(出典:LINEニュースリリース)
こんにちは、格安SIMユーザのNAEです。
ぼくが3大キャリアから格安SIMに乗り換えたのは2014年。格安SIMが一気に広まった、まさに「格安SIM元年」でした。
ビッグウェーブに乗ってから2年間、音声SIM+データ3GBプランでスマホ代金月々1,600円生活を続けています。
さて、2年もたてば格安SIM界の情勢も変わるもの。
格安SIMの波に乗った方の中には「そろそろ乗り換えを検討してもいい時期かな」なんて思う方もいるかと思います。
実はぼくもそんな1人です。
さっそく調べまわってみたんですが、結論を言うとLINEモバイルが最強です。
格安SIMは気になるけど、特にこだわりがあるわけでもない・・・
という人は、とりあえずLINEモバイルにしておけば損はしません。
さて、この記事では格安SIMをとりまく状況をもとに、なぜLINEモバイルが格安SIM界で最強と言えるのかを解説してみたいと思います。
目次
格安SIM(MVNO)業界の概況(2016年)
まずは格安SIM(MVNO)業界の情勢についてです。
MVNOとはNTTやAU、ソフトバンクなどネットワーク通信網を持っている事業者のインフラを間借りして通信サービスを提供する形態のこと。
格安SIM≒MVNOと思っていて差し支えないと思います。
さっそく、電波まわりを統括管理する総務省の発表資料をひもといてみます。
(以下、いずれも上記資料からの出典です)
MVNO事業者数
ぼくがDMMモバイルに鞍替えした2014年。
「MVNOによりデータ通信サービスを提供する事業者数が100を超えた!」とニュースになっていました。
ひるがえって2016年の状況を見てみましょう。
2016年6月時点でMVNOの事業者数は580社だそうです。まさに群雄割拠。
ちなみにグラフには「MNO」「1次MVNO」「2次以降のMVNO」と区分けがあります。
その違いは以下のとおり
- MNO:NTTやソフトバンクなど、ネットワーク網を持っているキャリア
- 1次MVNO:NTTなどから回線を間借りしてサービスを提供している事業者
- 2次以降のMVNO:1次MVNOのサービスをさらに間借りしている事業者
要するにMNOの上にMVNOが多段で乗っかっている構図ってことですね。
代表例を出すならば、MVNOのリーディングカンパニーであり格安SIMの価格下落を後押ししたIIJmio(みおふぉん)は1次MVNO事業者。
ぼくの使っているDMMモバイルはIIJmioのサービスをインフラとして使っている2次MVNO事業者です。
といっても、消費者たるぼくたちにとってどちらも同じMVNO(格安SIM)です。
1次・2次以降という区分けは関係ありません。
MVNOの契約数はグングン伸びている
MVNO事業者数が増えている背景には契約者の伸びがあります。
(にわとりたまごかもしれません)
3大キャリアの提供する移動体通信サービス(いわゆるスマホやケータイ)の契約者数が頭打ちでパイの食い合いになっているのを尻目に、MVNOの契約数はものすごい勢いでグングン伸びています。
MVNOは一大ムーブメント。
ぼくたち消費者だけでなく、MVNO事業者にとってもビジネスチャンスであるわけです。
MVNO事業者、勝ち組はほんの一握り
とはいえ激しい競争を生き残れるのは強者のみ。
同じ総務省の発表資料を見てみると、MVNO業界は勝ち組負け組に分かれつつあります。
グラフを見ると、2016年6月時点で契約数が3万を超える勝ち組は全体の3割しかいません。
最初は群雄割拠だったのが、だんだん勝ち組と負け組が分かれてきた・・・という傾向が見て取れます。
格安SIM界に格差が生まれた理由から見える状況
さて、なぜこのようにクッキリと差が出たのでしょうか?
少しだけ、マクロとミクロの両視点から分析してみたいと思います。
- マクロの視点:イノベーター理論とキャズム理論から見た市場の状況
- ミクロの視点:消費者から格安SIMがどう映るか
マクロの視点:イノベーター理論とキャズム理論から見る格安SIM業界の状況
いきなり専門用語でごめんなさい!
