基準下回る残業時間でも過労死認定命じる 名古屋高裁

基準下回る残業時間でも過労死認定命じる 名古屋高裁
過労死について、国が基準とする残業時間を超えていなくても認められるかどうかが争われた裁判の2審で、名古屋高等裁判所は「基準の時間に達していなくても死亡は業務に起因する」として1審の判決を取り消し、国に対して過労死と認めるよう命じました。
愛知県安城市の会社員、三輪敏博さんは仕事が忙しくなる中でうつ病になり、その後、平成23年に自宅で心臓疾患の疑いで突然死亡しました。

妻の香織さん(39)が、長時間労働による過労死と認めるよう求めましたが、労働基準監督署が認めなかったため、妻が、この判断を取り消すよう国に求める訴えを起こしました。

1審の名古屋地方裁判所が、去年3月「業務と死亡に関係は認められない」として訴えを退けたため、妻が控訴していました。

23日の2審の判決で、名古屋高等裁判所の藤山雅行裁判長は「男性の時間外労働は、過労死の国の基準の100時間に満たない、月およそ85時間だったが、それだけで業務と関係がなかったと言い切ることはできない。男性には心臓疾患やうつ病があり、病気がない労働者の100時間を超える労働に匹敵する過重な負荷を受けたと認められる」と指摘して、1審の判決を取り消し、国に対して過労死と認めるよう命じました。

世の中が変わっていくことを願います

判決のあと、原告の三輪香織さんが記者会見し、「夫には『あなたの頑張りが認められた』と伝えたい。命を削ってまで働いてはいけない。どんな人でも健康で幸せに暮らせる働き方ができるよう世の中が変わっていくことを願います」と話しました。

一方、国は「判決内容を検討し、関係機関とも協議して今後の対応を決めます」とコメントしています。