「直接会って、話してみたいんです」
この言葉を今まで幾度となく言われてきた。
「会ってみたい」と言われること自体は、とても光栄なことでありがたくおもう。
しかし、どうして人は興味を持った人に対して「直接会ってみたい」とおもうのだろうか?
ぼく自身も経験があるので、率直に答えるとそれはミーハー心が大半だ。
「この人はどんな人間なんだろう?」という好奇心が湧き、それが「会いたい」という欲求に駆り立てる。
そして、「悩みがある」といった適当なワケを取り付けて会う理由を作るのだ。
この一連の流れには本人に自覚がない場合がしばしばだ。
人と直接会うことはコストがかかりすぎる
ぼく自身、今まで「会いたい」と言ってくれた人に何度も会ってきた。
しかし、事を終えると「この時間って何だったんだろう?」とおもうことの方が大半だ。
ちょうど、共感する発言を発見したので貼っておく。
『悩んでることがあるので会いたい』と言う人の悩みはすでに答えが出てるし『いろんなことが聞きたいので会いたい』と言う人の聞きたいことはだいたい量が少ないから会って話すと拍子抜けすることが多いんだけど気のせいかなぁ。
— 吉田佐和子 (@sawaclarinet) 2017年3月17日
本当にこれ!とおもった。
「あなたがぼくに聞きたいことって実はそんなに無いよね!」っと言いたくなるケースが幾度となくあった。
極め付けは、「あなたの生き方にすごく興味があります!ぜひ会ってください!」と言われて「そうか!」と会ってみたら、開口一番に「いやー、あなたのことよく知らないんですよ。でも気になって会いたくって。」と言われた時の切なさたるや。
「その言葉、相手に絶対言っちゃダメ!よく知らなくても会う約束までしたんだから、それまでに調べておいてよ。アンタが連絡したからぼくは時間作って、この場にいるんだ。この費やした時間全部返してほしい!」と叫びたくなる。こんなことが一度や二度ではなかった。
その経験を積み重ねて、ぼくはおもった。
「直接会いたい!なんて軽々しく言うもんじゃない」と。
会うという行為は、相手と自分両方の時間やエネルギー(主に体力)を使っているのだ。
学生時代と違ってみんな仕事もしてるし、多種多様な人間関係の中で自分で考えながら生きている。
その時間をいただくというのは想像以上に大きなことなのである。
会うためのコストをザッと洗い出してみた
会うことというのはかなりのコストがかかる。
頭を冷静にして、どんなモノがかかるか洗い出してみた。
- お互いの日程をすり合わせるために連絡を取り合う
- 会う前日、もしくは当日に「本日よろしくお願いします」と一報を入れる
- 待ち合わせ場所まで移動する(交通費がかかる)
- お茶代(昼間であれば500円前後)
- 談話に90分前後の時間を費やす
- 談話後のお礼のメールのやり取り
ざっとこの6つのタスクを人と人が直接会うことで行わなければいけない。
こうやって見ると、ただ人が会うだけで頭も身体もお金も使ってるよなーとおもう。
このコストに比べると、「人と直接会うことにおける価値」って少なくないだろうか?
人との対話はオンラインで十分だった
ぼくは人の相談やミーティングなどコミュニケーションを取る時は全てオンライン通話で行うようになった。
今まで軽く500回以上はやってきたとおもう。
結論を言うと、人とのコミュニケーションはオンラインで十分伝わることが分かった。
よく「直接会うから仲も深まるし、価値があるんだ」と昭和っぽい発言をする人もいるが、やってみると全然問題ない。
相手の表情、声のトーンで感情も読み取れるし直接会ったのと変わらないくらい普通に話せる。
電波状態が不安定な時があるけど、それ以外に悩んだことは特にない。
オンライン通話によって、
- わざわざ移動して待ち合わす必要もない
- 交通費がかからない
- お茶代もかからない
直接会うことと比べて相当コストが減る。
直接会って話すのと違って、オンラインは移動などの体力を使わずにすむので精神的にも負担が少ないと肌感覚でおもう。
時間はお金よりも大事。直接会うことはしっかりとした目的が必要だ
ぼくは直接会うことを辞めた方がいいと言いたいわけではない。
直接会うことは体力も使うし、想像以上に「時間」を費やすことをちゃんと理解していただきたいのだ。
ぼくは時間がお金よりも大事だとおもってる。
だって、「命」というのは「自分の残された時間」のことを指すからだ。
命が無くなればお金なんていくらあっても何の意味もない。
時間は命そのものだから、当然お金より優先されるべきモノ。
だから、わざわざ直接会うからには「お互いにとってメリットのある時間を過ごすようにしよう」と伝えたい。
前述したように、オンラインを使えば、直接会うのと同等の対話が可能な時代だ。
だからこそ、直接会うことにはちゃんとした価値をつけるべきだとぼくはおもう。
そのためには具体的な「目的」を持つことが一番大事だとおもう。
「何の為に会うのか?」
その目的をあやふやにしないで、お互いにとって価値のある時間を過ごせるために目的を明確化してからアポを取り付けるべきだ。
そうでないと直接会う意味なんて全くないとおもう。
だからこそ、ぼくは恋人や気心の知れた友人以外で「直接会おう」とはなかなか言えない。
しっかりとした目的を持って人とのアポを取り付けよう。
それが直接会ってくれる相手に対する一番の礼儀であるとぼくはおもう。
それでは今日はこのへんで。
わっしょい!