こんにちは!かきたろー(@kakitaroo_)です。
私は現在20代前半、ゆとリーマンです。株式投資を始めてもうすぐ2年になります。
退場(資金がなくなって投資から離れること)はまだ経験ないですが、ぎりぎりのところまでいってしまったこともあります。
無知なくせに調子にのって今まで400万円負けています。
その失敗談を振り返りながら、シリーズとして書いていきたいと思います。
お金の出どころ
親は投資を始めることに寛容で、20年後に返すという約束のもと300万円借してくれました。進学はしませんでしたが、大学院に行っても大丈夫なように貯めておいてくれた大切なお金です。あと17年で、取り戻さねば…。
タイトルと100万円差があるのは、自分のお金も追加したからです。
これから失敗談(成功談もあるかも)を書いていきますが、時系列ではないのでご了承ください。
アキュセラ・インク
昔々あるところにアキュセラ・インクという会社がありました。(現在は上場廃止)
創業者は日本人ですがアメリカにある企業で、目薬を開発する創薬ベンチャー企業です。
アメリカの会社なのに日本株として取引できるちょっと変わった会社でした。(詳しい経緯は知りません)
最初は現物取引のみだったのですが、あるときから信用取引(3倍界王拳のようなもの)ができるようになりました。これがあの悲惨な事件に拍車をかけるのです。
加齢黄斑変性症の治療薬
加齢黄斑変性症(AMD)という、アメリカでの失明原因第1位(日本3位)の眼疾患があります。アメリカでの患者数は1000万人超といわれており、高齢化とともに増えています。(日本は100万人弱)
2種類の型があって、現在「ウェット型」は進行を抑える治療法しかなく、「ドライ型」は進行を抑える方法すらもなく、難病指定されている治らない病気です。
アキュセラは、この「ドライ型」を治す薬を開発していました。(他の薬も開発していますが、これが1番期待されていた)
「エミクススタト塩酸塩」という名前で、臨床第2b/3相試験まで進んで治験成功まであと少しというところでした。
成功すれば世界で唯一の治療薬となり、市場を独占するわけですから投資家の期待も高まります。
2015年の秋頃から株価は右肩上がり。そのころの株価は700円台でした。
信用取引解禁
アキュセラは米国企業ということもあり、最初は現物取引(自分の持っているお金の分だけ取引できる)のみでした。
ところが2016年4月に信用取引(持っているお金の3倍まで取引できる)が解禁されます。ハイリスク・ハイリターンということです。
これによってさらに株価は上がります。
さらにアキュセラの大株主である、SBIホールディングスのCEO北尾氏がTwitterで煽りまくります。
完全にポジショントーク。証券会社の社長がそんなことしていいのか?と問題視されていました。
アキュセラショック
急騰からの急落
2016年5月25日前場(午前中)、アキュセラの株価は上場来高値7,700円をつけます。数日前まで4000円台だったのに3〜4日で急騰しました。
しかし、昼休みが終わって後場に突然急落し、ストップ安で引けました。
悪材料は何も出てないのに、何が起こったのかわかりませんでした。
治験失敗IR
翌日26日の午前7時、「治験失敗しちゃった〜」というIR。
前日の急落は事前にこの情報を仕入れた人たちによる売りだったことが想像できます。インサイダー取引というやつです。
市場が開くのは午前9時で、8時から注文を出すことができます。26日は8時の時点で売りが殺到。その時点で寄らずのストップ安(値幅の下限でも買いたい人が少なすぎて売れない状況)がほぼ確定でした。
そしてその通りストップ安で引けました。
6連ストップ安
そこから6日間、一度も寄らずにストップ安張り付き。逃げられない。
ようやく寄った株価は1,100円。
1単元100株なので、「77万円だったものが、11万円になるまで手放すことができない状況」でした。
ちょっとでもチャートのことを知っていれば、どれほど恐ろしいかわかると思います。
こうして市場に新たな歴史を刻みました。
私のポジション
このアキュセラショックで大損害を被った人は数多くいると思います。
私は幸いなことに1000円台、2000円台、4000円台で現物を複数買っており、含み益は2倍以上、そのうちいくつかは高いところで利益確定もできていました。信用でも5単元買ったら翌日に500円上がって一晩で25万円儲けるなど、アキュセラではそこそこ儲かっていました。
しかしそこで調子にのって、「まだ上がる」「治験成功したら株価10,000円越え」と欲をかいて保有し続けた結果、儲けた分を全て吐き出すことになってしまいました。
アキュセラだけの収益はプラマイでいうとトントンくらいなのですが、一度儲かったお金はもう自分のお金なわけです。
損失を取り戻す形でのプラマイゼロならいいですが、逆だと気持ちの持ちようが違うのです。「損した」という気持ちが強い。アキュセラ以外の株では損していたりして、全体ではいい成績とは言えませんでしたし。
最終的に現物で3単元持っていたので、231万円が1週間で33万円になりました。
お金がみるみるうちに減っていくのは、精神的にかなりきつかったです。
というわけで、市場の歴史に残るアキュセラショックのお話でした。
今後もいろんな思い出を書いていきます。(まだまだある)
未経験の人にこんなこともあるんだ、って知ってもらえるといいかなと思います。
教訓
- バイオ株は失敗したときが恐ろしい
- 著名人が煽りまくる株はあやしい
- 初心者は急騰株を買い増すな
- 連続ストップ安で逃げられないこともある
*投資の教科書にはしないほうがいいかも。