でもわかりやすくかみ砕いてお話するので、少しだけおつきあいください。
イノベーター理論とは
イノベーター理論とは、1962年にスタンフォード大学のエベレット・M・ロジャース教授が提唱した理論です。
イノベーター理論では、新しい商品やサービスに対する感度(態度や反応)を軸に、消費者を5つに分類しています。
ざっくり言うとこんな感じ。
- イノベーター(全体の2.5%):
目新しさに惹かれて積極的に取り入れる、我が道を行く人 - アーリーアダプター(全体の13.5%):
流行に敏感だけど、自分にあってるか判断を入れる人 - アーリーマジョリティ(全体の34.0%):
「これ流行ってるらしい!」と聞いて使い始める人 - レイトマジョリティ(全体の34.0%):
「みんな使ってる」を確認してから重い腰を上げる人 - ラガード(全体の16.0%):
今のままで別にいい。新しいものはいらないと考える人
図にすると下記のとおり。
「マジョリティ」と名のついている部分がボリュームゾーンであるとされています。
(出典:diamond.jp)
さて、自社の商品やサービスを多くの人に使ってもらうには、ボリュームゾーンである「マジョリティ」にアプローチをかけたいところですよね。
しかし、そうカンタンにはいきません。
イノベーター理論では、新しい商品やサービスは上図の左から右の順に広める必要があるとしています。
したがってボリュームゾーンにアプローチをかけるには、まず「イノベーター」「アーリーアダプター」をあわせた普及率16%の溝を超えられるかがカギです。
この16%という閾値を「溝=キャズム」と呼びます。
キャズム理論とは
16%が「キャズム」と呼ばれて特別扱いされるのには、理由があります。
16%を堺に、商品やサービスを選ぶ際の判断基準が大きく変わるからです。
- キャズム前の人:
商品・サービスの目新しさや本質的な価値を重要視する - キャズム後のマジョリティ:
「流行ってるらしい」「みんな使ってる」に反応する
要するに、キャズム前の人は「いいモノ安く」作れればちゃんと評価して選んでくれますが、キャズム以降の人はそうではない。
誤解を恐れず言えば、前者は「情強(情報強者)」、後者は「情弱(情報弱者)」というわけです。
そのため、16%のキャズム前後で商品やサービスを広めるためのマーケティング戦略は大きく異なるはず。
キャズム前のみならず、キャズム後のマジョリティへのアプローチ方法を考えておきましょう。
そう唱えるのが「キャズム理論」です。
格安SIM業界の状況
16%という数字を超えることがキーだということをお話しました。
一方、先ほどの総務省のデータでは格安SIMの普及率は2016年6月時点で8%弱でしたね。
つまり格安SIM業界は現在「アーリーアダプター」の中盤というわけです。
格安SIM業界はまさに「マジョリティ」へアプローチ中
先を見据えた格安SIM事業者たちは、きたる16%の溝を見据えて動いています。
いかに「マジョリティ」へアプローチするか、考え、実践している最中なんです。
実際にここ最近、格安SIMの広告、特にテレビCMが増えていますよね。
YOSHKIを起用したキャッチーなCMの楽天モバイルや・・・
マジョリティに「知ってもらえるか」が勝敗を分けている
マジョリティはえてして、新商品情報に対するアンテナが低いもの。
マジョリティに自社商品やサービスに気づいてもらうには、メディアやSNSを利用した販促キャンペーン、いわゆる「賑やかし」が必要です。
しかし「賑やかし」はお金がかかるもの。
大手メディアを利用するのならなおさらです。
そのためマジョリティにアプローチするためには
- 「賑やかし」予算を割ける経営体力があること
- すでにブランドを認知されていること
のいずれかを満たさないと、そもそも土俵にすら上がれません。
この結果、ステージに立てないMVNO事業者が負け組に倒れ、マジョリティにアプローチをかけられるMVNO事業者が勝ち組として契約数を伸ばしている。
先ほどの総務省の資料に見られる勝ち組・負け組格差には、このような背景があると推測します。
ミクロの視点:マジョリティな消費者から格安SIMがどう映るか
次にミクロの視点から、マジョリティの1人になったつもりで格安SIM業界を眺めてみましょう。
選択肢が多すぎて選べない
そもそも、MVNO(格安SIM)の事業者数が多すぎます。
580社もいるなんて、リストを眺めるだけでも吐き気がしそう。
580個も並んでたら、どれがどれだかわかりません。
