京都・鴨川に廃棄物散乱 イメージダウン恐れる
京都市内を流れる鴨川の上流で、埋め立てられたコンクリート片などの廃棄物が雨の影響でむき出しになり、河川敷に散乱している。河川を管理する京都府が一部撤去したが、埋め立て場所が数多くあるとみられ、大雨が降れば悪化する可能性がある。漁業関係者は「鴨川のイメージダウンになる」と撤去を含め対応を求めているが、府は「治水上の障害はなく、実際に危険な場所との優先順位や予算面からすぐには難しい」と苦悩している。
■治水上の危険性なく、すぐに撤去は困難
廃棄物が確認されたのは大半が私有地で、小規模な場合は私有地への埋め立てが廃棄物処理法上は違法ではなかった1997年以前に埋められたものとみられる。
2013年の台風による大雨で、廃棄物を覆っていた盛り土が崩れて露出や流出し、府は15、16年に左京区静市から北区上賀茂の約880メートルの間で約2千万円かけて撤去した。
本来なら流出させた当事者が負担すべき費用だが、誰が捨てたのか特定するのは難しい。撤去への税金投入に疑問の声はあったが、清流保護をうたう府鴨川条例の理念に基づき撤去した。
しかし、撤去現場のさらに上流で廃棄物が複数の場所で確認され、北区雲ケ畑地域ではアスファルト片が河原に転がり、川岸からトタンや金属片が露出している。
賀茂川漁業協同組合の澤健次組合長は「府は鴨川をきれいにと言っているが、下流の人目に付くところだけでは意味がない。鴨川には天然アユが戻りつつある。有害物質が検出された場合の風評被害が怖い」と不安を募らせている。
府京都土木事務所は「治水上は緊急の危険性はない。現段階では公費を使った撤去は考えていない」と当面、月2回の巡回などを通して経過を見守る構えだ。しかし、上流で廃棄物がどれだけ埋まっているか分からず、今後も流出が増える可能性がある。府河川課は「鴨川は京都の顔なので、鴨川府民会議の意見を聞きながら対応を進めていきたい」としており、環境悪化を防ぐ早急な取り組みが求められる。
【 2017年02月01日 08時53分 】