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 マンションの管理規約に反して駐車場で猫にエサをやっていた住民の男性に対し、管理組合が駐車場の明け渡しやエサやりの差し止めなどを求めた訴訟の判決が1日、東京地裁であった。吉村真幸裁判長は駐車場の明け渡しのほか、男性が持ち去った管理組合の猫よけ機代(約1万円)の支払いを男性に命じた。

 エサやりの差し止めについては、男性が裁判中の約11カ月間、エサやりをしなかったことから管理組合の請求を退けた。一方、管理組合側に対しても「理事長が組合の総会で男性の名誉を傷つける発言をした」と認め、1万1千円を男性に支払うよう命じた。

 判決によると、男性はマンション自室で5~7匹の猫を飼っていたが、2011年ごろから出勤時に、猫のエサを契約している駐車場に置いていくようになった。管理組合は14年9月、駐車場の契約を解除したが、男性はエサやりをやめなかった。

 吉村裁判長は、エサやりによって「生活環境が悪化し、マンションの経済的価値が下がるなどの不利益が生じる」と指摘。駐車場の契約を解除したのは有効だと認めた。