ゴッホとゴーギャン展
2017年1月3日〜3月20日
愛知県美術館
一面名大、軍事研究に歯止め 夏めどに指針策定名古屋大(名古屋市千種区)が、軍事技術に直結する研究に歯止めをかける独自の指針を策定することが分かった。松尾清一学長が本紙の取材に「夏ごろまでに名大としての基準作りを進めたい」と明らかにした。防衛省が軍事分野に応用可能な研究への助成制度を拡充するなど「軍学接近」への警戒感が高まる中、国内トップ級の研究レベルを誇る名大の指針策定は他大学や研究機関にも大きな影響を与えそうだ。 国内の科学者で構成する「日本学術会議」は、各大学ごとに軍事研究の是非を判断する指針を策定するよう求める声明案をまとめており、四月の総会で結論を出す見込み。東大、京大など有力大学の多くは新たな指針作りの意向を表明しておらず、六人のノーベル賞受賞者を輩出する名大がいち早く策定に乗り出すことになる。 名大は独自の学術憲章で「人々の幸福に貢献することを使命とする」と研究の理念を定めているが、軍事研究を明確には禁じていない。一九八七年に学生、教員らが採択した「平和憲章」は戦争目的の研究をしないと明記しているが、大学当局として公式には認めていない。 松尾学長は「学術憲章の理念からいえば、明らかな軍事目的の研究は名大では難しい」とし、大学として軍事研究への歯止めを明文化する考えを示した。一方、策定にあたっては「どこで線引きするかが問題だ」と語った。 指針の具体的な内容や策定の手順に関しては近く学内で議論を始めるという。大学関係者によると、各学部などから意見を集め、ワーキンググループや役員会の議論を経て原案をまとめる手続きが想定される。研究が軍事目的かどうかを個別に審査できる体制づくりを指針にどういった形で盛り込めるかも課題となる。 学術と軍事の関係を巡っては、防衛省が二〇一五年度から、軍事にも民生品にも応用できる「デュアルユース」と呼ばれる研究に助成する「安全保障技術研究推進制度」を始めたことをきっかけに、全国の大学、研究機関で議論が高まっている。戦前への回帰につながるとの懸念が根強い一方で、「研究の自由」を重視し、防衛関連など一定の軍事研究を容認する声も出ている。 これまで名大では、防衛省の助成制度への応募例はないが、今後、助成を希望する研究者が出てくる可能性があり、大学の姿勢を示す必要に迫られていた。 (坪井千隼) PR情報
|
|
Search | 検索