沖縄 辺野古沖の海上埋め立て工事 沖縄防衛局が着手

沖縄 辺野古沖の海上埋め立て工事 沖縄防衛局が着手
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沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設に向けて、沖縄防衛局は6日午前9時前、名護市辺野古沖の海にコンクリートブロックを投入する準備を始め、海上の埋め立て工事に着手しました。
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設に向けて、名護市辺野古の沖合では、台船で運び込まれたコンクリートブロックを海に投入するため、沖縄防衛局が6日午前9時前からクレーンが付いた船に移す作業などを始め、海上での埋め立て工事に着手しました。

ブロックは重さが最大でおよそ14トンあり、今後の工事で濁った海水が広がるのを防ぐ「汚濁防止膜」を固定するおもりとして、今後、準備が整いしだい海に投入されます。

「汚濁防止膜」は4か所の海底に設置される予定でブロックは合わせて220個余りが投入されることになっています。

「汚濁防止膜」の設置が終われば、埋め立て予定地の周りの護岸の建設が始まり、外の海と遮断できた場所から土砂を投入して、順次、埋め立てる予定です。

名護市辺野古ではおととし(平成27年)10月に埋め立て予定地に隣接する陸上部分で移設に向けた資材置き場の整備などに着手したのに続き、海上でも工事が始まり移設工事が本格化することに計画の阻止を掲げる沖縄県や工事に反対する人たちの反発が強まっています。

ゲート前では抗議 もみ合いも

埋め立て予定地に隣接する名護市辺野古のアメリカ軍基地、キャンプシュワブのゲート前には工事に反対する人たち、およそ100人が抗議の声を上げています。

現場を訪れた名護市の稲嶺市長は「戦後70年間も耐え続けてきた沖縄県民に、さらに今後100年も基地負担を押し続けようとしている政府を断じて許すことはできない」と述べました。

近くでは、工事用の車両が基地に入るのを防ごうと座り込む人たちと、警察官がもみ合いになる場面もあり、警察官が両脇などを抱えて排除すると、「暴力やめろ」などという声が上がっていました。

うるま市の70歳の女性は「いてもたっても、いられなくて来ました。なぜ、沖縄だけに負担を押しつけるのか腹が立ちます」と話していました。

また、妻が沖縄出身だという58歳の大阪の男性は「沖縄の自然を壊すことになるので憤りを感じます。沖縄では知事選挙や国政選挙などで辺野古への移設に反対を訴えている人が当選しており、政府は沖縄の民意を大切にしてほしい」と話していました。

工事の見通しは

沖縄防衛局は「汚濁防止膜」の設置と並行して、近く、海底の地質を確認するボーリング調査を再開する予定です。
一部の調査は辺野古の沖合に5日に到着した大型の調査船が行いますが、この船には船体に機器が備わっていて、これまでより短期間で調査を終えることができるということです。

また、工事関係者によりますと「汚濁防止膜」の設置が終われば埋め立て予定地の周りの護岸の建設工事を始める方針で、砕いた石などを投入することにしています。護岸で仕切りを造っていき、外の海と遮断できた場所から土砂を投入して、順次、埋め立てることにしています。投入される土砂は2000万立方メートル余り、東京ドームおよそ16杯分に上る予定です。

国は埋め立てや飛行場の建設工事を含めて、今後5年で完了させるとしている一方で、計画に反対する沖縄県の翁長知事はあらゆる手段で阻止するとしています。