15時終業プレミアムフライデーに「1・5日旅」「2・5日旅」続々

2017年2月18日11時0分  スポーツ報知
  • プレミアムフライデーの統一ロゴマーク

 24日に「プレミアムフライデー」の試みが初めて実施される。毎月最終金曜日は仕事を午後3時には終え余暇を楽しもうという、政府と経済団体が旗振り役となった取り組み。従業員にライフスタイルの変革を提案する企業、消費拡大を目指し新たなイベントを企画する外食、旅行業者などの思惑が交差する一方で、居酒屋などは手探り状態だという。今後、浸透していくかどうか、まずは初回に注目だ。(高田 典孝)

 来週末の“第1回プレミアムフライデー”に向け次々と新企画を打ち出しているのは、旅行業者だ。金曜の仕事が午後3時に終わるのに合わせ、夜遅くにチェックインできたり、比較的遠方への観光などのプランを販売している。

 JTBの「るるぶトラベル」では、金曜からの専用旅行プランをインターネットで販売している。1泊旅行(東京発)は、行き先が関東近郊の群馬・草津温泉や神奈川・箱根温泉などで、金曜の夜遅めでもチェックインや食事ができる宿などを提案。2泊では、これまで通りの週末では行きにくかったとされる北海道や沖縄などへの旅行を用意している。

 金曜発で土曜帰りの1泊プランを「1・5日旅」、日曜帰りの2泊を「2・5日旅」と表現しているのが特徴だ。「金曜午後3時終業なら、そこから半日、つまり0・5日の余裕ができる。これをうまく使って旅行してくださいというご提案です」と同社の担当者。テーマパーク入場券などの特典付きプランもあり反応は上々だという。「前年同月比で、売り上げは伸びています。プレミアムフライデーが国内旅行に目を向けるきっかけになってくれれば」と期待を込める。

 地域でイベントを行う例も。三井不動産などが主催する「プレミアムフライデーin日本橋」には東京・日本橋周辺の約150店舗が参加。日本橋高島屋、日本橋三越本店では、今回だけの特別な福袋を用意した。商業施設のコレド室町やコレド日本橋に入る飲食店も、お得なメニューをそろえている。「周辺はオフィスが多数ありますが、百貨店などの商業施設も充実しています。プレミアムフライデーにはぴったり。日本橋の良さを再認識してもらうために企画しました」と三井不動産の担当者は話す。

 もちろん、24日も通常通りの終業時刻となる会社は多いはず。居酒屋チェーン「くいもの屋 わん」では、東京・田町店と大井町店で「プレミアム“フライ”&“ノンフライ”デー」を企画する。当日は開店時刻を午後3時に早め、7時までに来店すると、先着10食限定で「金目鯛の天ぷら」=“フライ”をプレゼント。一方、いつも通りに働いてきた人向けには、午後7時から9時の来店者に同数限定で「金目鯛の刺し身」=“ノンフライ”をサービスする。「(プレミアムフライデーを)導入しない会社の方々にも特典を味わってほしい」と同社の広報担当者。ただ「次の3月以降もイベントを行うかどうかは、24日の反響次第」としている。

 実際のところ、初回からプレミアムフライデーを導入する企業はごく一部という見方もある。居酒屋は、まだ手探り状態というところが多そうだ。ある大手居酒屋チェーンの企画担当者は「開店時刻を前倒しするのにも人件費がかかる。今後イベントを企画するかどうかは、導入する会社の割合など、状況を見極めたい」と冷静に話していた。

 ◆プレミアムフライデー 毎月末の金曜日は仕事を早めに切り上げ、夕方から買い物や飲食、旅行などを楽しんでもらおうという消費喚起の取り組み。米国の年末商戦初日となる「ブラックフライデー」(黒字の金曜日、11月下旬の感謝祭翌日)を参考に、政府と経済界が考案した。経団連や日本商工会議所が、終業時刻繰り上げを企業に促している。

 ◆浸透のカギ握るのは「自分磨き」と「家族」

 プレミアムフライデーは今後、日本に根付くのか。ニッセイ基礎研究所(シンクタンク)の主任研究員・久我尚子氏は「資格を取るための教室や自分磨き、家族のためのイベントが増えてくれば、社会に深く浸透するのではないか」とみる。

 働き方改革とともに個人消費の拡大を喚起する取り組み。「金曜に早く帰れることは、長時間労働の是正の後押しになります。さらに旅行や飲食で個人消費を押し上げる一定の効果も期待できます」と久我氏。だが「収入はあまり増えていないので、余暇が増えても使えるお金は、それほど多くありません」とも。

 とはいえ「自分にとって有効と思われるものには、お金を払う」傾向があるという。副業も見据えたスクールや、健康のためのジム通いなど、自分への投資が重要なカギ。「プライベートが充実すれば、仕事に打ち込むことができ、生産性の向上につながります」

 また、プレミアムフライデーにより、男性の家事や育児への参加も促されるという。「共働き世帯の増加や女性の社会進出を背景に、今は男性向けの家事、育児イベントや、男性目線の育児グッズなども増えています。男性限定の料理教室なども人気。家族のための自己啓発は、消費につながります」と予測している。

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