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戻らぬ雨傘、2300本のうち2100本が不明 無料貸し出しサービス廃止に 新幹線開業に伴う「観光客おもてなし」、わずか1年で…

北海道新聞 3/23(木) 6:50配信

「誰でも無料で使える」仇に

 昨年3月26日の北海道新幹線開業と同時に北海道函館市で始まった雨傘の無料貸し出しサービスが22日、本年度で廃止されることが決まった。昨年12月末までの実施期間中、用意した2300本の雨傘は、未返却数が2100本に上った。事業主体の北海道新幹線新函館開業対策推進機構(函館)が市内のホテルで理事会を開き、今月末での機構解散とともに、廃止を正式に承認。承継先を決めた別事業もあるが、雨傘については「傘を安定調達できない。承継先が傘の購入費を出し続けることになる」とし、断念した。

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 雨傘の貸し出しは、観光客のおもてなしを向上させる目的で始め、函館市のロゴマークを貼った新品をJR函館、五稜郭両駅など市内6カ所に配置。誰でも無料で使い、いずれの場所でも返すことができた。

「もう市民の税金投入できない」

 異変が生じたのは、昨年5月の大型連休後。当初の千本が100本に減って500本を追加購入し、8月中旬、さらに500本を仕入れる事態になった。

 同機構は1本300円の傘を8月に100円の商品に切り替え、経費を節減。函館西高などから寄贈を受けたが数は補えず、「函館はマイカー通勤が多く、市電などにも放置傘はわずかだった」(同機構)。未返却の傘はホテルや飲食店ではほとんど見つからず、誰がどこに持っていったのかわからないという。函館市観光部は、雨傘について「返却率が悪すぎて、市民の税金を投入できない」と話した。

北海道新聞社

最終更新:3/23(木) 6:50

北海道新聞

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