さらにプランでかけ算するともう完全にワケワカラン状態です。
「決定回避の法則」という言葉があります。
商品の購入を促すなら、選択者の「選択の自由」を尊重するより選択肢を減らす方が効果的である、という法則です。
要するに、選択肢が多すぎると逆に選べない、ということです。
16%のキャズム以前の人にとって「比較検討」は慣れっこです。
選択肢が多くても、ミリミリ厳密に調べ、考え、自分にとって最善のものを選ぶでしょう。
しかし、キャズム以降のマジョリティは違います。
なるべくいいものを選びたいけど、比較は面倒くさい。
そのため、選択肢がたくさんあると比べられない、選べない、決められないのです。
比較されても違いが細かすぎてよくわからない
そんなマジョリティのために、選択や決定を助ける「比較サイト」がたくさんできています。
Googleで「格安SIM 比較」と調べるとわんさか出てくるやつです。
実に情報が多く、比較項目もしっかりしていて、比較したい人にとってはやさしい作りになっているサイトも数多く見かけます。
これらのサイトは、マジョリティにとっては、きわめてわかりにくいんです。
なぜなら、格安SIMという商品・サービス自体、マジョリティが認識できるレベルの差別化要素が非常に少ないから。
たしかに比較項目をこと細かに見てみれば
- 電波のカバー範囲が・・・
- SIMカードのサイズ展開が・・・
- 月額料金が50円安い・・・
- バースト通信が・・・
などいろいろありますよ。
しかしこれら、マジョリティにとっては細かすぎるんです。
マジョリティは「比較=めんどい」と思っています。
比較項目を細分化すればするほど、マジョリティの頭のなかは「なんかめんどくなってきた」「で結局どれ選べばいいの?」となっていくんです。
マジョリティに刺さる「売り文句」とは
数ある格安SIMの特性の中で感覚的にマジョリティに刺さりそうな差別化要素といえば
- 特定サービスのデータがノーカウントになるか
- 新しいスマホを安く買えるプランがあるか
- 月額料金がどう違うか
くらいじゃないでしょうか。
実際にいわゆる「マジョリティ」層と呼べるぼくの妻や実家家族に格安SIMの話をしても、一発で通じるのは上の3点くらいですし。
つまり「サービス内容」という点でマジョリティに違いわかってもらえるのは、上の3点を持ち合わせている事業者に絞られるのでは、と思っています。
格安SIMが選ばれる際に最も重要なもうひとつの指標
一方、マジョリティが商品やサービスを選ぶ際に大事にしているもうひとつの指標があると考えています。
それは「主観的な信頼」です。
商品やサービス、それらを提供する事業者がその人個人にとって信頼できるか
「客観的な信頼」と「主観的な信頼」
「信頼」は古今東西いかなるときも、一番大事で強い差別化要素です。
信頼される理由には2つの種類があるとぼくは考えています。
- 情報に裏打ちされた客観的な信頼
- 体験に裏打ちされた主観的な信頼
格安SIMで言えば、比較サイトに載っている数字やサービス内容など、事実・証拠・数字に基づいて信頼されるのが前者です。
耳目に触れた情報に基づき信頼するかを判断するというもので、情報の多い現代においては主要な信頼獲得手段である一方、移ろいやすいものでもあります。
一方、体験に裏打ちされた主観的な信頼とは「実際に自分が使ってみてよかった」「自分が信頼している人がそう言っている」というように、自身の主観に基づいてものごとを信頼することを指します。
要するに何かを聞いたとき、何を言っているか(情報の内容)で信頼するか、誰が言っているか(情報の発信元)で信頼するかの違い、というとわかりやすいでしょうか。
「主観的な信頼」はマジョリティにとって非常に強い差別化要素
さて、ではマジョリティにとって
- 情報に裏打ちされた客観的な信頼
- 体験に裏打ちされた主観的な信頼
どちらの方が強く作用するでしょうか。
言うまでもなく、後者です。
なぜならばマジョリティのほとんどは「比較はめんどい」と思っているため。
実際に自分が体験して学んだ「信頼」を外部からの情報(比較など)によって書き換えること自体、マジョリティにとっては面倒くさいし、ともすれば受け入れがたいものにもなります。
マジョリティをつかみにいくにあたり、「主観的な信頼」はそれほどまでに強い差別化要素になると言えます。ロイヤリティと言い換えてもいいかもしれません。
「主観的な信頼性」を勝ちえた事例:MERY
わかりやすい例がMERYです。
