不動産屋の仲介手数料を半月分にしてコストを削減する方法
部屋探しをする中で、不動産屋から違法に騙し取られているケースが多いのが、「仲介手数料」です。
多くの不動産屋は、賃料の一月分(1.08月分)を仲介手数料として請求してきますよね? この記事をお読みになられている方も、そのような経験があるかもしれません。
もしそういう不動産屋に当たってしまったら、次の呪文を唱えることで、仲介手数料を半月分にしてもらうことができます。
「私は、仲介手数料が0.54月分だと思っていました。なぜならば、そのように書かれた告示が店内に掲示してあるからです。これまで、私は1.08月分支払うという承諾をした覚えはありません。私は0.54月分しか仲介手数料を支払うつもりはありません。」
どこの不動産屋でも使えるの?
はい、使えます。
なぜならば、不動産屋は必ず、「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」という国土交通省(建設省)の告示を掲示しなければいけないことになっているからです。この告示の中には、「原則として仲介手数料が0.54月分まで」であることが記載されています。
※正確には、宅地建物取引業の免許を受けないで営業している不動産屋では使うことができませんが、皆さんが部屋探しで訪れる不動産屋の99.9%は宅地建物取引業の免許を受けて営業しています。不安な方は、「(不動産会社の名前)」+「免許」でGoogle検索してみてください。宅地建物取引業の免許を受けていることが分かるはずです。
どのタイミングで呪文を唱えるの?
呪文を唱えるタイミングは、①入居審査を通過した後、②仲介手数料を支払う前です。
①入居審査を通過する前にこの呪文を使ってしまうと、入居審査で落ちたことにされて不動産屋から追い出されます。
②仲介手数料を支払ってしまうと、こちらが半月分ではなく一月分の仲介手数料を支払うことに同意したとみなされてしまうからです。
なぜこの呪文が有効なの?
この呪文が有効なのは、それが法律に基づいているからです。
不動産屋が1つの賃貸借契約から受け取ることのできる仲介手数料については、宅建業法第46条と「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和45年建設省告示第1552号)」です。
宅建業法第46条
第1項 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関して受けることのできる報酬の額は、国土交通大臣の定めるところによる。
第2項 宅地建物取引業者は、前項の額をこえて報酬を受けてはならない。
宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(昭和45年建設省告示第1552号)
第4 賃借の媒介に関する報酬の額
宅地建物取引業者が宅地又は建物の貸借の媒介に関して依頼者の双方から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税相当額を含む。以下この規定において同じ)の合計額は、当該宅地又は建物の借賃(中略)の一月分の1.08倍に相当する金額以内とする。この場合において、居住の用に供する建物の賃貸借の媒介に関して依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、当該媒介の依頼を受けるに当たって当該依頼者の承諾を得ている場合を除き、借賃の一月分の0.54倍に相当する金額以内とする。
要するに、あなたの承諾がない限り、不動産屋は、賃料の半月分(0.54月分)までしか受け取ることはできないというわけです。
国土交通省(建設省)の告示は、前述の通り、不動産屋の店内に必ず掲示されています。
しかも、見やすい場所に掲示しなければいけないと法律で定められています。
宅建業法第46条
第4項 宅地建物取引業者は、その事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、第一項の規定により国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
ですから、不動産屋の方から「あなたにはあれを見ていないはずだ。だって、あんなに見にくい場所に掲示してあるのだから」なんて言うことはできません。
だって、法律で「公衆の見やすい場所に」「掲示しなければならない」と書いてあるからです。それを「見にくい場所に掲示してあるのだから見ていないはず」なんて言ったら、自ら宅建業法第46条第4項に違反していることを自白していることになるからです。
呪文を唱えても意味がなかったら?
この呪文を唱えたとしても、悪質な不動産屋の場合、開き直って、「仲介手数料を一月分支払ってくれないのであれば、手続きを進めることができません」などと言われる場合があります。
しかし、その場合にも心配はありません。そういうときに唱える次の呪文については、こちらの記事をご覧ください。仲介手数料に関する記述の中でより詳しく説明しています。
また、仲介手数料以外にも、賃貸の費用を削減するための法律知識や交渉術についてまとめていますので、ご覧頂ければ幸いです。