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相続税法改正の影響は確実に出ている
「相続税の大増税」と言われた平成27年の税制改正。
当時は「相続セミナー」が毎日至る所で行われるほど、相続税への関心が高まりました。あれから早2年。
増税の影響は確実に出ています。
増税前、相続税がかかるケースは100人亡くなって4人程度でした。
増税当初は、改正により約6人に相続税がかかるようになる、すなわち1.5倍になる、との試算が出ていました。
ところが、昨年発表された統計では、相続税がかかる人の割合は約8%。
増税前に比べて2倍近くの人に相続税がかかるようになったのです。
相続税は財産にかかる税金ですので、必然的に地価の高い都市圏ほど相続税がかかる人が増えます。
全国的には8%ですが、東京23区に住む人は20%以上が相続税の対象となる、という説も聞かれるほど財産に占める土地の価値は重要です。
相続税対策に関するセミナーや本を利用する前に
さて、このような状況の中で、「自分が死んだときの相続税が心配だ」「親に万が一があったときのために相続税の対策をしたい」と考える人が増えています。
私の事務所でも、毎月このようなご相談が舞い込んでいます。
改正前と比べて、明らかに多くの方々が関心を持っているのがわかります。
相続税対策には様々な手法があります。
自分で簡単にできるものから、複数の専門家の助けが必要なものまで。インターネットで検索すれば、様々な手法が紹介されています。
初めて相続の問題に取り組まれる方にとっては、「何が本当で」「何が嘘なのか」分からないと思います。
そこで、細かな話をする前に、最初に知っておいてほしい3つの原則をお伝えしたいと思います。
これを覚えておけば、大きな失敗や判断ミスをすることは減るでしょう。
セミナーに参加したり自分で本を買う前に、まずは見ておいてください。
税理士が教える「相続税対策3つのコツ」
相続税対策のコツ①:早め早めに準備をする
相続対策で一番大切なのはコレです。
相続対策は「まだ大丈夫かな」と思ったり、「話しにくいな」と思ったりして、先延ばしされやすいものです。
しかし、急病や事故などで急に相続になったり、認知症などで対策したくても出来ない状態になるなど、やりたいと思った時には手遅れ、ということも良く起こります。だからこそ、対策は「早め早めに」「元気なときこそ」するべきなのです。
早く準備をすることの利点にはこのようなものがあります。
たくさんの方の相続を見てきて、「なんでもっと早く相談してくれなかったのか」と残念な気持ちになることはたくさんあります。
それはつまり「今からでは大したことは出来ない」という意味です。
お医者さんの治療と同じで、早く取り組めば取り組むほど様々な選択肢が持てます。対策の効果も上がります。
私は相続は大病と同じだと思っています。大病が見つかったら、一刻も早く治療したいと思うでしょう。
相続対策のことも、同じように考えていただけたらと思います。
相続税対策のコツ②:特例を有効に活用する
相続対策の基本中の基本は「生前贈与」です。
財産をもらう人一人につき年間110万円までは贈与税がかかりません。これをうまく利用して、子どもや孫に贈与をします。
ところが、110万円を超えてもっとたくさんの財産を贈与できる規定があります。
それが下記の3点などです。
・住宅取得等資金の特別控除
・教育資金の一括贈与
・贈与税の配偶者控除
これらには適用のための様々な要件がありますが、うまく利用すればとても効果的な節税を行うことが可能です。
その他にも「小規模宅地等の特例」などの各種特例を上手に活用することが、相続対策のコツになります。
相続税対策のコツ③:うまい話ばかりではない。デメリットもあることを理解する
単純に税金を少なくしたいだけなら、色々な方法があります。
しかし、税金を下げることばかりに気を取られ、最終的にかえって損をしてしまう方もいます。
それは、対策を行うことのメリット(節税額)ばかりに気をとられ、対策の「リスク」や「デメリット」に目を向けなかったからです。
どんな対策にも裏表があります。両方を知った上で、自分にとって優先すべき項目を選べば良いのです。
ちなみにこのポイントは、専門家を探すときにも有効です。
きちんとした専門家であればこのようなことはきちんと説明します。
逆に、デメリットやリスクを隠し、良いことばかり言う専門家がいたら、注意が必要です。
とても抽象的な話になってしまいましたが、まずはこの相続税対策における3つのコツを抑えておきましょう。
その上で、次回からは個別・具体的な対策の話をしていきたいと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
(著者:村田顕吉朗税理士事務所 村田顕吉朗)
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