著作権の扱いやコンテンツ制作プロセスなどの点で大炎上した結果、全記事非公開まで追い込まれたMERY。
一方でMERYを日常的に使っていた層、おそらくマジョリティであろう女の子たちから「MERYがなくなって寂しい」という声があがりました。
実際、Google検索で「MERY」と入力するとサジェストに「MERY 代わり」と出てきます。
マジョリティがMERYを、そしてMERYのような主観的に信頼できるメディアを求めている何よりの証拠だと思います。
運営手法やコンプライアンスの観点はさておき、マジョリティ層であろう彼女ら個々人からMERYは「主観的な信頼」を勝ちえていたのです。
LINEモバイルとはマジョリティにとってどのような存在か
ここでようやく、LINEモバイルが登場します。
LINEモバイルとは、LINEが運営する格安SIMサービスです。
いろいろある特徴を3つにまとめるとすると、
- LINE、Facebook、Twitter、Instagramで使うデータ量がノーカウントになる
- 格安SIMの中で唯一、LINEの年齢認証が正常にパスできる
- 業界最安値水準の料金体系(音声通話、SMSオプションあり)
という感じでしょうか。
詳細は下記公式サイトからどうぞ。
サービスインは2016年9月と、格安SIM界ではかなりの後発組であるLINEモバイル。
今後の格安SIM界の動向を決めるマジョリティにとって、LINEモバイルは一体どのような存在なのでしょうか。
「LINE」はいつもあなたのそばにいる
LINEという名前。
スマホユーザのほとんどが何度も目にしたことがあるほど、「LINE」は非常に強いブランドとなりました。
誰かにメッセージを送るときはLINE。通話もLINE。ゲームだってLINE。支払いだってLINE(LINE Pay)。
最近はLINEブログというサービスもはじめまりました。
スマホユーザ、特にマジョリティにとって「LINE」はいつもすぐそばにいる相棒のようなもの。
自分を楽しませてくれる、便利なサービスを提供してくれる。
「LINE」はそういうものである。
つまり「LINE」という存在(ブランド)自体はすでにマジョリティから認知されており、さらに「主観的な信頼」を勝ちえているといえます。
「LINEのやつ?じゃあそれにする」現象が起こる
すると、こういうことが起こります。
「スマホ代、安くしたいよね」
「格安SIMってのがあるらしいね」
「いろいろあるみたいでよくわからない」
「LINEのやつがあるの?じゃあそれにする」
きちんと比較検討するタイプの人からすると「ちょっとまて!」と言いたくなりますよね。
もう少しちゃんと比較して選べよと。
でもマジョリティにとってはこれが正しい選択なんです。
細かい情報はマジョリティにとってノイズであり、考えるに値しない無意味なものなんです。
運営会社についても同じ。
資本関係がどうとか、別事業で著作権侵害まがいのWebサイトも運営してるとか・・・
そんなことは主観的にLINEを信頼しているマジョリティにとっては関係のないことなのです。
LINEモバイルが格安SIM界で最強と言い切れる理由
以上の考察から、LINEモバイルが格安SIM界でマジョリティをおさえ最強の座につくと言い切れる理由を述べます。
圧倒的な「LINE」ブランド
LINEモバイルは、すでに確立された圧倒的な「LINE」ブランドを利用することで、はじめからマジョリティを面でおさえにかかることができます。
知ってもらい、信頼を得るというプロセスをすっ飛ばし、大多数のスマホユーザーからすでに「主観的な信頼」を得ている。
つまりLINEモバイルは「LINEが運営している」という時点でマジョリティにとっては第一の選択肢となりえます。
これは他社にはマネできない、ものすごい優位性です。
マジョリティに刺さる差別化要素をすべて網羅
とはいえ、ブランド力だけでマジョリティを取り込みきるには無理があります。
本記事の前半でご紹介したマジョリティにも刺さる差別化要素も忘れてはいけない大事な要素だからです。
- 特定サービスのデータがノーカウントになるか
- 新しいスマホを安く買えるプランがあるか
- 月額料金がどう違うか
ところが実はLINEモバイル、これらの要素もしっかりカバーしています。
- 主要SNSで使うデータ量がノーカウント
(例:LINE、Facebook、Twitter、Instagram) - 人気スマホを割引で買えるキャンペーンやプランを準備
(例:人気のミッドレンジが5千〜1万円引き) - 業界最安値水準の月額料金
