みなさんこんにちは。犬並みの嗅覚でイケてるお店を探し当てる洋犬ライター、“ポメ橋”ことポメラニアン高橋です。
今回お邪魔するのは築地場外市場にあるうに専門店、「うに虎 中通り店」。さまざまな種類のうにを一度に堪能できる「食べ比べ丼」が有名で、芸能人もお忍びで足を運ぶ名店なのだとか。
さて、取材にあたって真っ先に思ったのが……
ポメ橋:
「うにの食べ比べ丼……そもそも私に“うにの味の違い”なんて分かるのだろうか」
いつもラーメンと牛丼ばかり食べている“輩感満載”の私。そんな庶民の舌しか持ちあわせていない私が、産地別のうにを食べ比べし皆さんに味の感想をお届けすることができるのか……期待と不安に胸を膨らませ、「うに虎 中通り店」さんに突撃取材しました!
世界中のうにを食べ比べできるお店
「うに虎 中通り店」は東京メトロ日比谷線「築地」駅から徒歩10分ほどの場所にあります。犬の足では20分くらい掛かりそう。「市場通り」と書かれた看板の下、細い路地を進んでいくと……
上品な佇まいのお店を発見!
こちらが今回お邪魔させていただく「築地うに虎 中通り店」です。ちなみにペット同伴は不可とのこと。
落ち着いた雰囲気の店内にはカウンターが10席ほど。板前さんの丁寧な仕事を目の前に、絶品うに料理を堪能することができます。敷居が高そうなイメージでしたが、想像していたよりずっと入りやすい雰囲気のお店。
まずはメニューをチェック!中を開いてみると……
うに丼だけでもこれほどの種類が。今回はうに虎の看板メニューである、5種類の国産うにをふんだんに使った「国産五種 うに食べ比べ丼(雅)」を注文することにしました!
これが美しき「国産五種 うに食べ比べ丼(雅)」だ!
ドドンッ!!
なんということでしょう。溢れんばかりに乗せられたうに、うに、うに! こんな贅沢なうに丼がこの世にあったなんて……もはや芸術作品です!
今回の食べ比べ丼に使っているうには全て「北海道産」。
落合・北方四島・根室・釧路・浜中といった産地の異なるうにを5種類使っています。どれも同じ北海道で採れたうになのに、色の濃さや粒の大きさ、とろけ方が違うことにビックリ!
ちなみに食べ比べ丼に使用されるうには、旬や流通具合によって種類や産地が日ごとに変わるそうです。そこはうにのプロである板前さんの目利きにおまかせしましょう!
ポメ橋:
さて、食べ比べを始める前に、丼に乗っているうにについて再確認しましょう(落ち着こう)
今回は産地別のうにを5つのエリアに分類。
食べる際はあえて醤油を垂らさず、そのままの状態でいただきます。Aの落合産バフンウニから順番に食べ進め、それぞれの味の違いや特徴をレポートしていきます。それでは参りましょう!
A.落合産バフンウニ
まずはAの落合産バフンウニから。
完熟オレンジのような色の身を持つことから「赤うに」とも呼ばれ、その味は濃厚で甘みも強いとのこと。美しいうにの姿を前に、スプーンを持つ手がプルプルと震えます……実食。
ポメ橋:
ヒェ〜ッ!こんなの食べたことない!
口に入れた瞬間、北海道の豊かで広大な海が目の前に広がりました。
ポメ橋:
彼(うに)が育ったのは、こんな海だったのか……
というのは冗談で、いやはや本当に美味しい。舌触りが滑らかで味は驚くほど濃厚。甘みもしっかり感じますが、それ以上に味の濃さが強い印象ですね!
B.北方四島産バフンウニ
続いてBの北方四島産バフンウニをテイスティング。
まず最初に感じたのは、先ほどの落合産に比べて“食感がしっかりしている”ことです。一口噛めばプリっと身が弾け、豊かな磯の香りが口いっぱいに広がります。
一言で表すなら“個が強いうに”。Aの落合産は口の中で身が溶け合い、トロっとした舌触りですが、Bの北方四島産は口に入ってもすぐには溶けず、それぞれの身が主張してくる印象です。
C.根室産バフンウニ
いかにも「うに!」という感じの色をしているCの根室産バフンウニ。
同じ北海道で採れ、なおかつ品種も同じバフンウニなのに、A・B・Cでは見た目が全然違います。一体なぜなのか……そんな疑問をよそにパクり。
ポメ橋:
し……舌がとろけるぅ……!
もはやスプーンですくった段階でうにの身が溶けており、舌に乗った瞬間ふわっと無くなりました。Aの落合産もかなり柔らかい印象でしたが、この根室産はそれを遙かに上回っています。歯はおろか、舌すらいらない柔らかさ!
そして驚くのがその甘みの強さ。濃厚さが特徴の落合産に比べ、甘みが際立っていたのが根室産でした。個人的には一番好きですね!
D.釧路産 ムラサキウニ
続いてDのムラサキウニ。
一般的に「白うに」と呼ばれるムラサキウニは、淡泊で上品な甘さが特徴とのこと。色だけ見ると、先ほどまでのバフンウニ(赤うに)に比べて白っぽい印象です。
口に入れた瞬間に感じたのが“爽やかな磯の香り”。バフンウニよりもサッパリとした味わいで、じっくり噛み締めると上品な甘みを感じます。味は決して濃厚ではないものの、やさしい甘みがクセになるぅ! うにが持つ濃厚な滋味が苦手な人にはムラサキウニがオススメかも。
E.浜中産 キウニ
最後にいただくのはEの浜中産キウニ。
スタッフさんいわく、「味はバフンとムラサキの中間」とのこと。ワクワクしながら口に運びます。
ポメ橋:
あ、今までのうにとたしかに違う!
