宅配便3社の勤務比較【拡大】
ヤマトホールディングス(HD)でドライバーのサービス残業の常態化と、巨額の未払い賃金が発覚した。会社側は、外部への情報漏洩(ろうえい)を禁じる「戒厳令」のメールをドライバーに連発し、混乱回避と実態解明に追われた。政府は働き方改革の旗を振るが、ヤマトHDの取り組みは緒に就いたばかりで、前途多難だ。
「会社からは『顧客やマスコミに何も言わないように』というメールが連日届く。この先どうなるか不安だ」。ヤマトHD傘下のヤマト運輸のあるドライバーは打ち明けた。「特に地方では人手不足が深刻で、配達を外部の業者に委託することも難しく長時間労働になりやすい」という。
配達現場の繁忙ぶりは、2013年にネット通販大手アマゾンの宅配業務を本格的に請け負ってから一段と悪化。昨年8月にはヤマト運輸の横浜市の支店が、一部社員に残業代を支払っていなかったとして横浜北労働基準監督署から是正勧告を受けた。残業代は100万円を超えるケースもあったといわれる。
ヤマトHDの調査対象はドライバーを含め7万人以上。未払いの残業代は数百億円の可能性もある。物流業界の関係者は「(ヤマトHDのビジネスモデルは)限界に来ている」と語った。