携帯電話大手3社が、農業分野でモノのインターネット(IoT)サービスの開発に力を入れている。KDDIのグループ会社、沖縄セルラー電話(那覇市)は今月下旬にネット回線を通じて生育状況をカメラで把握できる家庭用水耕栽培機器を発売。ソフトバンクやNTTドコモも水田の水位や水温を把握できる機器を販売している。スマートフォン契約者数の伸びが鈍化する中、収益の多角化を図る狙いがある。
沖縄セルラーが発売する水耕栽培機器「やさい物語」は、同社のネット通販サイトから全国に発送する。レタスなど葉物野菜を栽培でき、Wi-Fi(ワイファイ)でインターネットに接続することで、内蔵カメラで野菜の生育状況をスマホ専用アプリでリアルタイムに確認できる。
沖縄県では大半の葉物野菜が県外から輸送されるため、特に台風で露地物野菜が全滅する時期には「レタス1つが1300円以上に高騰することもある」(同社の加賀武史課長)という。こうした事情に対応するため同社は3年前から、県内の通信施設内に建設した野菜工場で、LED(発光ダイオード)で光を与えて葉物野菜を栽培している。
このノウハウを生かして、育成が進みやすい波長のLEDをやさい物語に採用した。湯浅英雄社長は「通信と同じように、安定した量と値段で野菜を収穫できる。わかりやすい身近な分野からIoTを普及させたい」と話している。
KDDIは「ライフデザイン企業」を掲げ、auショップでコメや水などの物販のほか、保険や電気と携帯電話のセット契約を扱うなど、通信企業からの脱皮を図っている。
沖縄セルラーは県内の携帯電話契約シェアが5割とトップだが、「格安スマホ事業者と競争しながら成長し続けるのは難しい」(湯浅社長)と判断。新規事業として、通信企業として初となる野菜工場の事業化を決めたという。
農業とIoTをめぐっては、ドコモも水田の水温や水位を測って携帯電話回線でデータを送る機器を販売するほか、水田の上空から稲の生育状況を撮影する小型無人機「ドローン」を使ってコメの品質向上を図る取り組みを進めている。
ソフトバンクも、グループ会社が水田の温度や湿度、日照などをセンサーで把握する電子かかし「e-kakashi(イーカカシ)」を販売。別のグループ会社は、ドローンで空撮した稲の生育状況からタンパク質含有量を分析し、味の良いコメの収穫につなげる実験を北海道で昨年実施、事業化の道筋も立ちつつあるという。
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