地球最後の日に使われる飛行機--米軍の「国家空中作戦センター」(NAOC)の内側
2013/07/26 07:45
米軍には、国家の存亡に関わるような核危機などの事態が生じた時に軍司令部の機能を担う「国家空中作戦センター」(NAOC)と呼ばれる航空機が4機ある。さまざまな通信機能や施設を備えたNAOCを写真で紹介する。
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提供: Daniel Terdiman/CNETネブラスカ州オファット空軍基地発--ありがたいことに、これまでにその事態が訪れたことはない。しかし米国は、核戦争のさなかに置かれるようなことがあれば、司令管制センターを地上から飛び立たせ、攻撃対象となる可能性のある場所から数分以内に離れる能力を必要とするだろう。
まさしくそれが、米国家空中作戦センター(NAOC)の役割である。4機の「E-4B」(危機的な事態において米軍の通信ニーズを支えるために改修された「Boeing 747-200」)は、核危機やそのレベルに匹敵する重大な事態が生じた際に、米国の軍高官が事態を掌握して指揮を執り続けることを可能にする。
これらの航空機が配備されているオファット空軍基地は、オマハのすぐ南にある。同基地は米戦略軍が置かれている場所でもあり、長い間、戦略航空軍団の本拠地であった。米CNETのDaniel Terdiman記者は、地球最後の日に使われるこの航空機の内側と外側を見る、めったにない機会に恵まれた。
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提供: Daniel Terdiman/CNET米空軍には4機のNAOCがあるが、4機すべてが同時に飛行可能な状態になっていることはほとんどない。通常は少なくとも1機は整備中だ。ただし、この写真のように3機がそろっていることでさえどちらかといえば珍しい光景だ。
手前のE-4Bは、この写真を撮影した時点では「警戒態勢」にある機体だった。これは、同機のクルーは1週間の警戒態勢にあり、非常事態が発生すれば数分以内に離陸できる準備をしているということだ。どの機体が警戒態勢にあるかはさまざまな要素によって決まるが、最も重要な要素はメンテナンスのスケジュールである。
これらの航空機は、米国防長官の外国訪問時に使われることもある。
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提供: Daniel Terdiman/CNETNAOCに搭乗する人はみな、この航空機の陰うつな存在理由にそぐわない掲示に出迎えられる。
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提供: Daniel Terdiman/CNETNAOCは米大統領専用機の「Air Force One」と類似しているが、実際にはより高度な通信機器を搭載しており、アンテナの数も若干多い。この図は、NAOCの機内で利用できるさまざまな通信方法を示している。同機には基本的に、どんな状況にあっても司令官らが自らの部隊と通信できるように、幅広い電磁気的機能が備えつけられている。
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提供: Daniel Terdiman/CNETE-4Bの機首。
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提供: Daniel Terdiman/CNET機体上部にある盛り上がった部分は、搭乗者が超高周波数帯と「Milstar」システムを利用して通信することを可能にしている。米空軍はMilstarについて次のように説明している。「セキュアで妨害電波に強く、世界規模の通信が可能な米軍共同の衛星通信システムで、最優先の軍関係使用者が戦時に求める基本的要件を満たしている。複数の人工衛星によって、司令部と、船舶や潜水艦、航空機、地上の基地といった幅広いリソースとがつながっている」
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提供: Daniel Terdiman/CNETこの図は、NAOCの機内にあるさまざまな区域や区画を示している。
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提供: Daniel Terdiman/CNETこれは機内にあるバトルスタッフルームだ。米CNET記者は室内で写真を撮ることが許可されなかったため、窓越しに撮影した。この機体が警戒態勢になれば、この部屋は各軍の高官でいっぱいになるだろう。米国の大局的な戦略情勢だけでなく、国や州、地域レベルの送電網などのインフラストラクチャーについて理解する高官をこの部屋に配置するのが目的だ。
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提供: Daniel Terdiman/CNETNAOCは国防長官やほかの軍高官を運ぶこともあるため、同行するメディアのための記者会見室がある。
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提供: Daniel Terdiman/CNETNAOCには無線通信を処理する専用区画がある。この写真はセキュア通信処理のためのコンソール。
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提供: Daniel Terdiman/CNETNAOCにはこの写真のような電話機が数多くある。ただし4機の機体のうち少なくとも1機では、電話機をアップグレード中である。
