レノボがThinkPad X1シリーズ 3モデル(X1 Carbon、X1 Yoga、X1 Tablet)の日本発売を発表しました。現在開催中の発表会では、ついに個人向けモデルでもSIMフリーLTEモデム搭載機の投入について紹介するなど、かなり力の入ったモデルとなっています(LTEモデムは個人向けWeb直販モデルでカスタマイズ可能となる予定)。
ナローベゼル化により底面積を縮小した注目モデルX1 CarbonのWeb直販価格は20万円(税別)から。個人向けWeb直販の発売予定日は2月10日。
キーボードを改良したX1 YogaのWeb直販価格は20万5000円(同)から。個人向け発売予定は2017年4月上旬。
基本構成は同等なれど、第7世代(Kaby Lake)版Coreプロセッサ搭載で心臓部を強化したX1 Tabletは、Web直販価格が18万7000円(同)から、個人向けモデルの発売予定は4月上旬からです。
今回とくに改良点が大きいのはX1 Carbon。ナローベゼル液晶パネルの採用などにより、従来モデルと比べて底面積を縦横約1cm削減して「13インチモデルと同等の本体寸法」をアピールします。キャッチコピーでも「14インチの大画面とユーザビリティを、13インチのサイズに凝縮」と謳います。
合わせて拡張端子にUSBタイプC兼用のThunderbolt 3(TB3)を2基搭載します。米国版で話題となったシルバーカラーのモデル(写真左)が、日本でも用意されることも公開されました。
なお、発表会は数々の技術的トピックが紹介されましたが、中でも注目は本体素材(カーボンハイブリッドファイバー)の構造が一新された点です。
実は現行のX1 Carbonなどに採用された素材の基本は、9年前となる『ThinkPad X300』より継承された「低密度発泡体をカーボンファイバーでサンドする」というもの。
2017年モデルは、この中央部の素材から超低密度のカーボンファイバー網とした「炭素繊維積層構造(と書いてフルカーボンサンドイッチと読みます。スライド右下に注目)」へと変更。素材レベルでの強度向上と重量減を実現したとアピールします。
なお実際の重量に関しては、X1 Carbon間での比較で「天面カバーで20g減少した」とのこと。もちろん面積減もありますが、一定以上の効果はありそうです。
Yogaヒンジこと360度回転ヒンジを採用したタブレット兼用モデルX1 Yogaは、『ライズ・アンド・フォール キーボード』(以下、RAFと略)と名付けられた、タブレット状態などでのキーボード保護機構が目玉。
従来のLift'n' Lock(リフトンロック)キーボードは、タブレット状態時にキー周囲にあるフレームがせり上がりキーを保護していましたが、RAFではキーとTrackPoint側が沈むことで保護。さらに液晶面を開いた状態のみならず、閉じた状態でも沈み込むことで「運搬時に圧力が掛かって液晶面にキーの跡が付く」事態をも防ぎます。
なおこちらも、拡張端子にUSBタイプC兼用のThunderbolt 3(TB3)を2基搭載。またシルバーモデルは日本でも用意されます。
なお、現行のX1 Yogaで発売のタイムラグが大きかったOLED(有機ELディスプレイ)モデルは、今回の発表会では展示がありませんでした。こちらに関して解説担当に尋ねたところ、「発売予定はあり、現状では液晶モデルから1か月差程度で受注を開始できる見通し」とのことでした。
ThinkPad X1 Tabletは、基本的な特徴などは現行モデルを継承しつつも、CPUの改良などでアップデートしたという位置づけ。最大の特徴である合体式の機能拡張モジュールなどは、(もちろん)現行モデルとの互換性をキープします。
なお発表会で解説担当者に、現行モデルでは(いろいろな意味で)話題となった「製品出荷が非常に少なかった」件に関して尋ねたところ「お客様にはご迷惑をお掛けしたので、今世代はしっかりと販売できるようにしたいと考えている」との回答を得ています。この点でも期待したいところです。
なお、詳細に関しては、米国版の紹介記事も参照ください。
米レノボがThinkPad X1シリーズ2017年版を公開、狭額縁液晶で小型化したCarbonなど3モデル