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82億円で“パパ”がシートご購入!?F1史上最強のお坊ちゃま新人、現る。

Number Web 3/12(日) 8:01配信

 今年、とんでもないルーキーがF1デビューを果たす。カナダ出身、わずか18歳のランス・ストロールだ。

 ストロールの父親は、ファッションブランドの『トミーヒルフィガー』や『マイケルコース』の大株主として知られるローレンス・ストロール。総資産は24億ドル(約2477億円)。フォーブス誌の2016年世界長者番付で722位にランクされている、億万長者だ。

 その大富豪が息子のデビューをサポートするために費やした費用が桁違いだった。

 ストロールは昨年のヨーロッパF3選手権のチャンピオンだが、まだ18歳。大排気量のマシンを操るという点で経験が十分ではなかった。

 F1マシンは1.6リッターだが、ターボや回生エネルギーによって、その出力は最大で900馬力以上もある。これに対して、F3のエンジンは約200馬力程度である。本来であれば、GP2(4リッター、約612馬力)など、F3よりもハイパワーのカテゴリーを経験したのちに、F1を目指すのが一般的である。

サーキット貸切、計25人のスタッフ随行でテスト走行。

 ところが、ストロールは時間をお金で買った。なんと息子のF1デビュー準備のために、昨年大規模なテストプログラムを実行させたのである。

 現在、F1のレギュレーションではテストに厳しい規制がかけられている。だが、それは1年前のマシンを使用したテストの場合。ストロールは、2年落ちのマシンをウイリアムズに用意させ、F1が開催されているいくつかのサーキットへ出向き、テスト走行を行ったのだ。

 サーキットを借り切っただけでなく、F1マシンを走らせるために、ウイリアムズ側から20名のメカニックと5名のエンジニアが随行。パワーユニットもメルセデスから2台を特別に供給してもらえるように交渉した。

 もちろん、それらの費用はすべてストロール側が捻出。その費用は8000万ドル(約82億円)とも言われている。

セナのように個人広報をつけてストロールを支援。

 今回のテストでは、さらにドリームチームともいうべき、贅沢なサポートが準備されていることが明らかになった。それは「チーム・ストロール」の存在だ。

 メディアからのプレッシャーに対して上手く対応するため、チームの広報以外に、個人広報を専属で雇ったのだ。その広報とは、かつてウイリアムズでナイジェル・マンセルやアイルトン・セナとも仕事をした経験があり、F1界の大御所とも言える存在であるアン・ブラッドショーだ。

 近年のF1では、どのチームにも広報が複数いる。したがって、ドライバーが個人広報を持つのは、極めて稀である。個人広報を雇った最初のドライバーはアイルトン・セナ。その後もミハエル・シューマッハーとセバスチャン・ベッテルぐらいのもの。

 フェルナンド・アロンソもルイス・ハミルトンも、いまだ個人広報をつけたことはない。しかも、セナ、シューマッハー、ベッテルも、個人広報を持つようになったのは、チャンピオンに輝いてから。デビュー前から個人広報を雇ったのは、F1史上初めてのことだ。

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最終更新:3/12(日) 8:01

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