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問題は「ストレスの塊」である金正恩の判断力

2017年2月24日(金)

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(写真:AP/アフロ)

 2月13日、金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄である金正男氏が、マレーシアのクアラルンプール国際空港で暗殺された。これはおそらく、金正恩氏の指令によるものだろう。

 なぜ、金正男氏が殺されたのか。一般的には、こう言われている。金正恩氏が何らかの原因で最高指導者の地位を維持できなくなった場合、金正男氏が継承する可能性がある。金正恩氏は、これについて神経質になっているから金正男氏を疎ましく思っていた、というものだ。

 ここで1つの謎がある。なぜ、金正男氏はマレーシアに行ったのか。マレーシアという国は非常に複雑な場所だ。というのも、韓国や北朝鮮、中国のスパイが自由に出入りでき、極めて危ない場所だからだ。金正男氏を庇護していた中国が、なぜマレーシア入国を認めたのか。あるいは、中国に金正男氏を置いておけない事情が起きたのか。そこは謎に包まれている。

 金正男氏の暗殺を防げなかったことは、中国にとっては手痛い失敗だっただろう。なぜ中国は金正男氏をそこまで守ろうとしていたのか。それは、中国にとって北朝鮮は「なくてはならない存在」だからだ。

 もし、朝鮮半島が韓国で統一されてしまったら、中国は非常に困るだろう。中国にとって、北朝鮮という国は重要な外交カードだからだ。中国は、朝鮮半島で混乱が起きるのは絶対に避けたいと思っている。朝鮮半島が二分されているのが中国にとって、最も望ましい形なのだ。だからこそ、中国は金正恩政権が崩壊した時のための後継者として、金正男を保護し続けてきたのだ。

 中国は、北朝鮮との国境に人民解放軍をたくさん派遣している。もしも金正恩氏が暗殺されたり、クーデターが起こるようなことがあれば、すぐさま北朝鮮に入って抑え込もうとしているのだ。これが現実化すれば、アメリカも黙ってはいないだろう。下手をすると、第2の朝鮮戦争が起こる可能性もある。

 こうなると、韓国は、アメリカか中国と協力するか、あるいは自主的に対応するだろう。ただ、今、韓国は朴槿恵大統領が弾劾裁判中であり、その余裕がない状況だ。

 おそらくこの夏には、朴槿恵大統領が失脚して、大統領選挙が行われる。このまま行けば、最大野党の「共に民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表が当選する可能性がある。すると、韓国は在韓米軍への「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備を破棄することも考えられる。アメリカはそれを非常に恐れているに違いない。

 先日、アメリカのジェームズ・マティス国防長官が日本より先に韓国を訪れたのは、この事態を重く受け止めているという理由もあるだろう。

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「問題は「ストレスの塊」である金正恩の判断力」の著者

田原 総一朗

田原 総一朗(たはら・そういちろう)

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」等のキャスターを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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