A~Cのバフンウニとも、Dのムラサキウニとも違う独特な味わいです。適度な濃厚さと甘さ、そしてムラサキウニのようなサッパリ感はたしかにうにのいいとこ取り。なんだか得した気分です。
「え?キウニ知らないの?それでうに好きとか言ってほしくないな〜」って明日から偉そうに語れます。
味の違いをプロに聞いてみた!
今回食べ比べたのは5種類のうに。
その味の傾向をマトリクス図にしてみました!
注目して頂きたいのはA・B・Cのバフンウニ。「バフンウニは味が濃厚」だと思っている方は多いでしょうし、それは決して間違っていません。事実、バフンウニの味は濃厚で、芳醇な磯の香りは素晴らしいものでした。
しかし、甘さや食感、舌触りは同じ品種でも全然違います。なぜこれほどまで違いがあるのか、「うに虎 中通り店」の板前である小野里さんに話を聞いてみました。
▲うに虎 中通り店の板前 小野里さん
ポメ橋:
同じ品種でも味が全然違いますね。一体どんな理由があるのでしょうか?
小野里さん:
一番は食べている“エサ”の違いだね。
うには雑食で何でも食べるんだけど、主要なエサは昆布なんだよ。だから、利尻や羅臼といった昆布が有名な地域のうには美味しい
……なるほど。良質な昆布を食べて育ったからこそ、その身も美味しくなる訳ですね。より詳しく話を聞いてみると、“食べた昆布の部位でも味が変わる”とのこと。同じ昆布でも、上部を食べたうにと、根っこを食べたうにでは味が変わってくるそうです。
ポメ橋:
それにしても国産うにって美味しすぎませんか?私が知ってるうにって……なんというか、薬っぽい匂いがするんです。食べ過ぎると舌が痺れるような……
小野里さん:
それはミョウバンをたくさん使ったうにだね。特に外国産の安価なうにはミョウバンがたくさん使われていて、それが匂いや味に出てしまうんだよ
ミョウバンとは、うにの身の形状をキープさせるために使用する薬品です。
どれだけ新鮮なうにでも、ミョウバンを添加しないとすぐに形が崩れ、最終的に溶けてしまうものです。鮮度に敏感なうにをお店や食卓に運ぶため、うにの輸送にはミョウバンがどうしても必要になるのだとか。
一方、良質な国産うにはミョウバンの添加を限りなく抑えており、上述の匂いや苦みを殆ど感じません。
「国産五種 うに食べ比べ丼(雅)」は、うにの新鮮さや種類の豊富さだけでなく、“うに本来の味”を楽しむことができる贅沢な一杯。こんな贅沢を味わってしまった私の舌……もはや奉納しなくてはいけないレベルだ。
ポメ橋:
ところで、ミョウバン完全無添加のうにって食べられないのでしょうか?
小野里さん:
もちろん提供させてもらっているよ。でも、今日はもう全部出ちゃったね
実に……!
実に残念です……!
ミョウバン完全無添加のうにを食べてみたかった……と思った矢先。
無添加ドーン!!
まさかの差し入れが登場しました。こちらは殻が割れてしまい、商品として使えなくなったムラサキウニ。つい先ほどまで生きていたうにを開き、塩水で洗ったものを出して頂きました。なんて粋な計らいだッ……!
味はいうまでもなく最高に美味しい。身がしっかりしており、粒の一つひとつを舌で感じることができます。開きたてのうにがここまで美味しいとは……
余談ですが、うに好きの夢といっても過言ではない、オリジナルミニ丼も作ってみました。スプーンの上にご飯を乗せ、国産5種のうにをトッピング。わさびを添えて完成。ああ、なんと美しい光景でしょう。カメラマンが「ズルい。さすがにこれはズルい」と文句を言っておりますが、かまわず口に運ぶと……
ポメ橋:
おいおいなんだこれ美味すぎて失神しそう。贅沢じゃ〜!
ネットリと濃厚なうにたちが舌の上で妖艶に舞った後、爽やかなわさびがステージをお片付け。醤油ではなく、丼に添えてあった塩昆布と一緒に食べても美味しい〜!
国産以外では、中国産・カナダ産・アメリカ産・ロシア産を仕入れている様子。中でもロシアは北方四島に近いこともあり、国産に匹敵するほど味も良いそうです。
国産うに5種を楽しめる「国産五種 うに食べ比べ丼(雅)」は一杯5,980円。
決してお安いとは言えませんが、一口食べればその値段にも納得できるはず。あなたも家族やパートナーと一緒に、最高に贅沢な一杯を楽しんでみませんか?
ポメ橋:
次は金持ちの飼い主さんと一緒に来るワン!
※掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。
著者・SPECIAL THANKS
ポメラニアン高橋(ポメ橋)
ラーメンと牛丼ばかり食べてる洋犬ライター。雄/体高30センチ/体重80キロ。
最近Twitterはじめました→@pomehashi(ポメ橋)
編集/ヒャクマンボルト
撮影/池田瑞穂