(例:音声+データ3GBで1690円)
LINEで主に連絡を取り、FacebookやTwitterを駆使し、Instagramで画像メインのコミュニケーションを楽しむ。
そんなマジョリティにとって、これほどまでに魅力的な「データ量ノーカウント」はありません。
またゴリゴリの3DCGのゲームをやりこむようなことのないライトユーザの多いマジョリティにとって、スマホの性能はミッドレンジで必要十分。
性能そのものより、写真や動画がキレイに撮れることがはるかに重要です。
月額料金も、めんどくさい比較をわざわざするほどの差はありません。
月3GBのプランであれば、ぼくが使っている、かつ最安値だと思っているDMMモバイルと同じような条件で、たった月額90円しか違わないのです。
料金の詳細は下記公式サイトから確認できます。
他社には絶対にマネできない、LINEモバイルならではのサービス
LINEモバイルは、他の格安SIM事業者が絶対にマネできないサービスを持っています。
それが、LINEのデータ通信ノーカウントと、LINEの年齢認証パスの2つです。
LINEのデータ通信がノーカウントになる
LINEモバイルは、格安SIM事業者のなかで唯一、LINEで使うデータがノーカウントになります。
- トーク機能のご利用
- テキスト及び音声メッセージの送受信
- スタンプ、画像、動画・その他ファイルの送受信
- 無料通話、ビデオ通話
- タイムライン機能のご利用
- 画面閲覧、投稿(画像、動画含みます。)
- その他のご利用
- スタンプ、着せ替えのダウンロード
- アカウント設定に関わるご利用
- 友だち一覧画面の表示、友だち追加
- 「その他」画面の表示
(出典:カウントフリー機能に係る説明書)
この中でも特に重要なのがこちらの2つ。
- LINEトークで画像や動画のやり取り
- LINEでの音声通話やビデオ通話
スマホでのやりとりは基本LINEでやる人、つまり多くのスマホユーザーにとって、こんなに魅力的なデータノーカウントはありません。
たとえば、ぼくも子供の写真や動画をLINEトークで妻と共有しており、かなりデータを使っています。
子供の写真ですから、なるべくキレイなデータを残しておきたいもの。なので必ず「オリジナル画質」で送っています。
ただ、これをオンにすると写真のデータ量が10倍くらいになるんですよね。
- デフォルト画質:100〜200 kB
- オリジナル画質:1,000〜2,000 kB
解像度の高いキレイな写真を送っているのでデータ量が増えるのはあたりまえ。
しかしこの10倍にふくれあがったデータも、LINEモバイルならデータ量のカウントフリーに含まれます。
つまりデータ量を気にせず「オリジナル画質」で写真が送り放題ということ。これは嬉しい。
また音声通話やビデオ通話のデータ量ノーカウントも嬉しいですね。
「本当は電話で声が聞きたいし、顔を見ながら直接話したい。けどデータ量が気になって・・・」
なんていう人にとって、LINEモバイルは救世主になりえます。
LINEの年齢認証パスが使える
格安SIMを使う際、マジョリティにとって最も大きな障壁となりうるのがLINEの年齢認証です。
LINEモバイルは格安SIMの中で唯一、LINEの年齢認証が正常にパスできます。
3大キャリアを使っていたらできて当然のことなんです。
しかしこれまでの格安SIMでは、LINEの年齢認証が通らず、ID検索その他便利機能が使えませんでした。
いつも使っている機能に制約がかかることの精神的な障壁は、想像以上に強いもの。
特にLINEにどっぷり浸かったマジョリティにとって、LINEが「普通」に使えることは非常に大事なんです。
LINEで使えるポイントがたまる
LINEモバイルは月額基本使用料の1%がLINEポイントとして還元されます。
そもそも料金が安いので、月額基本使用料の1%となると月に10〜30円くらい。
しかし「何ヶ月かに1度、有料のLINEスタンプが無料でもらえる」と捉えるとマジョリティにとって「なにそれ超おトクじゃん」となる気もします。
LINEでサポートしてくれる公式アカウントの存在
またLINEならではの点としてLINE経由でLINEモバイルのいろいろな情報がゲットできるという点も特徴的。
LINEを主なコミュニケーション手段に使っているマジョリティにとって、LINEでいろいろできるという事実はとても大事なポイントです。
実際、月の残りデータ容量を確認するためにわざわざ専用アプリを立ち上げるなんて面倒ですよね?
