- スポーツナビ
- 2017年2月6日(月) 11:10
日本でもGPSデバイスの導入が進む
レスター・シティは2014−15シーズンの残留争いから一転、15−16シーズンにプレミアリーグを初めて制する歴史的快挙を達成した。昨シーズンの大躍進を陰で支えたとして、英国などではあるウェアラブル端末に注目が集まったのをご存知だろうか。その商品とは、カタパルト社が開発した「オプティムアイ S5」。下着のような形状から、デジタルブラジャーとも呼ばれている。近年はパフォーマンスの向上やけがのリスク軽減などの目的で、サッカーだけではなくラグビーやバスケットボールなど、世界各国のさまざまなスポーツで導入されている。
そのテクノロジーの波は日本にも押し寄せてきており、Jリーグでも柏レイソルやセレッソ大阪などがカタパルト社のサポートを受けている。日本での普及を進めているのが、同社の日本・韓国担当を1人で務めているビジネスマネージャーの斎藤兼氏だ。斎藤氏はリバプール大学でフットボールMBAを取得後、15年11月から同職を務めている。今回はデータ活用の新たな形を提供する仕掛け人に、カタパルト社のソリューションを導入するメリットや効果、斎藤氏の描くテクノロジーの導入によって変わるスポーツの未来像を聞いた。
導入するメリットは何か?
「オプティムアイ S5」はどのように活用するのか。主な機能は計測で、背中に付けるGPSデバイス(写真を参照)が大きなポイントだ。これにより、選手の走行距離やスピード、加減速の回数などが計測できる。斎藤氏によると、このデータを用いて「練習の“量(ボリューム)”と“強度(インテンシティー)”をコントロールできるようになる」ことが最大のメリットだという。
「僕たちのシステムをなぜ使うのかというと、“評価基準”を作りたいからです。例えば、ある選手に関するデータを見る場合、過去の実績と比較したり、チーム平均と比較したときにどれくらい差があるのかを見ます。そうすると、その選手は今日のトレーニングでいつもどおりのパフォーマンスを発揮できたのか、または何が足りなくて発揮できなかったのかが具体的に分かります。そうした客観的なデータを用いた“評価基準”をコーチやスタッフに与えることにより、けがのリスクを削減したり、試合でパフォーマンスを100パーセント発揮できる体を作ることができます」
では、けがのリスクを削減するためにはどのように活用するのか。計測できる項目は多数ある中、今回は最も見るべき項目を具体的に挙げてもらった。
「練習の量に関しては『走行距離』。強度に関しては『高強度で走った距離と割合』。あとは『爆発的な加速や減速をした回数』を見ます。なぜかというと、それぞれの動きによって負担の掛かる筋肉が異なるからです。走行距離は腰やひざ、すねに影響を与え、高強度で走るとハムストリングのけがに影響を与えやすい。加減速に関しては太もも、ふくらはぎ、あとは股関節に影響が出ます。
それぞれの指標をコントロールすることによって、けがのリスクを削減できるんです。それぞれのパーソナルなデータを見ていくことができるので、その選手にとって今日の練習は負荷が高かったのかどうか。各選手に合わせて深堀りして分析し、コントロールできるようになることが大きいですね」
