陽明文庫の資料、歴彩館で閲覧へ 京都、デジタル画像利用で覚書
京都市左京区の京都府立京都学・歴彩館(旧府立総合資料館)で5日、陽明文庫(右京区)の所蔵資料のデジタル画像に関する覚書の調印式があり、同館が本格オープンする今春以降に館内で閲覧できることになった。資料をデジタル化した東京大史料編纂(へんさん)所(東京都)以外では2カ所目となる。出席者は資料の一層の活用に期待していた。
陽明文庫は1938年の設立で、五摂家筆頭の公家・近衛家伝来の古文書や美術品を保管・研究している。平安時代の藤原道長の自筆日記「御堂関白記」(国宝、世界の記憶)などを収蔵し、「史料の宝庫」として知られる。
東大史料編纂所は、陽明文庫が所蔵する資料の全目録データベース化や、貴重な資料のデジタル撮影に取り組んでいる。両者の協力で、歴彩館は館内限定での閲覧準備を進めている。
この日、名和修文庫長と山家(やんべ)浩樹編纂所長、金田章裕歴彩館長が、デジタル化した資料に関する覚書に署名した。
名和文庫長は「できるだけ多くの市民や研究者に利用してほしい」と述べた。山家所長は「公開に役立てて喜ばしく思う。京都での協力関係を一層深めたい」と強調。金田館長は「より多くの京都の資料を見られる体制づくりの第一歩にしたい」と意気込みを語った。
【 2017年02月05日 23時15分 】
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