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欲しいのは光ある未来…13日初弁論

大学のそばを散策する園田絵里菜さん(左)と母小百合さん。この日が今年初めての外出で、初詣もした=東京都内で1月12日、円谷美晶撮影

痛み発症20歳の女性

 中学生の時に子宮頸(けい)がんワクチンの接種を受けた後、全身の痛みなどを発症した千葉県白井市の園田絵里菜さんが今月、20歳の誕生日を迎えた。痛みと闘いながら社会とのつながりを希望に、通信制大学へ進学。国などに損害賠償を求めた集団訴訟にも加わった。東京地裁で13日に開かれる第1回口頭弁論を前に「多くの人に私たちの現状と症状を知ってもらい、きちんとした議論をしてほしい」と望む。

 「体が良くなりますように」。1月12日、都内の神社で初詣をした園田さんは手を合わせて祈った。入院が続き、今年初めての外出だった。2月の誕生日は、接種後に発症したアレルギーで食べられなくなった小麦粉を抜いたケーキで、家族が祝ってくれた。

 ワクチンを初めて接種したのは中3だった2011年8月。直後から体の痛みや不正出血があり、高校2年になると頭痛や歩行障害などが悪化した。通学が難しくなり、通信制への転校を余儀なくされた。

 卒業後も寝たきりの状態が続く苦しい生活の中で「また社会とつながりたい」と大学進学を決意した。体調が悪く机に向かえない日もあったが、昨春、合格の知らせが届いた。

 移動には今も車椅子が必要で、痛みや治療のために授業を受けられない日も多い。それでも、授業で学んだことを楽しそうに話す姿に、母小百合さん(53)は胸がいっぱいになる。「体が良くなったらどんどん講義を取ってほしい。友達とご飯を食べたり、遊びに行ったり、若い時にしかできない経験をさせたい」

 ワクチンを巡っては、厚生労働省が積極的な接種の呼びかけを中断した一方、接種を勧めるべきだと主張する専門家もいる。集団訴訟では、国などが原告の請求棄却を求めて争うことが確実だ。

 園田さんは昨年7月、提訴の記者会見に出席した。「会見に出たことで、理解してもらえるように言葉で伝えるのは大事だと思うようになった。お金や謝罪がほしいわけじゃない。治療法を確立し、失ったものを取り戻せるようにしてほしい」と思いを語る。

 半年ほど前から、自分の足で大学に通えるようにと脚を鍛える体操を始めた。症状が重く法廷に来られない仲間もたくさんいる。「動ける自分がしっかり願いを伝えたい。勝ち取りたいのは光ある未来です」と笑顔を見せた。【円谷美晶】

「因果関係判断できず」厚労省研究班

 国が承認した子宮頸がんワクチン接種後の健康被害を巡る集団訴訟は、全国の15~22歳の女性119人が国と製薬会社2社に1人1500万円の賠償を求め東京、大阪、名古屋、福岡の4地裁に起こした。

 ワクチンは、がんの原因であるヒトパピローマウイルスの感染を防ぐ効果があるとされ、日本ではグラクソ・スミスクラインが2009年に、MSDが11年に厚生労働省の承認を受けて販売を始めた。13年4月に小学6年から高校1年を対象とした定期接種になったが、健康被害報告が相次ぎ、国は2カ月後から接種の積極的な勧奨を控えている。

 2社は審理が先行する地裁の裁判で「ワクチンはがん予防に有効で、接種と健康被害の因果関係を示す医学的データはない」などと反論し、国も請求棄却を求めている。

 厚労省の研究班は昨年12月、全国の病院を対象にした疫学調査で、健康被害として報告されたのと同様の症状が、接種を受けたことがない人にも一定数出ているとの結果を公表。ただし、年齢層が違うなど比較できず、接種と症状の因果関係は判断できないとした。【伊藤直孝】

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