公式アカウントに話しかける方がはるかに楽ちんですよね。
いつも使っているLINEが何かをするときの窓口になるのは便利です。
あって当たり前系のサービスももちろん網羅
その他にも
- docomoと同じ通信エリアをカバー
- 子供むけのフィルタリングサービス
- LINE意外経由のサポート窓口
など、あって当たり前系のサービスとサポートも展開ししています。
その他サービスの詳しい話は公式サイトでわかりやすく解説されています。
LINEモバイルは格安SIM界を席巻するに足る最強の存在
以上のように、今後の格安SIM界の動向を左右するボリュームゾーン消費者であるマジョリティ層を面で取りに行く武器をもって、格安SIM界へ正面から殴りこみにかかったのがLINEモバイルです。
マーケット状況とカタログスペックを考えると、他社に負けようのない圧倒的な格安SIMサービスと言えるのではないでしょうか。
LINEモバイルが最強の格安SIMでなくなる可能性は?
とはいえ、LINEモバイルが競争に負ける可能性もなくはありません。
いくら強いサービスとはいえ、あらぬリスクを踏んでしまえば一気に転がり落ちる可能性があるからです。
現時点で見えているのは
- 通信帯域の問題:ユーザが多すぎて通信が遅くなる
- 信頼失墜:LINE株式会社に対する信頼の喪失(他事業の煽り)
くらいかなあと思います。
通信帯域の問題
通信帯域とは、要するにデータ通信速度のことです。データを流す線の太さとイメージしてもらえればよいかと思います。
ユーザが増えすぎて通信帯域が逼迫し、データ通信が遅くなる。要するに、年末〜正月に起こるデータ遅延がずっと起こってしまう。
これは人気の格安SIM事業者であれば一度は直面する問題です。
なぜ格安SIMは一度、通信が遅くなる時期がくるのか
格安SIM(MVNO)事業者は、月にどのくらいのデータを通信するかキャリア(もしくは下位のMVNO事業者)と契約しています。
データ通信容量に枠があるんですね。
サービス開始直後で契約者が少ない場合、枠は余っているので通信は高速のままです。
しかし契約者が増えてくると枠はどんどん埋まります。
一人あたりに割りあてられる枠が減り、通信速度が遅くなっていってしまうのです。
道路に例えるとわかりやすいですよね。
空いているとスイスイいけるのに、渋滞するとまったく進まない。
これと同じことが格安SIMでも起きるんです。
格安SIM事業者が通信速度の谷を超えるための選択
ここで格安SIM事業者が取りうる選択肢は2つ。
- リーズナブル路線:
枠は広げず、遅い通信速度でガマンしてもらう。嫌なら去ってもらう - ビジネス拡張路線:
枠を広げる。そのためにより多くの契約者を獲得に走る
前者は、こじんまり細々と続けるというポジションへ向かうもの。
格安SIM事業は安定して小金を稼ぐビジネスとして位置づけ、目立った投資はせず現状のサービス内容を低コストで維持継続していくスタンスです。
したがって「画期的な新サービス!」なんてものとは疎遠になっていきます。
後者は、市場のシェア獲得に向かうもの。
より大きなこと、新しいこと、便利なこと、利用者にとってメリットのあることを追求しながら他社と競い合っていくスタンスです。
競争の中に身をおくぶん、「よりよいサービス」が誕生しやすいサイクルに入ります。
どちらを選ぶかは、格安SIM事業者のビジネスプランやビジネスポートフォリオに依存します。どちらが正しいかに唯一の答えはありません。
問題はそもそも「通信速度の谷」という大きな課題を乗り越えてられるかです。
通信帯域枠への投資しないと通信品質が下がりユーザ離れを起こす。
しかし投資しすぎてユーザ数がついてこないと利益が圧迫されてしまう。
通信速度の谷を超えるには、コストと品質の絶妙なバランスポイントを丁寧に探る運営側の技量が求められます。
IIJmioなど長く生き残っているメジャーな格安SIM事業者は、この「通信速度の谷」という課題を乗り換えて自社の通信枠と契約者数のバランスポイントを見極めているはずです。
LINEモバイルは「通信速度の谷」を乗り越えられるか
2016年12月現在、LINEモバイルは非常に通信速度が速いことで有名です。
参考:「LINEモバイル」と「mopera U」の首位争い! 2強が抜きん出る――「格安SIM」19サービスの実効速度を比較(ドコモ回線11月編) (1/2) – ITmedia Mobile
これは、2016年9月にスタートしたサービスであり契約者数がそこまで多くなっていないこと。
つまりLINEモバイルが準備している通信枠に対し、利用者数がまだ少ない状態であることが理由だと予測できます。
したがってLINEモバイルが通信帯域の谷を経験するのはこれからといえます。
先に述べたとおりLINEモバイルはマジョリティに対して面でアプローチをかけられるため、遅かれ早かれ多くのユーザがLINEモバイルに流れます。
準備した通信帯域の枠は埋まっていき、速度に影響が出始めるのも時間の問題でしょう。
そのときLINEモバイルが「通信速度の谷」を上手に乗り越えられるのか?
