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zoom RSS 大阪を右翼に染め上げた「そこまで言って委員会」と「芸人信仰」

<<   作成日時 : 2016/12/14 01:12   >>

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 最近、戦前の明治時代から敗戦まで続いた近代天皇制軍国主義体制下の
教育らしきものを幼稚園児に叩き込む大阪市淀川区の塚本幼稚園、さらに
豊中市にその上の小学校などを同一法人が設立予定だという。オイスカに
よる軍国的スパルタ教育の学校の例はあるにせよ、幼稚園児にまで露骨に
戦前の軍国主義の時代をそのまま再現したような「教育」を行った例はさすが
にない。それが本来はもう死語とはなったが、「革新」のメッカだった大阪にお
いて発生したのだ。東大阪市の日本会議支部は日本最大の支部であるとも
に日本会議系教科書採用、育鵬社の問題も発生し、結果として大量採択とな
っている経緯もある。それにしても幼児教育の観点から真になすべき情操教
育、ヒューマニズム、社会生活への対応よりも明治以降、敗戦までの軍国主
義の愚劣なアイテムを子供たちに叩き込んでの教育の冒涜は言語道断と言
うべきである。

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 ここで大阪の右傾化がなぜ起こったか、大阪に限定しないなら日本会議の
跳梁と自民党との一体化が挙げられるが、大阪に限っての右傾化の要因は
何であったのか、・・・・それを考えると日本の右傾化を先導、扇動したと思わ
れる要因も浮かんでくる。下積みの人々が多く在日も多いこの地域がなぜ、か
くも右傾化を極めたのか。・・・・・・そこには思いもかけない要因が浮かび上が
ってくる。

 一つには大阪人が地元の芸人、芸能人の影響を受けやすいという点が指
摘できる。首長、県知事レベルの芸能人出身者は千葉県などにも例もあるが
基本的には一般的とはいえない。あくまで実務的な職務であるからだ。

 ところで大阪府知事としてはそれまでの慣例からして超例外的なケースが
横山ノック(山田勇)である。もちろん、長く参議院議員を務め(全国区)た実績
もあったが参議院の選挙制度変革もあってかどうか、大阪府知事にターゲット
をしぼった。岸昌のあと、副知事の中川和雄、これは一期。その次の大阪府
府知事候補で中央官僚の大阪外大出(大阪外大の中央官僚も珍しいが)の
官僚が担がれた。ここで大阪の芸人が一斉にノックの応援を行った。

 「このままだと中央の官僚が大阪府知事になります!」と選挙応援を芸人た
地が街頭で行った。

 この時点では大阪人の反官僚、反中央という革新性が顕著に出ていたと
いえる。だが、ここで大阪の芸人の考えに左右されやすい、という大阪民衆の
気質も伺える、・・・・・・実はこれがその後の大阪の極右化を招く思わぬ要因
となった。

 横山ノックは将来の助平根性のため第二期当選間もなく強制わいせつで
取り調べを受け、大阪府庁は家宅捜索を受けた。ここに横山ノックは失墜した。
その後の大阪府知事は通産省出身でそのキャリアを買われて岡山県副知事
となった太田房江、・・・・大阪府知事に転身したといえる。従来の高学歴の身
元が確かな人物が大阪府知事になるという、慣習が戻った感があった。だが
ある種の慣習の瓦解は始まっていた。太田房江ですら大阪府知事退任後は
芸能人の道に入ったのである。

 2003年から読売テレビでレギュラー番組となった「そこまで行って委員会np」
この番組の存在が大阪の右傾化を決定的とし、ない現在進行形である。

 芸人の考えに染まりやすい、大阪人にその傾向があることは確かである。と
いってそれまで大阪の芸人が政治に口出ししたことは横山ノック以外に存在は
していなかった。

 ただノックが大阪府知事になる以前、読売テレビ製作の昼の番組でノックと
、やしきたかじんが二人で司会をやっていたことがある。その後の、すでに、な
にやら前兆めいたものはあった。

 やしきたかじん、・・・・この大阪芸人、歌手が司会の「そこまで言って委員会
np」が大阪人を洗脳したと言って何の過言でもない。一貫しているのは圧倒的
多数の右翼論客、製作者の意図を汲んで出演の大阪の芸人もこの番組では
立派な右翼論客となって中国、韓国、リベラル、左翼を徹底的に罵倒した。それ
に同調の相槌と誘導の「やしきたかじん」である。右翼論客や読売テレビの製作
意図を読み取った芸能人たちが嫌韓がベースの韓国、中国、また左翼などへの
攻撃をまくし立てて自民党政権を擁護するという「放送法」に明らかに違反する
悪質な扇動番組と言える。