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提供: Daniel Terdiman/CNET無線通信用区画を別の角度から見たところ。ここでは、地上やほかの航空機からの非暗号化通信を扱っている。
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提供: Daniel Terdiman/CNETNAOCのテクニカルルームでは、1つのコンソールが、機内電源や冷却機能の操作専用になっている。
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提供: Daniel Terdiman/CNETテクニカルルームには、衛星経由で受信した通信を機内の適切な電話や無線機に転送するためのコンソールもある。
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提供: Daniel Terdiman/CNETこのコンソールは、航空機と地上の通信のルーティング専用である。
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提供: Daniel Terdiman/CNETNAOCに搭載されている数多くの通信設備の中には、機体の後部に長く伸ばすことのできる超低周波数帯アンテナがある。このアンテナは必要に応じて最長5マイル(約8km)にできる。技術者はそのアンテナをこの席から監視し、また左側にある白い潜望鏡を通して、自分の目で見ることができる。アンテナは壊れやすく、悪天候や乱流で損傷したり破壊されたりする可能性があるので、機外にある時には技術者による監視が不可欠だ。
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提供: Daniel Terdiman/CNET巨大なリールに巻かれている超低周波数帯アンテナ。
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提供: Daniel Terdiman/CNETNAOCにはクルーの休憩用の寝台が多数ある。必要があればNAOCは空中で補給を行い、10時間をはるかに超えて飛行できる。
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提供: Daniel Terdiman/CNETNAOCは、大規模な軍事危機の場合に空中で司令管制機能を実現することを目的としているものの、国防長官が外国を訪問する際にも使われる。国防長官の搭乗時には、この写真の部屋が国防長官専用室となる。この部屋には寝台、数脚のいす、デスク、ビデオスクリーンがある。
国防長官が搭乗していない場合は、ほかの高官がこの部屋を使用することもある。
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提供: Daniel Terdiman/CNET国防長官専用室のすぐ外には、ライブでのビデオ会議や、この機体で利用可能なほかの通信手段を利用するための会議室が用意されている。国防長官の搭乗時には、この部屋を使って長時間の会議をすることも多いだろう。
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提供: Daniel Terdiman/CNET会議室の壁には、「National Airborne Operations Center」(国家空中作戦センター)というロゴと、「Nightwatch」という名称が書かれた標章が掲げられていた。
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提供: Daniel Terdiman/CNETNAOCのコックピット。いくつかのわずかな相違はあるが、基本的にはBoeing 747-200のコックピットと同じだ。
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提供: Daniel Terdiman/CNET航空機関士のコンソール。「Boeing 747-400」や「747-8 Intercontinental」の場合は航空機関士が乗務しないので、航空機関士の役割のほとんどが自動化されている。Air Force OneもBoeing 747-200を改修したものだ。
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提供: Daniel Terdiman/CNETNAOCと標準的なBoeing 747-200の大きな違いは、NAOCには発電機が各エンジンに2基ずつ、合計8基搭載されていることだ。通常のBoeing 747-200には、エンジン1基につき発電機が1基しかない。航空機関士のコンソールのこの部分では、8基の発電機の状態を表示し、制御できるようになっている。
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提供: Daniel Terdiman/CNET警戒態勢にあるNAOCを、別のNAOCのコックピットの窓から見たところ。
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提供: Daniel Terdiman/CNETコックピットの後部には、航法士用の席がある。
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提供: Daniel Terdiman/CNETNAOCのうちの1機が離陸して、オファット空軍基地のすぐ隣のネブラスカ州ベルビュー上空を通過している。NAOCは最も深刻な軍事危機の際に司令管制の全機能を担えるように設計されたものだが、訓練やほかのミッションのために頻繁に飛行している。