2017-02-24

私の好きな東京

20年ほど前、編集者淀川美代子さんのコラムを読んだ。叔父である映画評論家淀川長治さんにとって、日本随一の女性であるanan』の編集長をしていた美代子さんは自慢の姪だったそう。しかし、美代子さんは手腕を買われ新雑誌編集長担当することになる。それを床に伏す叔父に話すと、残念がったという。しかし、新雑誌GINZA』の名前を聞いた長治さんは「宝石を散りばめたような綺麗な名前やなぁ」と言ったという。

私にとっての東京はまさにそれだった。大きな建物ビルジングとビルヂング共存する。昼間働く街は夜には静かになり、繁華街は絶えずキラキラとしている。大手町駅で下車し、地上に上がり、ビルの連なる東京らしい風景の中に立ち、ふいに淀川美代子さんのこのコラムを思い出した。

ビルは闇の中で光輝き、お堀の水面に美しく浮かびがあがる。高い高いビルの中からすーっと現れる東京駅は美しい。背の低い建物クレーンを載せ、少し遠くには東京タワーが頭をひょっこりと出す。

あぁそうだったこれが私の好きな東京だった。

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