週末に、取引先の方達と一緒に会議をしていました。
会議が終わった後、皆で食事に行ったのですが、そこでも会議の延長のような議論がしばらく続いてしまいました。
時間が経つにつれ場の空気も和んでいったので、そろそろお開きにしようと思い、年長者に「手締め」で宴会を締めてもらいました。
そんなことがあったので、今日は「手締め」について書いてみたいと思います。
「手締め」「手打ち」とは
宴会や会合、お祝いの席などがお開きとなる際、掛け声とともに手拍子を打つことを「手締め」と言います。
関西では、「手打ち」と表現することも多いようです。
大抵は
「皆様、お手を拝借」
などと言って、これから手締めを行うことを参加者に促し
「イョーオ」
と掛け声をかけます。
ちなみに、手締めの音は「パンパン」や「ポンポン」ではなく、「シャンシャン」と表現するものとされています。
「イョーオ」の掛け声の後に
「シャンシャンシャン、シャンシャンシャン、シャンシャンシャン、シャン」
と10回手拍子を打ち
「ありがとうございました」
といった挨拶で終わることが多いと思います。
手締めの意味
手を叩くのは、てのひらを広げて拍手することで、武器を隠し持っていないことを表現するためだとされています。
宴会や商談、交渉が無事に成立したことを、参加者全員が平和に祝うためには、てのひらを見せるのが良かったんでしょうね。
また、昔は神前で誓いを立てることもありました。
互いの誓いを神に宣言するため、拍手で神を招きよせようとしたものだとも言われています。
一本締めでは、「シャンシャンシャン、シャンシャンシャン、シャンシャンシャン、シャン」と、手を10回叩きます。
シャンシャンシャンを3回打つと、合計9回拍手したことになります。
9は漢字で書くと「九」。「苦」という字と読み方が同じですね。
その「九」に1つ点を加えると、「丸」になります。
参加者全員で、今まで一緒に苦労しながら交渉や契約を進めてきたからこそ、こうして手締めができる状況になりました、という「丸く納まった」の意味を込めるために、もう1回拍手を加えて10回になったとされています。
手締めの種類
「イョーオ、シャン」
と、1回だけ手を打つのが「一本締め」と思われている場合が多い気がします。
正しくは「一丁締め」もしくは「関東一本締め」と言います。
手締めには種類があり、地域独特の手締めもありますので、それぞれの違いをまとめてみます。
一丁締め
「関東一本締め」とも呼ばれています。
「イョーオ、シャン」
と、1回拍手するだけで終わる手締めです。
一本締めや三本締めを簡略化したものなので、結婚式やフォーマルな祝い事ではふさわしくないとされています。
また、一丁締めが終わったら、音頭を取った人が「ありがとうございました」と言うのが一般的だと思います。
一丁締めの後は、拍手をしてはいけないとされています。
拍手をしてしまうと、一度締めたものがまた開いてバラバラになってしまうとされているのが理由だそうです。
なので一丁締めが終わって、「ありがとうございました」と音頭を取った人が挨拶したら、参加者も合わせて「ありがとうございました」とあいさつするのが正しいとされています。
でも何だか、凄く違和感を感じてしまうのは私だけでしょうか。
一本締め
三本締めを省略して、1回だけ「3回、3回、3回、1回」の拍手をする手締めです。
一丁締めとは違い、「ありがとうございました」の後に拍手をしても良いとされています。
三本締め
「3回、3回、3回、1回」の拍手を3回繰り返す手締めです。
一本目は主催者へ向けた感謝。
二本目は参加者全員へ向けた感謝。
三本目は行事そのものや、参加できなかった人へ向けた感謝の手締めと言われています。
上り(のぼり)締め
「3回、3回、3回、1回」の拍手を5回繰り返す手締めです。
打つ指の本数を1本ずつ増やしていきます。
最初は人差し指のみで打ち、次に中指、薬指、小指、てのひら全体(親指)と増やしていきます。
どんどん音が大きくなっていくので、末広がりで縁起の良い手締めと言われています。
地域独特の手締め
三本締めや一本締め、一丁締めは、「江戸締め」とも言われています。
テレビなどの影響で、江戸締めが全国共通の手締めスタイルになりました。
江戸締め以外にも、
「大阪締め」
「伊達の一本締め」
「博多手一本」
「川越締め」
「秩父締め」
といった様々な手締めがあります。
ごく最近にも「名古屋ナモ締め」という手締めが考案されたようです。
どんな手締めをするにせよ、めでたい席を皆で祝おうという気持ちが大事なのかもしれませんね。
手締めの掛け声「イョーオ」は、「祝おう」が転じたものだとされてますから。