乗り越えられたとして、LINEモバイルをコア事業と位置づけたうえで、ビジネス拡張路線に舵を取るか?
それとも格安SIM事業は儲からない(下記ツイート参照)と切り捨て、リーズナブル路線に向かうのか?
DMMモバイル始めてはや1年。売っても売っても、もうかりましぇ〜ん!
モバイルで獲得したユーザーは、思ったより他サービスを使ってくれない。客寄せタマゴだけ買われるスーパーの気持ちがわかるよ〜!(…https://t.co/ZiYOGJuFVy #NewsPicks
— DMM会長 亀山敬司 (@kameyama66) January 19, 2016
2016年12月時点でのポジショニングとサービスのカタログスペックでは、他社の追随をゆるさない圧倒的な存在感を放つLINEモバイル。
今後の舵の切り方によって格安SIM界の最強の座に居続けられるかどうかが決まるのではと思います。
ただし、ユーザからの「LINEブランド」への信頼を損なわないことはLINE陣営にとって最優先事項のはず。
そのため多少投資がかさんでもユーザの満足度を満たしながら「通信速度の谷」も乗り越えていくだろうと思います。
信頼失墜によるLINEブランド喪失の可能性
ユーザからの「LINEブランド」への信頼が最大の武器であり、それを失うのはLINEにとって一番の損失であるはず。
その信頼が失墜の可能性は果たしてあるのでしょうか。
LINE株式会社はいわゆる「LINE」シリーズのサービス以外に、「Naverまとめ」「Livedoor」という別ブランドの事業も運営しています。
Naverまとめは著作権まわりで炎上中
このうちの1つ、「Naverまとめ」が一部で著作権侵害の温床になっているという批判が集まっています。
- LINEがNaverまとめの著作権侵害やめないならBLOGOSへの転載とメルマガを止めようと思う | More Access! More Fun!
- クマムシ博士はLINE株式会社に抗議します – クマムシ博士のむしブロ
- 著作権侵害サイト NAVERまとめ の問題点を整理しよう – 望月いちろうのREADME.md
この構図はWELQを皮切りにMERYをはじめとしたキュレーションメディアが倒れ、胴元のDeNAまでキズを負ったという一連の流れを思い出させるものです。
Naverまとめへの批判がLINEへ飛び火したら
もし「Naverまとめ」を皮切りにLINE株式会社、そして「LINE」ブランドへキズがつくようなことがあったとしたら?
マジョリティのLINE関連サービスに対する動きは
- もう使っているものはやめられないから続ける
- でも「LINEだから」だけで信頼はしない
となる可能性があります。(もちろん何割がそうなるかは未知数ですが)
一番の武器である「圧倒的なLINEブランド」を損ねると、おそらくLINEモバイルは新契約獲得に苦労するでしょう。
「Naverまとめ」問題の取り回し、LINE株式会社の今後の対応に注目です。
と言いながら、先に述べたようにマジョリティからの「主観的な信頼」は固いもの。
粉飾決算や犯罪レベルの悪質な事件が起こらない限りは大きな影響はないかと思います。
まとめ:LINEモバイルは格安SIM界では圧倒的に強い
以上、LINEモバイルが格安SIM界で最強と言い切れる理由について
- 格安SIM(MVNO)業界の現況
- 今後を左右するマジョリティ層の性質
- マジョリティにミートするサービス内容と有意性
といった点から解説してみると同時に、将来最強の座から陥落するリスクについても触れてみました。
この記事書くため、様々な格安SIMのサービスを調べ回りました。
結論としては特にこだわりがないならLINEモバイルを選んでおけば間違いありあせん。
特にLINEで写真は動画をやりとりすることが多い人はLINEモバイル一択でしょう。
2016年3月31日まで、9GB(3GB×3ヶ月)のデータ増量キャンペーンを実施中です。
ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。