【3月5日 時事通信社】ウクライナ南部クリミア半島の「美人検事長」からロシア下院議員に転身したナタリヤ・ポクロンスカヤ氏(36)がテレビのインタビューで「ロシア皇帝の銅像が涙を流した。奇跡だ」と主張し、物議を醸している。

 銅像は、ポクロンスカヤ氏が敬愛してやまない最後の皇帝ニコライ2世(1868~1918年)のもので、クリミアの検察本部に設置されている。同氏は3日放送の正教会系テレビで「科学で説明できない奇跡。ロシア革命100周年に起きた」と述べた。

 ロシア革命の結果、処刑されたニコライ2世は受難した「聖人」と見なされている。だが、正教会の広報担当者は地元ラジオに「ノーコメント」を貫き、ポクロンスカヤ氏の自由奔放な発言に困惑している様子だ。

 ポクロンスカヤ氏は、2014年3月のロシアによるクリミア編入の象徴として、内外メディアから注目された。最近では、上映前の映画の検閲を強く求めたり、過去にロシア系住民に厳罰を求刑した疑惑が発覚したりと、スキャンダルの種になっている。(c)時事通信社