任をした)のは、土地についての権限を持つ担当者であるスネ夫だったのだ。そのスネ夫に直接的に交渉したのが、(たぶん)谷査恵子氏なのである。
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こうして、真相が明らかになった。構図で言えば、こうだ。
連帯
昭恵夫人 = 籠池学園長
↓
谷査恵子
↓
スネ夫(近畿財務局の部課長クラス)
↓
部下 (大幅値引きの実行)
こういう順序で、森友学園への便宜が図られたわけだ。8億円分の利益供与という形で。
※ 谷査恵子氏とスネ夫の間には、もう一人、誰かが
挟まっている可能性も、少しはある。
[ 付記1 ]
このあとは、スネ夫が誰かを突き止めればいいだろう。そうすれば、背任という事実がはっきりする。
ここは、検察に出てきてもらいたいところだ。次の記事もある。
《 森友学園への国有地売却 背任容疑で告発状 》
学校法人「森友学園」への大阪・豊中市の国有地の売却について、地元の市議会議員や住民が、「近畿財務局が不当に安く売って国に損害を与えた」として、容疑者を特定せず、背任の疑いで大阪地方検察庁に告発状を提出しました。
( → NHKニュース )
[ 付記2 ]
次の記事もある。
《 近畿財務局の担当者 “ 森友学園とのやり取り 記録残っている” 》
財務局の楠敏志管財部長は、学園側とのやり取りについて、土地の売却価格が開示された先月以降の記録は残っていることを明らかにしました。
楠管財部長は「関係の公文書もあるし、応接はある。その後のやり取りで重要な部分は文書で残しているものもある」と述べました。
( → NHKニュース )
調べる気があれば、いくらでも調べられるわけだ。とはいえ、肝心の首相が隠したがっているという事実があるから、解明は困難だ。
[ 付記3 ]
昭恵夫人についてはどうか?
先に述べたように、法的な違法性はない。「やってはならないことをした」とは言えるが、それはあくまで倫理面でのことだ。法的な違法性はない。
とはいえ、「昭恵夫人が関与していたら首相も国会議員も辞める」と安倍首相は言った。となると、首相の辞任は免れないかもしれない。
とはいえ、これは本人が「やっぱ、やだよ」と前言を撤回すれば、あっさり引っ込んでしまう。どうなることやら。
安倍首相がまともなら、自認するだろうが、もともと首相はトランプ並みの嘘つきだしね。
[ 付記4 ]
真犯人であるスネ夫が背任行為をしたのは、昭恵夫人におもねったからだが、これは「忖度した」というふうにも表現されている。この件は、下記で。
→ 外国人特派員協会の通訳さんが「忖度」を訳すのに困って、結局そのまま"sontaku"になってしまった件 - Togetterまとめ