1. 沖縄・南城市の古謝景春市長が2月14日、自らのFacebookで、米軍基地建設の反対運動に関連し、「中城海保職員の若い隊員が2人自殺した」と投稿した(すでに削除)。
古謝市長は書き込みで、米海兵隊普天間基地の移設先である名護市・辺野古沖の工事の反対運動に言及。
「海保職員OB」から聞いた話として、過激な活動家の人たちが違法に立ち入り禁止区域に立ち入っているとし、こう指摘した。
「職員はマスコミを気にしながら怪我しないように最大の配慮で対応しているが、何もしてないのに『痛い痛い』と騒ぎ、マスコミが取り上げる。その事に真面目な隊員は嘆いていた」
そのうえで、警察幹部の友人が「土人発言した警察官や若い警察官が精神的に耐えられるか心配」と語っていたとし、こう記している。
「そのような厳しい環境で中城海保職員の若い隊員が2人自殺したと彼は悲しそうに涙声で現場の状況を話してました」
2. この情報はSNS上で大きく拡散。「許せない」「ニュース女子どころじゃない!」などと言う文言とともに広がった。
また、書き込みは「anonymous post」というブログサイトにも転載。こんな見出しがつけられている。
< #テレビが絶対に報道しないニュース >沖縄県南城市長 古謝 景春氏の魂の叫び「中城海保職員の若い隊員が2人自殺しました」~ネットの反応「海保を悪魔のように報道し続けたマスコミによって精神的に追い詰められたか?
記事は2月17日夕方までに、Facebookで3200以上のリアクションやシェアを獲得し、Twitterでは1千件以上シェアされている。
3. しかし、これはデマだ。中城海保を受け持つ第11管区海上保安部は、BuzzFeed Newsの取材に「Facebookに書いてあったような事実はございません」と明言した。
報道機関から取材があり、投稿を把握したという。広報担当者は言う。
「削除依頼などはしていません。市長個人のFacebookなのでコメントするという立場にはありません」
4. では、市長側の見解はどうなのだろうか。BuzzFeed Newsは南城市に取材を申し込んだが、「18日までフィリピンに出張中で、市としても連絡が取れない状況」だという。
取材に応じた総務課長はこう語る。
「直接市長とやりとりができていない。どういった内容かつかめておりませんので、帰ってきてから確認しようと思っている」
いつ、この情報を把握したのか。
「市としては新聞等をみたり、海保から『市長のFacebookについて話したい』が電話があったりして、把握しました」
市長の投稿は1千件以上シェアされたが、2月15日夜に削除されている。BuzzFeed Newsでは、市長の見解がわかり次第、記事を更新します。