グリーンに乗ったか安倍・トランプ首脳外交-フロリダで濃密な週末
- 別荘で夕食2回、エアフォースワンや大統領専用車にも相乗り
- 仲が良いだけでなく日本もバランス感覚を-政治アナリスト
米国を訪問した安倍晋三首相はフロリダ州パームビーチのトランプ大統領の別荘「マール・ア・ラーゴ」に招待され、週末を通じてゴルフや食事などで個人的な親交を深めた。
安倍首相夫妻は10日のワシントンでの首脳会談後、大統領専用機エアフォースワンに同乗してフロリダ入りした。トランプ氏は同日の夕食会の安倍夫妻について「すばらしいカップルだ」とツィート。11日朝は、トランプ氏が白いポロシャツ、安倍首相は紺のポロシャツで姿を現し、大統領専用車で一緒にゴルフ場に向かった。
プレーのもようは同行報道陣に公開されずスコアも公表されなかたが、2人がハイタッチする写真をトランプ大統領が自らのフェイスブックにアップ。トランプ氏はツィッターでも、安倍首相やプロゴルファーのアーニー・エルス選手とプレーしたとつぶやき、日本にはいい代表がいるとコメントした。NHKの報道によると、両首脳はプロゴルファー2人を交えてラウンドしたあと、別のゴルフ場に移って2人だけでプレーしたという。
昨年11月にトランプ氏が大統領就任前に会談した際には、安倍首相がゴルフクラブを、トランプ氏がゴルフウェアをそれぞれ贈った。トランプ氏は先週ラジオ番組で、ゴルフはランチよりもよく知り合えると話しており、2人は今回ゴルフを通じ関係を一段と強めた形だ。外務省によると、安倍首相の祖父、岸信介元首相も在任中に当時のアイゼンハワー大統領とゴルフをプレーしている。
一方、昭恵夫人とメラニア夫人は日本庭園などのある「モリカミ・ミュージアム」を訪れた。トランプ氏は同博物館にもツィートで謝意を示した。
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トランプ政権と関係の深いヘリテージ財団の元上級研究員で政治アナリストの横江公美氏は日本時間11日の電話取材で、安倍首相がトランプ大統領と個人的な親交を深めることについて、「仲が良いから絶対という関係ではない」と指摘。トランプ大統領が安倍首相との会談直前に中国の習近平国家主席との電話会談したことには米国のバランス感覚が働いていると述べ、日本も「自分なりのバランス感覚というのは必要」と語った。