 「そこまで言って委員会」とは端的にいえば、右翼的、国家主義的な発言を
「そこまで言っていいんかい」がコンセプトの読売テレビが制作する右傾化誘導
番組であり、早い段階から安倍晋三とのつながりが深かった。

 関東圏以外での放送である。視聴率は高い。保守、右翼論者が圧倒的に多
く出演する。リベラルは一人程度である。明らかに製作者の意図が感じられ、
露骨である。基本的に国内、国際の政治、経済の話題が多い。リベラル、中国、
韓国、左翼への批判抽象的な内容が、かなり刺々しく語られる。出演者の竹田
恒泰は皇室問題や憲法、時事問題などについて講師を務め、「竹田研究会」な
るものを全国で開いている。全国を回る保守、右翼学習会である。

 大阪人を洗脳もしたが。ここから生まれたのが橋下徹である。右翼スタンスの
改革的傾向を持つということで、やしきたかじんなどに洗脳された大阪人には、
まさに英雄が降って湧いたように熱狂的に受け取られた。これが最終的に大阪
の右傾化を決定づけたといえる。安倍晋三もよく出演し、いかにも、にこやかな
表情で話をしている。たかじんに政治的思想、信条があったとは、思いにくい。
タレントはテレビに出してもらえるなら製作者の意図に迎合してカメレオンのよう
になんとでも変わる、「そこまで言って」に出た朝丸を見ても分かる。

 さらに大阪には地方紙がない。地方紙は共同通信系列でおおむねリベラル
である。だが、ここで大阪の地方紙的存在が実は右翼新聞の産経である。
大阪でも宅配で産経を取っている家庭は稀でも、夕刊フジは売れ行きは高い。

 ともかく自民党と通じた読売テレビの意図的な制作意図に基づく、右傾化へ
の扇動番組の「そこまで言って委員会np」、その司会のやすきたかじん、さら
に夕刊フジなどの産経系新聞、出版物、・・・産経は全国誌というより大阪の
地方紙というべきである。大阪の特異性であろう。

 つまり大阪は本来、公明党、共産党、さらには民社党が強く、自民党など
衰微の一途だったが、・・・・・その保守化、右傾化の発端はどこに求められ
るだろうか。

 @読売新聞が、読売新聞大阪本社の関西新空港誘致を目指した「関西の
復権」大キャンペーン、そのための保守系の岸昌(当初は革新!を名乗って
いた部分もある)が大阪府知事に当選した。

 しかし大阪人の反中央、反官僚の姿勢は顕著で岸退任後、一期務めた中井
和雄の次の不知事選挙で、芸能人の横山ノックを当選させた。

 Aノックの自滅後、通産官僚出身で岡山県副知事の太田房江が当選した。
完全に保守系、経済発展路線であり、シャープの「液晶コンビナート」を堺に
「誘致」したともいわれる。

 B大阪府民、右傾化のターニングポイントは大田府知事時代にある。
日本会議が活動を本格化させる時代背景のもと、2002年から読売テレビ
で明確に右傾化を製作目的とする「そこまで言って委員会」が特別番組と
して始まり、2003年からレギュラー番組となった。やしきたかじんの司会が
大阪人にっp聞くアピールした。

 C2004年、太田房江は江本孟紀の挑戦を一蹴して再選された。ここに
おいて大阪府民は「そこまで言って委員会」の洗脳効果もあり、保守化が
著しく、江本孟紀はまったく完敗だった。

 5「そこまで言って委員会np」の中から橋下徹が発掘!された。この右翼
的改革の保守的立場に大阪府民は虜となり、番組に時に出演の安倍晋三
の影響もあり、ほぼ右傾化路線の洗脳が完成した、といえる。

 大阪人の庶民性、反権力性、反官僚、反中央という心情は右翼的改革
という橋下徹、司会のやしきたかじんへの親しみと共感の感情から、、いと
もたやすく韓国、中国、左翼、リベラル憎悪という国家主義的心情に転化
してしまった。大阪は右翼的な土地柄とはいえないが、逆に右翼扇動を策
するメディアの本拠が存在していた。読売新聞大阪本社や読売テレビ、産
経新聞である。それらが大阪人の心理を巧みにつき、まんまと右翼的地域
と大阪を変貌させることに成功した。

 いまや大阪は日本全体の右傾化の発火点であり、その推進力となってい
ることは紛れもない事実である。今後の推移を十分に監視する必要があ
ろう。


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