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 ◇当初予算案で多摩市方針

 多摩ニュータウンの代表的な複合文化施設「パルテノン多摩」の大規模改修について、多摩市は30日、新年度当初予算案に関連経費を計上するのを見送る方針を明らかにした。着工時期の遅れは避けられず、市が目標としてきた2020年春ごろの再オープンには間に合わない見通しだ。

 市は、建物の老朽化や設備の劣化が進むパルテノンの改修を決め、3月末までを目指して基本計画と基本設計の策定を進めている。新年度には実施設計や工事着手を見込んでいたが、市議会に「もっと議論を深めるべきだ」との慎重意見が強く、3月1日開会の市議会定例会に提案する当初予算への計上を断念した。

 阿部裕行市長はこの日の記者会見で「改修したいのに変わりはないが、議会での議論を見ながら進めていきたい」と話し、議会側の理解が得られ次第、補正予算などで対応する考えを示した。

 パルテノンの改修には1987年の開館当時の建設費(約81億円)に近い約75億円が見込まれる。市は廃校舎を暫定利用している図書館本館を再整備する基本構想づくりも同時に進めており、市議会からは「人口減少が進む中、将来的にこれらの施設の維持が可能なのか」「パルテノンがある多摩センター駅前地域の活性化につながるのか」などの懸念の声があがる。

 市議会では昨年12月に特別委員会を設け、5月半ばまでの期限付きで議論を重ねている。パルテノンと図書館の合築などの具体案も上がるものの、何らかの合意が得られる道筋は描けていない。

 市は「パルテノンが安全に使えるのは来年12月ごろまで」とし、それ以降は閉館する考えを表明。再オープンまでの期間が長引けば「多摩センターのにぎわいへの影響が大きい」として早期改修の構えは崩していない。両者の隔たりは大きく、議論は袋小路に陥る可能性もある。

 (武井宏之)