【北京=小高航】中国・北京で開かれていた第12期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)第5回会議が15日、閉幕した。李克強首相は閉幕後の記者会見で米中首脳会談について「両国外務省が調整しているところだ」と述べ、早期実現に意欲を示した。「貿易戦争はみたくない。最初に被害を受けるのは外国企業で、真っ先に米企業だ」とも述べ、通商・為替政策でのトランプ米政権の強硬姿勢をけん制した。
李首相は会見の冒頭で米中関係に関する米CNN記者の質問に答え、「中米は共同の利益を拡大できる。中米貿易は米国で100万人近い雇用を生んだ」と強調。衝突や対立を避けて協力関係を築くべきだとの立場を訴えた。人民元相場については「合理的水準での安定を維持する」と述べた。
一方、中国経済については「発展しないのが最大のリスクだ」と安定成長を目指す考えを強調した。「金融面のリスクを注視している」とし、過度な金融緩和を改める一方で、減税などを通じ景気を下支えする意向を示した。
李首相は核・ミサイルによる挑発を続ける北朝鮮問題に関し、「対話を通じ朝鮮半島の非核化と安定に努める」と述べ、国連の制裁決議を厳格に履行する姿勢を強調した。「関係国が緊張緩和へ向け努力することを希望する」と、強硬論が浮上している米国に自制を求めた。
閉幕式では、初めて1兆元(約16兆5千億円)を超える国防費を盛り込んだ2017年度予算案や、同年に「6.5%前後」の経済成長率を目指すとした李首相の政治活動報告などを承認した。